「ビートルジュース ビートルジュース」
カインドフルな映画たち:『ビートルジュース ビートルジュース』
柴田あずさがお届けする、カインドフルなムービーセレクション。今回ご紹介する映画は、奇才・ティム・バートン監督の作品『ビートルジュース ビートルジュース』。監督の名を不動のものとし、世に知らしめた原点のひとつとも言える『ビートルジュース』の35年後を描くホラーコメディです。
一体どんなストーリーなのでしょうか?
ちょっぴり「ノスタルジック」な気分に浸れる?!
1988年に公開された『ビートルジュース』。キモ可愛い作品を撮る監督として、ティム・バートン監督がその地位を確立したとも言える作品でした。今回35年の時を経て、その続編が誕生! タイトルはズバリ『ビートルジュース ビートルジュース』。ちょっぴりノスタルジックな気分に浸れる……そんな風に思える作品です。
今回の映画では前作から35年後を描いています。前作と同じくウィノナ・ライダー、キャサリン・オハラ、マイケル・キートンらが出演。音楽もダニー・エルフマンが担当し、バートンファンであれば思わず「にんまり」してしまいそうな、バートン・テイスト満載作品となっています。ちなみに今回はブラッド・ピットの制作会社Plan Bも名前を連ねています。
濃すぎるキャラクターが観る人を圧倒!
ストーリーは相変わらずエッチな主人公、ビートルジュース(マイケル・キートン)を中心に繰り広げられていきます。「吉本のお笑いの方でっか?」っていうような黒白のストライプスーツに身を包み、内田裕也さんのような金髪にロン毛。彼は死後の世界で「人間怖がらせ屋」という職業を営む定年齢600歳です。
彼はかつて結婚を迫るも願いが叶わなかったリディア(ウィノナ・ライダー)のことをいまだに忘れられずにいます。彼女は子供の頃頃から霊感がありゴーストが見えてしまうパワーを持ち、今はそんな自身の霊能力を生かしてテレビ番組の司会者として活躍しています。
私生活では一人娘アストリッドとの関係に頭を悩ませる母親。リディアとは反対に娘はとても現実的で幽霊の存在を信じておらず、母の霊能力もインチキだと思っている始末。
ある日、数世紀前から死後の世界の倉庫に封じられていたビートルジュースの元妻ドロレスが復活し、ビートルジュースに対して復讐を企てるのですが、この元妻役がなんとイタリアの至宝モニカ・ベルッチ。なんともミステリアスで不気味さが美しい! ホッチキスの針が刺さっていてもプリプリ唇。
その蘇り方も魅せてくれます!体のパーツがそれぞれ違うボックスごとに入っているんですが、まずはあの美しいお顔をでっかいホッチキスでパッツンパッツン止め、次に腕、脚、そしてあの豊満な胸というBODYがくっついてくるのです。来年還暦を迎える、いろんな意味で恐るべしモニカ・ベルッチ。
ホントに濃すぎるキャラクターが、観ている私たちをハラハラ、ドキドキ、圧倒させてくれます!
一方、アストリッドが死後の世界にあることが原因で囚われてしまい、母親のリディアは最終手段としてビートルジュースに助けを求めることになるのですが……。
ティム・バートンワールドが炸裂!ユニークな死後の世界の住人たち
ってなお話なんですが、この死後の世界にいる住人たちがなんともユニーク。
ここはティム・バートンワールドが炸裂しているので楽しんでいただきたいポイントです。
まず死後の世界って言ってもバーみたいなところなんですが「あなたは死にましたよーっ」といういう本がそれぞれの死者に与えられるんです。まさか自分が?と思う人もいるようですからね。それを読みながらImmigration officeでみなさんは列に並んで待っているわけです。
この待合室には死んだ時のまんまの姿の人々がいます。あまりにもリアルなゾンビみたいな方は出て来なくあくまでもコミカル。例えばどうやら海でサーフィンを楽しんでいた若者がソファに座っていて、よく見ると若者の下半身と片手に抱えるのサーフボードの下半分がない。つまりサメに持って行かれてしまったようなんですね。
そんな彼らを見ながらビートルジュースのように眼球をボヨヨーンと飛び出させてみてください。他にもジャスティン・セロやウィレム・デフォーも出てきますので笑ってあげてくださいませ。
あと1988年制作の「ビートルジュース」も現在ネットフリックスで配信中ですので、もし若かりし頃のアレック・ボールドウィンやまだ十代前半だったウィノナ・ライダーが懐かしい!と思われる方は、是非ご覧になってみてくださいね。
ちなみに日本語版でのマイケル・キートンの吹き替えは、なんと西川のりおさんでした。
「ビートルジュース ビートルジュース」は今週27日金曜日からロードショーです。
公式サイト: beetlejuicemovie.jp