スピノザの『エチカ』を読むと起こること
『エチカ』という書は私(読み手)が論証の中で、一切の否定なしに自らのうちに開かれた〈力能〉を全肯定する装置のようなものである。
〈神あるいは自然〉に満ち足りている〈力能〉の産出的な必然的活動として私自身の存在を含めたこの世界が今、ありありと実在していて、その有・実在性は一切の否定を含まない絶対的な肯定によって充足されている。
私という個別的存在について、その精神は観念(肯定性)そのものであり、身体はその観念対象である。そして、コナトゥスという生物的秩序に従い、自らの活動の抗