イギリスの公立学校、大半がストライキへ 先生に質問はNG?
今月中旬、英国のイングランドとウェールズの先生たちが所属する全国教職員組合(NEU)が2月1日、3月2、15,16日にストライキを行うと発表がありました。明日2月1日には多くの公立の学校で先生たちのストライキが予定されています。
子どもが通うロンドン南西部の公立小学校からは組合の発表があった次の日、「学校全体の5-6クラスを除いて学校が閉鎖になる」での告知がメールでありました。
校長先生からのメールにはこちらの資料も添付されていました。2010年比較でイングランドの先生たちの給料が他のOECD諸国と比較して上昇していないことを示すものです。
学校からは「Contengency plan」(緊急事態に備える計画)を用意するように親への要請がありました。
平日、学校が休みになるとなりお母さん、お父さんたちが参加するワッツアップのグループではストライキの日に子どもたちを預かってもらうキャンプの情報が飛び交いました。
今回の件で一番私自身が驚いたのは、先生たちへの配慮のため詳細なことは聞いてはいけないという考え方です。
「先生のストライキをするという決断を尊重するために、どのクラスがストライキを決行するのかなどについて先生に直接聞くのはNG」というメッセージがクラス代表のグループ内で流れてきました。
子どもの学校が休みになるという切実な問題にもかかわらず朝や夕方の迎え時には、親たちの間でも触れてはならない議題、「沈黙は金なり」という雰囲気が漂っていました。
先生がストライキを行使する、という考えには賛同します。ただ、直前までどこのクラスが閉鎖されるか手探り状態で、それを聞くのはご法度という状況に疑問を覚えました。
医者や先生、救急隊員とよばれるessential workerの人たちにとっては、子どもの学校が閉まるということは一大事です。
急激なインフレを背景に、救急隊員や郵便サービス、鉄道まで幅広い職種でストライキが広がっています。次は消防士のストライキが予定されている模様です。
2月には1回ですが、3月には学校の先生のストライキは3回も予定されています。
私立の学校に勤めている知り合いのお母さんの話では、最近では先生が加入する労働組合の加入料&組合費が高い(年間で£60ー200前後)わりに何もやってくれないと感じる先生たちも多く、抜けていく先生も多いとのこと。
ストライキを自身の意思で決行すると決めると、その日の給料がゼロとなってしまうため、先生も組合全体としても決死の覚悟で臨んでいるようです。
政府の役人の人たちのご子息は公立でなく学費の高い私立に通わているケースが多く、おそらく今回のストライキの影響は受けないと思われます。
学校の先生たちのストライキという行動に対して政府はどのような対応をとるのでしょうか。2人の子どもを公立学校に通う親としても注目しています。
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