愛する誰かがいる貴方におすすめ【映画「マッチング」】
皆様こんにちは。
最近久々に映画を見ている成人済のオタクです。
今回は映画「マッチング」について、ネタバレのない範囲で感想を語りたいと思います。
現段階で3回鑑賞させていただき、原作とパンフレットも読了済みです。
こちらの作品のレーディング、なんとG。
……マジ?
私は初回鑑賞前に心底嘘だろ?と思いつつ、信じてるからな映倫!という気持ちで見ました。
ギリギリ裏切られはしませんでした。ギリギリ。
しかし小さめのお子様が入っていくと大丈夫かしら……と少しばかり心配になったりもしました。
初回鑑賞の感想
初回の感想としましては、
・愛って何???????
・佐久間くんハマり役だコレーーー!
・サスペンスを見てきた人や欧米刑事ドラマが見れる人ならしっかり見れるタイプ
・BGMがあまりにも親切
こちら4本立てです。
情緒が不安定すぎる?よく言われます。
というのも、私は思考がこう並列で同時進行で分析と心情がパッと出るタイプなので文字に出力するとこうなるというだけです。ご安心を。
「愛」って何?
第一の感想がこちらです。
確かに「愛」の物語でしたが、愛とは何かを非常に考えてしまいました。
本作品には様々な愛があります。
恋愛、家族愛、友愛。
人が生きていく中で、そう簡単には切り離せないものです。
あなたにとって、愛とは何か。
簡単に説明出来ないそれの、登場人物達の思う愛を感じられる作品です。
見終わった後、その愛を理解できるかどうかは、あなた次第でしょう。
キャスティングの妙
本作品のメインキャラクターは3名。
恋愛音痴な主人公、唯島輪花(土屋太鳳)。
そのマッチング相手でストーカー、永山吐夢(佐久間大介)。
マッチングアプリプログラマー、影山剛(金子ノブアキ)。
誰しも一度はテレビで見たことのある面々が各キャラクターを演じています。
土屋太鳳さんの演技は言わずもがな素晴らしいものであり、正直なところ撮影中体調は大丈夫なのかと心配になるほど、役を演じきっていました。CMにもあったシーンなのでここにも記載しますが、特に動揺する表情と悲鳴を上げるところが個人的にはとてもよかったです。マニアック。
佐久間大介さんは、普段のあの眩しい笑顔と明朗快活な姿からは全く想像もできないほどに、見事に影のあるストーカー役を演じ切っていました。まるで吐夢に身体を貸しているような、そんな風にも見えるでしょう。ハマリ役でした。ちなみに、私が本作品をみる最後の決め手になったのは、CMにある輪花の手を引いて階段を駆け下りる吐夢の姿です。
金子ノブアキさんは非常に自然体で、ああこういう人いるなぁと思わせるような、どこにでもいる人を巧みに演じていたように思います。それゆえに、物語後半でのあの表情は―――おっと、ここまでにしておきましょう。
しかし彼は彼で、愛に生きているキャラクターでした。
音楽と演出について
さて、音楽と演出についての感想です。
本作は非常に親切なことに、スリラーサスペンスが苦手な人にも、これから怖いことが起こるよ、とサウンドトラックが教えてくれる設計になっています。ほんの少しネタバレになってしまいますが、今作において音は嘘をつきません。……本当ですよ?
また、主題歌であるAimerさんの「800」。
鑑賞前に聞き、エンドロールで聞き、そして帰り道にもう一度聞きました。
主題歌であるので当然ながら見事に映画とマッチしており、エンドロールでは映画の余韻に浸ることのできるこの曲を、帰路で歌詞をみながら聞いてみると、ああ、と頭を抱えることになりました。
劇場の素晴らしい音質でぜひ聞いてください。
演出についてですが、ここでは主にグロいシーンについて記載しておきましょう。
率直に申しますと、私自身あまりそういったシーンは得意ではありません。
ただ先述の通り、大概予感はさせてくれますので回避は可能です。とても助かる。初回鑑賞時、大変申し訳ないのですが私はことごとく目をつぶりました。つまり全部回避しました。
その他、伏線とその回収や、今後の展開に暗雲が立ち込めていく様子や、なかなかスリリングな個所もスピード感があってとても見やすいものでした。
ミステリーではないので頭を空っぽにしても見れるなと思いました。
2~3回目の感想
原作読了・パンフレット読了・2~3回目の感想については、
・永山吐夢!!!!!!
