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ドキュメンタリー作品「特別なんかじゃないんだよ~全盲ママの子育て」再生回数100万回突破しました!

YouTubeで私と娘の生活を撮影してもらったドキュメンタリー
特別なんかじゃないんだよ~全盲ママの子育て」が再生回数100万回を突破した。
たくさんの方に観ていただいて、拡散していただけたおかげだと思っている。

今回は100万回を記念して、ドキュメンタリー制作までの過程、いただいた感想、今後への思いをここに残そうと思う。


ドキュメンタリー制作の過程

4年前、ホームページ宛てに届いた一通のメールがきっかけで、ドキュメンタリー作品を作ることになった。
当時大学三年生だった女性から貰ったもので、ゼミの課題で、取材対象を見つけ、企画・撮影・編集全てを一人で行うと言うものだった。
彼女と私は下の名前が同じ。
これもご縁だなと思う。
私に密着して撮りたいと言ってくれた彼女に、どんな作品にしたいかを尋ねた。
まだ具体的なことは決まっていないという答えを聞いて、一つお願いしたことがある。
「全盲の母親と目が見える娘の愛と感動のストーリー」が撮りたいならお断りしたい、と。
「そのつもりはありません。日野市で子育てしている一人のお母さんとして、取材させてください」
という答えを聞き、お願いしますということになった。
取材が始まった。
彼女に私たちのことをたくさん知ってもらい、そこから感じたことを作品にしてほしいなと思った。
そのためには、まずは私たちと仲良くなってほしかった。
いろんなところに出かけ、保育園の行事にも来てもらい、一緒に旅行にも出かけた。
旅行には、私たちが交通費や宿泊費などを出すから、撮影を兼ねて一緒に行ってもらえないかとお願いしたところ、恐縮しながらも喜んで了承してくれた。
清里にある小さなペンションで、私たち家族と彼女の部屋が別々に取れたことがお誘いした決め手だった。
旅行中は、撮影をしながら誘導してくれたり、動画や写真をたくさん撮ってくれた。
このころには「動画撮影してくれている大学生」ではなく「彼女自身」と親しい関係を続けられていることがとても嬉しかった。
娘もお姉ちゃんのように慕っていたし、動画には出ていない夫も
「しっかりして優しいいい子やな」
と言っていた。
私たち家族にとって大切な存在になっていった。
「こんな風にサポートがあれば家族旅行も楽しめるんだ」
ということを知ってもらい、逆に
「こういうことが旅行と言う非日常では困るんだ」
ということも彼女なら感じてくれるだろうと思っていた。
自分の思いをしっかり言葉で伝えられる彼女は、こんな作品を作りたいということをたくさん伝えてくれた。
ドキュメンタリーの話以外にも、大学の授業の事、アルバイトのこと、就職活動の事、たくさん話した。
長い時間を共にして、私と彼女の思いを合わせて作った作品が完成した。


視聴者からいただいた感想

掲載直後から再生回数がどんどん上がり始め、コメントもいただくようになった。
一つ一つコメントを読みながら、返信を書いていった。
そのときに感じた、嬉しい気持ちや悲しい気持ちを残そうと思う。

「どこにでもいる面白いお母さんですね」
「見えないと生活するのは大変だろうなとずっと思ってきましたが、家の中を覗かせていただいて、そんなことはないんだなとわかりました」
「テレビでやっているような泣かせるだけの番組じゃなくて、日常が取り上げられていてよかった」

見えない人がどうやって暮らしているのか全く知らなかったという方からいただいた感想だ。
私と彼女が伝えたかったことが、ちゃんと届いているなと嬉しくなった。

「学生さんが一人ですべて制作したなんてすごい!」
「ナレーションがすばらしいですね」
という、彼女への応援コメントもたくさんあった。
中途視覚障害の方や、聴覚障害、車いす使用者の方からのコメントもたくさん寄せられた。
「見えなくなっていく現状を毎日悲しんでいました。でも、動画を見てこんな風に子供を育てていけるんだと思いました」
「私は車いすを使用して子育てをしています。状況は違いますが、一緒にがんばりましょうね」
と書いてくださっていた。
もちろん、好意的なコメントばかりではない。
「こんな親で子供がかわいそう」
「障害者のくせに偉そうにしてる」
「本人このコメント読めないだろうから書くけど、子供が思春期になったら親が見えてる方がいいよ」
などが寄せられた。
中には読むに堪えない物もたくさんあった。
批判的なコメントも予測していたが、直接言葉を投げつけられると、心の真ん中が削られていった。


感想を読んで感じたことと今後への思い

何百件もの感想を読みながら感じたこと。
作った作品に対して「相手がどう思うか」は私が決められないと言うことだ。
こんな思いを込めて作っています、という気持ちがその通り相手に届くかはわからない。
批判的なコメントを読む度に、作品の意図を説明したい気持ちになった。
でも、コメントを書いた人一人ずつに説明して回るわけにはいかない。
では、どうするか。
自分の思い通り伝わらないこと、批判されることも覚悟したうえで発信を続けていこうと思う。
受け取り方は人それぞれではあるが、私の中に
「こんな思いを込めて作っています」
という明確な気持ちを持つことはできる。

これまで作ったすべての動画に共通している思いがある。
「見えないからどうせできない」
じゃなくて
「見えなくてもこんな風に工夫すればできる」
と考えてくれる人が増えれば嬉しいし、私自身もこの思いを持って進んでいきたいと思う。

最後にもう一度お礼をお伝えします。
たくさんの方にご視聴いただき、拡散していただき、本当にありがとうございました。

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