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5レーン+ロナウドの可能性  vsバルサ戦マッチレビュー

チャンピオンズリーグGS首位突破をかけたカンプノウでの一戦、ユベントスが首位に躍り出るためには3-0、3-1、4-2など3得点以上が必要とされる。

前回のホームバルサ戦ではロナウド、サンドロ、デリフトなど主力を欠き敗れたが、ここ数年の対決で勝ちが無いカンプノウでリベンジ出来るか。

お互いの布陣

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ユベントス 攻撃:3-5-2 守備:4-4-2

バルサ 攻撃:4-2-3-1 守備:4-4-2

ユベントスは42歳のスーペルジジがスタメンで起用、事前予想では休養とされていたデリフトがそのまま使われた。中盤2枚はトリノデルビーでは控えだったアルトゥールとマッケニーのコンビ、ベテラン中心のスタメンとなった。

バルサは前回の対決で活躍したデンべレが負傷離脱、不調のコウチーニョに代わってペドリとトリンコンの若手コンビが起用された。

結果的にドリブラーのデンべレの離脱でサイドから打開できなくなり、メッシ頼みの攻撃となった。

【前半】 「レジスタ」アルトゥール

最初に試合の流れを掴んだのはユベントス。ビルドアップでボールを運んでリズムを作り序盤の主導権を握った。

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ユベントスのビルドアップは3バック+アルトゥール、この試合ではラムジーが下がって来て中盤2枚で組み立てるシーンもあった。

バルサの2トップがビルドアップを妨害しに来ないので、時間とスペースを得た3バックからロングフィード、HVの持ち運びでボールを前進させた。

ユベントスのビルドアップの逃げ所は両WB、特に右サイドのクアドラードが組み立て、崩しで活躍する外せない選手。

プレスをかけない2トップに対して2センターのピアニッチとデヨングは重心が前目の選手達。アルトゥールや下がってきたラムジーに釣りだされ、CBと中盤2枚の間が空いてしまった。

そのスペースをボヌッチが得意なロングフィードで上手く突き、モラタがポストになり攻撃のスイッチを入れる場面となった。

5レーン+ロナウドの可能性

試合が動いたのは前半13分、20分、ユベントスは前半30分くらいまでは自分たちの流れ。

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ユベントスのゴール前での崩しは5レーン+ロナウド、5レーンに攻撃陣を配置してロナウドはフリーマン。

ピルロが志向するポジショナルプレーでは原則に基づいてたプレーを求められるが、ロナウドには自由を与えている。

ロナウドは左HSを中心としてサイドに流れたり、中央に入ってくる動きを見せる。それに応じてラムジー、モラタがポジションを調整をする。

ポジショナルプレーでは同じレーンに並ぶことは禁じられているが、原則とロナウドのフリーマンを両立させようとしている。

ロナウドの動きに合わせる流動的な左サイドとは対照的に、右サイドはクアドラードを中心としたシンプルな攻め。

大外のクアドラードからのクロス、スルーパスからチャンスを作り出した。攻撃時に上がって来て右HSでプレーするマッケニーは縦横無尽の運動量を活かした飛び出しで、躍動感あふれるプレーを見せた。

果敢に最終ラインの裏のスペース、右HSに飛び出しビダルを彷彿させる働き。2点目のメッザ・ロベッシャータでサポーターの心を掴んだ。

バルサの守備は4-4ブロックを組んで守ったが、2センターのポジショニング、強度不足が響いた。

ロナウドという圧倒的な個とポジショナルプレーが共存共栄出来るか。

ユベントスのHS封鎖とスーペルジジ

試合の流れが変わったのは前半30分過ぎ、試合終了までバルサの流れになりユベントスは耐える時間となった。

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バルサのゴール前での崩しは大外を起点にしてHS攻略、いかにいい形でメッシに渡せるか。

両CBが開いて上がって来てるSBの選手に渡す、そこからSBとSHの連携でHSを攻略する狙い。両CBと2センターがボールを散らして相手の陣形を崩そうとする。

右サイドのデストがオーバーラップする時はトリンコンはHS、デストがインナーラップを行う場合はトリンコンが大外に開いてボールを受ける。デンべレの代わりで起用されたトリンコンはインパクトを残すことはできなかった。

バルサで一番警戒しなければいけないメッシがトップ下、右HSで配給係に徹したが、そのパスを受けたグリーズマン、トリンコンなどが脅威にならなかった。

やはりストライカーのスアレスが抜けた穴は大きかったのか。

ユベントスの組織的守備は4-4-2で中央を圧縮する陣形、中盤4枚が大外を捨てて中を固める。

大外は両SBが対応する両SHはHSをカバーする動き、2トップはゴール前まで下がってくる献身性あふれるプレー。

2トップは大外からの折り返しを狙う守備を見せた。SHがHSをカバーするために下がったので空いたスペースが生まれたが、ミドルシュートは許容範囲のディフェンス。

フリーでミドルを打たせてもコースを限定し後はブッフォンに任せる、メッシのミドルシュートを再三止めて全盛期を思い出させる42歳のセーブ。

前半終了間際に相手ペースになったが守り切ることができた。

【後半】 リキプッチの輝き

流れを変えたいバルサは後半開始早々ブレイスホワイト、65分にリキプッチなどを投入して反撃を試みた。最終ラインの3枚は体力、カードの問題か。

ユベントスは70分にベンタンクールとラビオの中盤2枚替えで強度をキープ、試合終了間際にディバラとベルナルデスキを入れてクローズにかかる。

攻守に奮闘したロナウドに代わってATにキエーザを入れた。(プレー時間が短すぎたので表記してません)

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前半終了間際からバルサの流れとなったが、65分にライン間、狭いスペースで生きるリキプッチを投入して流れを完全に掴んだ。

リキプッチがトップ下に入り供給役として活躍したので、メッシはフィニッシュに集中出来る様になった。

ブレイスホワイトが左に入ったので、右にグリーズマンが入るアンバランスな配置となったが、リキプッチ-メッシの縦の連携が脅威になった。

バルサの唯一の希望は後半から投入されたリキプッチであった。

ユベントスはラムジーの位置にマッケニーが入って強度を上げ、アルトゥールより守備ができるベンタンクールを入れて守備を固める。

試合を通じて2トップのプレスバックやカバーリングなど攻守に走り回った。特に守備を免除されているロナウドがゴール前まで下がってきた。

これが大一番ではロナウドが守備をするという事らしい、勝負の味を知っているポルトガル人がチームを鼓舞する働き。

試合は52分にラングレの痛恨のハンドでPKを得たユベントスが決めて3-0、逆転首位突破を決めるゴールで最後まで守り切ったユベントスの勝利となった。

エピローグ

メッシ、ロナウド時代の最終章となる試合はユベントスの勝利で幕を閉じた。一サッカーファンからするとCL決勝で両チーム、この2人の再戦を期待したい。

正直3-0で勝てると思っていなかったが、決勝トーナメントの組み合わせを考えると首位通過は嬉しい結果となった。

同国のラツィオ、アタランタが2位通過したので、対戦相手はライプツィヒ(ドイツ)、ボルシアMG、アトレティコ(スペイン)、セビージャ、ポルト(ポルトガル)に絞られた。

個人的には16-17ベスト16で当たったポルトと当たりたいが、確率的にはボルシアMGが一番高い模様。

光栄にもP.OCOTINGさんが自分の記事を参考にしてもらって、自分の創作意欲が増しました笑

12月末にはピルロユーヴェの分析、各ポジションの役割について書こうと思っています。

最後まで読んで頂き、ありがとうございます。









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