
大切な石をそっと引き上げるように
ずっとやってみたいと思っていたことを、4月から二つ始められることになった。一つはコーチングの月に一度のセッション、二つ目は朗読のレッスン。まずはコーチングのセッションについて書いてみたい。もう一つの朗読については、次回の記事で書きたいと思う。
二つとも、この人にお願いしたいと思える人に、タイミングと、ご縁で繋がった。
これまで何度かコーチングのセッションを受けてきて、質問を投げかけてもらって内面を引き出してもらうスタイルは私に合っているなと感じていた。コーチングができれば誰でもいいわけではなくて、まずは人柄を知って、その上でお願いできる人を探していた。
先月、15年ほど前、一緒に勉強していた女性と再会した。彼女の人となり、努力家であること、人生を楽しんでいることが体験セッションをお願いする決め手になった。
体験セッションを受けて感じたこと
体験セッションを受けて感じたのは、コーチングは自分の中の心の深いところに長いスコップを入れて、大切にしている小さな石をそっと引き上げてくるものなんだなということだ。コーチの質問がスコップになって、心の中にすっと入っていく。
私自身が内面を探りながら見つけた石を、言葉にしてそっと手渡す。コーチは一つ、また一つと石を並べながら、さらに質問を重ねていく。
新しい何かを見つけるのではなく、自分の中にあったものを取り出して、目の前に並べて、落とさないようにそっと握りなおす。これがコーチングなんだなと思った。
「体験セッションで何がしたいですか?」
と聞かれ
「活動していくうえで、ぶれないミッションを言語化したいです」
と返した。
一度の体験セッションでは難しいと思っていたけど、ずっとこれを目標にコーチングを受けたかった。
これまでの活動
Mothers' Cafeという屋号で活動してもうすぐ7年になる。
私が全盲の子供であったこと、今は全盲の母親であることから「見えない子供を育てているお母さん」をサポートしたいと思ったのがきっかけだ。自身のこれまでの人生と向き合ってたどりついた思いから始めた。
活動を始めるタイミングで、知り合いから紹介してもらった人と一度コーチングのセッションをした。
「視覚障害について知ってもらえたら、見えないお子さん、その子を育てているお母さん、私のような障害当事者の親、みんなが楽に生きられる」
という思いを言葉にできた。
「見えないからなにもできない」もしくは「目が見えないのになんでもできてすごい!」この両極端な意見を持っている人はまだまだたくさんいることを、日々の生活の中で感じている。見えないことはその人の「一部」であって「全部」ではない。
工夫してできることもたくさんあるし、見えないがゆえに絶対できないことももちろんある。自身の日常を発信して、まずは工夫を知ってもらいたいという思いで活動を始めた。今もこの気持ちで活動しているのは変わらないが、もうすこし深い部分まで思いを掘り下げたいとずっと思ってきた。
個人で活動している人や会社のホームページには必ず「ミッション」「理念」が載っている。
私もこれを作りたい。
ミッションの言語化
これまで講演や執筆といったいただいた仕事は全部全力でやってきた。
でも、これだけでは弱いなとずっと感じていた。
個人の仕事が途絶えたときに、ミッションがないから何をしたらいいのか分からず行き詰ってしまう。
「ちゃんと理念やミッションを持たないと、必ずどこかで行き詰るよ。そこはしっかり考えた方がいい」
これは活動を始める7年前に夫から言われたことだ。私は
「活動しながら考えていくよ」
と答えて、ここまできた。活動していれば大切な思いは自然と見つかると思っていた。
でも、思いの核になる部分はしっかり言語化しないといけないんだなと思うようになったのは、定期的に行き詰ってしまうことが続いたからだ。
今のままいただいた仕事を大切にこなして、楽しいなと思えることを形にしていけばいいんだと思っていた時期もあったが、去年の夏本を出した辺りからもうちょっとステップアップしたいなと思うようになった。
自分の中にしっかりと軸が出来ればネガティブな反応にもいちいち心が乱れることもないだろう。
100人が「いい動画だったよ」と言ってくれたとしても、数人から「障碍者の癖に目立ちすぎ」「こんな親で子供がかわいそう」という反応があると深く心がえぐられて、もう全ての活動をやめてしまおうと思うことが何度もあった。
親しい友人たちは
「そんなの気にしなくていいから。あずささんにしかできないことをやって!」
と言って励ましてくれる。私も万人に好かれるはずがないのは分かっているし、いろんな反応があることもわかっている。それでもやはり、攻撃されると傷つく。
もっと自分軸がしっかりしていれば、ネガティブな意見も今とは違う受け止め方ができるのかもしれない。
思いを言葉にする
活動していくうえで大切なミッションを一人で言語化できる人もいると思う。
私も考えたことがあったが、出てきたものが自分の言葉ではないなと思った。
誰かの真似のようで、本当に私の中から湧き上がってきた思いを言葉にできていない感覚があった。今回、私の中の大切なものを引き出してもらいたいと思える人と出会えた。
コーチングを受けることが目的ではなく、コーチングから得たものを今後の活動に生かしていく。手段と目的を勘違いしないように、大切に時間を使っていきたい。
既に持っている私の心の中にある大切な石を、そっと取り出して目の前に並べていこう。
迷ったときの道しるべになるように、いつでも取り出せる場所に置いておければ、これからの活動はパワーアップするはずだから。
タイトル画像サポート
noteで知り合った碧月はるさんからいただいたこちらの画像を使わせていただきました。
梓さん、こんにちは。
— 碧月はる@物語で原体験を伝える人 (@haru35525859) April 10, 2021
いつもありがとうございます🍀
タイトル画像サポートの写真を添付いたします!
こちらは、海で撮ったシーグラスの写真です。真っ青な海を背景に、私の指でつまんだシーグラスを写しています。シーグラスは厳密には石ではないけど、イメージにもし添えばと思い、応募しました☺️ pic.twitter.com/BMfVAxvcrq
コーチングを通じて大切なものを見つけていきたいと思わせてもらえたきれいな写真をありがとうございました。