・人間、追い詰められたらまぁそうなりますよね
・思ったよりもグロくなかったぞ?おや??
・うーんこのセンスのなさ、本当にさァ
・どう見ても何度見ても輪花がかわいい
・今作の面々、半数が精神面において少し特徴的な気がする
・永山吐夢!!!!!!!!!!!!!
……ひとまずここまでにしておきましょう。
これらの感想の大半はネタバレになってしまうため、ここでは言えないことが非常に残念ですが、映画を見た方はきっとこの気持ちがおわかりいただけるのではないでしょうか。
しかしせっかくなので一応それぞれに対してもう少し詳しい感想を置いていきます。
永山吐夢というキャラクター
これは私の贔屓目にもなってしまいますが、彼はとても魅力的なキャラクター性をしています。
彼はくらがりが似合いそうですが、鑑賞後、彼には不思議とカラフルな花が似合いそうだと思いました。そうですね、極彩色の中にぽつりと立っている死んだ魚のような目をした真黒な青年、というイメージでしょうか。
彼にとっての「愛」は明確であり、それがまた彼の持つ不思議な魅力の一つなのでしょう。どうぞ本編でご確認ください。
基本的に限界オタクである私は何度も「永山吐夢!!!!!」と言いたくなりました。
ああそうそう彼のこと、二次元が好きな方は多分好きになると思いますよ。
追い詰められた人間
サスペンスですので、誰かしらは犠牲になり、誰かしらは追い詰められるのがこういった作品。
そもそも本編開始前に3組の新婚夫婦が亡くなっているので言わずもがなですが、主人公は基本的に試練を課せられ追い詰められるものです。
しかしその追い詰まった状態での人間は、存外驚くべき行動に出てしまうものなのでしょう。
主人公の序盤から終盤にかけて変容していくその姿をぜひ劇場で。
本当の意味で恐ろしいのは自分の想像
初回では怖い・グロいシーンを回避してきた私ですが、2回目で薄目や若干逸らす形、3回目で直視してきました。
そこで得た感想としましては、人間、耳からの情報のみで想像させると、実際にそこにあるものよりも残酷なものを想像しがちなのだなぁ、ということです。
そしてとあるシーンでの「うーーーーーん、このセンスのなさ、美学がない」と思いました。ええ、まったくもって酷いものです。
初回で回避が間に合わなかった部分、演出の都合上暗めのシーンで私が血だと勘違いしたものはことごとく血などではなく影であり、中身もまるで違ったという、全て先入観と思い込みによって恐怖が彩られていただけ、という事態になっていました。
本当に恐ろしいのはどこまででも残酷に慣れる人間の想像なのかもしれません。
各キャラクターの精神性
キャラクターそれぞれの個性と、そしてその精神性。
私自身の専攻が心理学系であるためでもあるのでしょうが、この時この行動をしているこのキャラクターの心情は何か?という問いを持ちながら見ていました。
具体的には申しませんが、個人的にわぁ、と思ったのは輪花です。
かわいそうでかわいらしいですね。
まとめ
さて、こうして感想を話してまいりましたが、ネタバレのある感想を出すとすれば非常に細かいところへの感想が始まりそうな予感がしますね。
映画「マッチング」。
何度見ても面白く、何度も見ることで発見のある、そんな作品です。
サスペンス系が好きな方だけではなく、
どこかイカれてるキャラクターが好きな方、
何か/誰かを愛している方、
何か/誰かを愛したい方、
嘘をついていたり何かを秘めている方、
たくさんの方に是非ご鑑賞していただきたいと思います。
本noteがその一助となれれば幸いです。
それでは、あなたが愛とは何か、答えを見つけられることを祈って。
ああ、そうそう。
夜道に気を付けて、どうぞ戸締りはしっかりと。
2024.03.06
一瀬あづ紗