Is this your passport?

忘れないうちにあの日のことを記したい✏️
これから海外に行く人へ、
また、とってもズボラな方へ…

最近SNSで賑わってる「海外出稼ぎ」。
女の子たちが観光ビザで入国し、アメリカやオーストラリア、海外に出かけて風俗業で稼いで帰ってくることだ。
彼女たちが取得するビザは基本的には「観光ビザ」
と呼ばれるもので、現地での就労は認められていない。つまり働いてお金を稼ぐことは認められていないのだ。
それなのに現地で風俗業を営み稼いでくるので、違法にあたる。これが現地でも問題になっていて、そのため最近では「世界一強い日本のパスポート🇯🇵」が「出稼ぎ女が持ってるパスポート👩🏻」として要注意リストに挙がり、入国の際に少々トラブルになるケースが増えているらしい。
そんな記事を読んで、そういえばわたしの入国の時は…と苦い思い出が蘇った。

わたしが日本を出国/海外に入国したのは「海外出稼ぎ」問題がSNSを賑わす少し前だったので、少し状況は違う。
今考えるとただただわたしがかなり怪しい女に見えただけだったのだ。つらい。

こう見えてもわたしは今まで海外旅行を何回かした経験があり、海外生活なんてコロナ前にもしているので、入国の際の「What's your purpose?」やら「Where will you stay?」なんて余裕だとタカをくくってた。
わたしは初心者ではないんだぞ、と。

わたしの番が来た時、とてもスムーズにパスポートが提出できたし、なんならウキウキもしていた。ほら、あのいつもの質問をしてくれ、と。
質問を待っていたら、審査官の女性がわたしのパスポートとわたしの顔を5度見くらいした。いや、正直もっとしてた。
え?って思うくらいして、「これ、あなたのパスポート?」って聞いてきた。
わたしの想定してた質問じゃなさすぎて、「うぇ…ぃ、ぃぇす…」みたいな返事をした気がする。この時点でめちゃくちゃ怪しい。
そしたら女性が周りの同僚に声をかけてなにやら相談している。周りの同僚たちがわたしのパスポートとわたしの顔を交互に見る。
関係ない通りがかりの審査官も何事かと同じようにパスポートと顔を交互に見る。勘弁してくれ。パーテーションで仕切られてるからってわたしは動物園のオラウータンじゃないんだよ。
一向にパスポートを返してくれないし、なんかみんな納得してない。この時点でもう軽く15分くらい経ってる。
完全に「怪しいアジア人女性が入管で足止めを食らってる」の図である。
最初の審査官の女性がやっぱり納得できていないようで、無線で誰かに連絡してるのが見えた。
終わった。わたしは取調室みたいなとこに連れてかれて英語でガン詰めされて日本に帰らされるんだ…。泣きそうだった。
そうこうしてるうちに若いけどガタイが良くて強そうなイケてるお兄さんみたいな審査官が来て、女性審査官からパスポートを預かって、わたしに「こっちに来て」ってするので、わたしは覚悟を決めて歩き出した。
歩いてる最中、彼は「どこから来たの?」「どんな仕事をしてたの?」「日本のどこ出身?」「誕生日は?」など世間話みたいな雰囲気で色んなことを聞いてきたが、わたしにとっては完全な取り調べなので、返答する度にこの回答で正しかったか?と自問自答していた。自分のことだから間違えてるわけないのに。
頭の片隅には、自転車に乗ってて抜き打ちで警察官に引き止められて防犯登録の確認された時の記憶が蘇った。
悪いことしてないのに、逃げたくなるあの気持ちだ。

少し歩いたらお兄さんはわたしを入管審査場の奥にあるベンチに座らせて、席を外した。
わたしは取調室に連れていかれるわけじゃないんだ、とかなり安心したのを覚えてる。まだ解放されたわけじゃないのに。それくらい《取調室に入ったら終わり》感を感じていた。
そこから10分くらい待って、お兄さんが笑顔で戻ってきた。どうやらわたしのパスポート情報の確認が取れたようで、「入国できるよ」と。
わたしはというと、緊張感からどっと疲れが襲ってきて、その後の記憶はマジでない。
いま生活できてるので、無事に入国できたことは間違いない。

で、落ち着いてから考えてみた。
わたしは天に誓ってパスポート写真の加工なんて行っていないし、あれは紛れもないわたしだ。
しかしわたしのパスポート期限は10年。今回入国した際、パスポートを取得した時から既に6年が経過していた。
20代の6年って思うよりもデカイ。特にパスポートを取得した時はわたしはまだ学生だった。
この6年で髪型、髪色、メイク、体重の増減、色んな事があって色んな変化があった。
恐らくそのせいで写真と実物の印象がかなり変わってしまったのだと思う。
特に、パスポートに限らず公的写真を撮る時女性は髪型メイクはバッチリにすると思う。備えあれば憂いなしの重装備課金である。例に漏れず、わたしもそのタイプだ。
しかし旅行の際には長旅に備え、できる限りの楽さ、快適さを追求した先にあるのは、結んだだけの髪、ノーメイク、寝起きの浮腫顔、チュートリアルも終わっていない初期装備無課金女。ありのまますぎるわたしなのだ。
今回の悲劇はその落差が写真と実物に反映されてしまったことによる弊害に思う。

これから海外旅行、海外留学、長期滞在をする予定の全ての人に言いたい。
入管に挑む際には、できる限りパスポートの中の自分に近付けて行ってほしい。あなたにはそのポテンシャルがある。
バッチリメイクとは言わずともせめて眉毛を描くだけでもだいぶ印象は変わる。オラウータンからゴリラくらいにはなれる。別にオラウータンがブスとは言ってない。どちらが人間ルックに近いかの話だ。

冒頭に戻るが、海外出稼ぎ勢のせいで、現在はあの当時以上に入管審査が厳しくなっているようなので、無駄なトラブルを避けるべく、できる対策はしておくに越したことはない。
こういうこともあるんだよと頭の片隅に置いておいていただけるとあの時のわたしが報われる。

-fin-

いいなと思ったら応援しよう!