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目で読む文字から耳で読む文字へ

友人の紹介で知り合った杉田淳さんがノートに執筆された記事を紹介したくて、これを書いています。

杉田さんはNHKでお仕事をされている男性です。緑内障により人生の途中で視覚障害となりました。

これまでのお仕事のこと、目に異常を感じたときのこと、そして現在のお仕事をNHKがノートで始めたNHK取材ノートで執筆されました。

杉田さんとは今年の1月、共通の友人の紹介で知り合いました。見えにくさを感じていることを伺い、お会いすることになりました。

初めてお話を伺った時に
「生活の中で一番困っていることってなんですか?」
と尋ねると
「パソコンやスマホの文字が読めなくなってしまったことです」
と教えてくれました。

それなら、パソコンやスマホを画面を見ずに音声を聞いて操作する方法を一緒にやりましょう、ということになり何度かレッスンに伺いました。

レッスンをしながら、これまでのお仕事のこと、見えにくくなったことでの気持ちの変化を少しずつお話ししてくださいました。

ノートにはご自身の気持ちの変化が細かく分かりやすい文章で綴られています。社会人として積み上げてこられた実績を伺いながら、これまで「目で読んでいた」文字を「耳で読む」ことができれば、きっと自信を取り戻してくれるはずだと思っていました。

iPhoneにはボイスオーバーと言って、もともと画面読み上げの機能が付いていること、どのスマホでも設定一つで読み上げが可能になることをお話ししました。

これは私が見える人たちに向けて、見えない私がどうやってスマホを使っているか紹介したくて2018年に作成した動画です。

iPhoneに続いて、パソコンにも専用の画面読み上げソフトをインストールするだけで、文字の読み書きやメールやインターネットもできることをお伝えしました。

スポンジがどんどん水を吸い込むように、杉田さんは「耳で文字を読む」ことを習得されました。一つ説明をすると、それに関連した応用の操作も瞬時に判断され、実践が進みました。

杉田さんの「覚えたい」という熱意の裏側に「覚えなければ」という必死さを垣間見たとき、これまで「目で見てやっていたこと」をそれ以外の感覚でできることをたくさん伝えていきたいと思いました。日常生活のちょっとした話題の中に「私はこんな風に工夫してます」ということを交えてお話ししました。

杉田さんのように、人生の途中で視覚障害を持った方にぜひ読んでもらいたい記事です。これだけの思いを文章にすること、すごい労力と心のエネルギーを使っただろうなと想像しました。

思い出したくないこともきっとあったのだと思います。
でも、こうして文章にしてくれたことで、多くの人の希望になると思います。他にも、思うようにいかなくて悩んでいる方、突破口が見つかるかもしれません。

杉田さんの思いがたくさんの方に届きますように。

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