見出し画像

ロナウド×ポジショナルプレーの可能性vsディナモキエフ戦

ユベントスのCL初戦の相手はウクライナの古豪ディナモキエフ。今年から監督に宿敵シャフタールの黄金期を築き上げたルチェスクを招聘したが、現地サポーターからは大反対を受けている。

ユベントスはこのGL突破するためには、このグループで3番手に位置する相手なので敵地で勝ち点を持って帰りたい。

お互いの布陣

画像1

「ユベントス」 攻撃:3-2-5 守備:4-4-2              「ディナモキエフ」 攻撃:4-3-3 守備:4-5-1

ユベントスは重要なCL初戦ということもあって、経験が浅いフラボッタの代わりにクアドラードを起用した。

事前の予想ではローマ戦のようにクアドラードが左WBで起用される3-4-2-1だったが、いざ試合が始まってみるとダニーロとクアドラードを両SBに置いた4-2-1-3を使った。この重要なCL初戦に今季初の4バックを使いTLは大盛り上がり。

対するディナモキエフはU-20w杯を制した若手を中心にポゼッションサッカーを志向する。

注目の選手は22歳コンビのツィハンコウ(15)、シャバレンコ(10)特にツィハンコウはスピードを生かした突破が持ち味の若きエース。

陣形の噛み合わせ

画像2

ユベントスの4-2-1-3に対してディナモキエフは4-3-3という綺麗に噛み合う配置となった、ユベントスはキエーザ、ラムジー、モラタが絡む左サイドから崩す狙い。

マンツーマンとなっているので一対一で負けられない。

ピルロユーヴェに欠かせないラムジー

画像3

ユベントスのビルドアップは4バック+2ボランチで組み立てる。

基本的に4+2で後ろから作っていくが、中盤2枚の片方がCBの間に落ち左右のCBが開くサリーや、トップ下のラムジーが中央、左に流れて中継点となった。

最前線のモラタは中央、左右のHSで縦パスを受けてポスト、キープなどチームの重心を押し上げる働き。ボールを受けた後に自分で運んでファールを貰うことが出来るのも武器の一つ。

ロナウド×ポジショナルプレーの可能性

画像6

ユベントスのゴール前の崩しのポイントとなるのがダニーロの高さと左HSの攻略。

ダニーロはピッチ中盤では3-2-5の3バックの左でプレーする見慣れた形、敵陣深くでボールを持った場面では、一列上がり偽SBとして2-3-5の左中盤でプレーをする。

この際ラビオが中央、ベンタンクール右にスライドする形になる、中盤を三枚にすることによってより大外の選手にボールを供給しやすくなる。

後ろから上がってきたクアドラードとキエーザが大外に張り幅を取る。キエーザをドリブル、クアドラードはクロスからチャンスを演出した。

帰ってきたボヌッチからのロングフィードで左右をワイドに使う攻め。

クルセフスキは右HSに固定されていて主に左CBを引き付ける役割、中央のモラタはポストプレーから起点となり、クロスから得意の点で合わせる動きで得点を決めた。

ラムジーはモラタやキエーザに比べて少し下がった位置でプレー、あえて目の前にスペースを空けとくことでカットインを狙うキエーザ、左に流れるのが好きなモラタが空けたスペースを使う。

ラムジーはピッチ左側を自由に動いて周りを活かすプレーでリズムを作った。

ピルロがこのシステムはロナウドを置いたデザインと明言しているが、ラムジーの代わりにロナウドを使い構成力では落ちるが、得点力を強化しようという考えか。

連動したプレッシング

画像4

ユベントスのプレッシングはトップ下のラムジーが一列上がりモラタと2トップを組む4-4-2、モラタとラムジーはシドルチェクのコースを消しながらCBにプレッシャーをかける。

2トップが中央を締めサイドに誘導するポジショニングを取る、ディナモキエフのSBにボールを持たせた所をSB、CH、SHが連動して奪いに行く。

ユベントスのSHは内を切るDFで追い込み、ピッチ半面にスライドしてコンパクトな陣形でプレスをかける。

ラビオとベンタンクールという強度を保証できる二人だったので、剥がされた後も最悪ファールで止めることができた。重心が前目のベンタンクールとアンカー気質のラビオという補完性に優れたコンビ。

圧縮守備のメリットとデメリット

画像5

ユベントスの組織的守備は中盤までは4-4-2の形だが、ゴール前ではラムジーが下がって来て4-4-1-1-になりアンカー番を任される。

昨季から徹底されているのはボールサイドに寄る圧縮守備、例を挙げると相手右WGがボールを持った時に逆サイドの選手が極端に絞り、ボールサイドでのプレスの密度をあげ時間とスペースを奪う。

アタランタやラツィオなど大外を上手く使う相手には、クロスからの失点が目立ったが構造的に仕方がない失点であった。

エピローグ

試合は愛するモラタのドッピエッタで大事な初戦をしっかり勝ち切ることが出来た、早い時期にウクライナ遠征を済ませたことは大きい。

ロナウドをこのシステムで使うならラムジーの代わりだと思う。攻撃面では本文で触れたが問題は守備にどう組み込むか。

このまま行くとロナウドとモラタが横並びになる4-4-2かモラタが一列下がる4-4-1-1になるだろう、筆者の妄想では15-16シーズンの見せたモラタの4-5-2ロールが右サイドで実現できるか楽しみ。

15-16ユーヴェではモラタがプレッシングでは4-4-2の2トップ、ゴール前では4-5-1の左SHに下がるハードワークを見せていた。

画像7


これはピルロユーヴェで実現しようとするならこういう形になる。

画像8

ロナウドの復帰が予定されているバルサ戦はシーズン前半戦の山場となる一戦なので楽しみ。

最後まで読んで頂き、ありがとうございます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?