事業承継・M&Aを失敗しないための注意点 第1回「M&Aアドバイザーの選び方」
◆M&Aアドバイザーの選び方
事業承継・M&Aは、スキーム策定や交渉、手続きなどの難しい作業が多く、一般の方が独自に成約させる事は困難を極めます。
当然のことながら、M&Aの失敗や手続きの不備は避けなければならない訳ですが、事業承継・M&Aを失敗しないための注意点はどのようなものがあるのでしょうか?
今シリーズからは事業承継・M&Aの失敗を避けるべく、注意点を解説して行きます。
事業承継・M&Aを失敗しないための注意点、第1回目は、「M&Aアドバイザーの選び方」を、解説致します。
・親身になって相談に応じてくれるか?
M&Aアドバイザーの選び方の大前提として、親身になって相談に応じてくれるかというところです。
M&Aは相談から成約まで長ければ1年以上かかる場合もあります。
常に相談者に寄り添う優秀なパートナーとなり、真剣に向き合ってくれるM&Aアドバイザーに依頼すべきです。
士業や金融機関、保険会社などに相談する時も同様ですが、相性というところがまずは肝となってくるのです。
・報酬体系は明確か?
M&Aアドバイザーへの報酬は一般的にはレーマン方式により算定されますが、各社報酬体系やサービス内容、報酬の発生時期などが異なります。
特に着手金、中間金、成功報酬そして、最低報酬の確認は必須です。
ホームページなどにM&Aアドバイザーへの報酬体系が明確に掲載されているのであれば、概ね問題ありませんが、相談を受け付けた後にM&A報酬を見積もるM&A仲介会社は注意が必要です。
・対応可能な事業規模は?
M&Aアドバイザーには対応可能な事業規模があります。
例えば、取引価格1億円以上の案件のみ対応可能や、小規模事業、個人事業は対応不可など各社異なります。
なぜならば、上記でも触れましたが、M&Aアドバイザーには最低報酬が設定されているからです。
大手のM&A仲介会社であれば1,000~2,000万円、中堅であれば300~500万円が最低報酬の相場です。
買い手については、資金があれば決済可能ですが、売り手については上記金額を支払い且つ、納得のいく手取り金額を確保した上での取引価格で成約させなければならず、M&Aの成立が困難となるためです。
特に取引価格1億円以下のスモールM&A、マイクロM&Aの場合は、小規模事業や個人事業にも対応できるスモールM&Aアドバイザーに依頼するようにしましょう。
・M&A実績は?
M&A実績についての確認も必須です。
経営コンサルティングやWebコンサル、士業を行う傍ら、案件が来れば対応するというM&Aアドバイザーも多く存在し、ホームページにM&Aアドバイザー業務を掲載しているのみで、実際は実績ゼロという場合もあります。
M&Aを成約させるために必要なモノは資格や肩書ではなく、スキルやノウハウです。
M&A成約実績のあるM&Aアドバイザーを選びましょう。
・M&Aアドバイザーの専門業種は?
M&Aアドバイザー各社には得意分野があります。
IT、不動産、流通、調剤薬局、学習塾などのM&Aのみを専門としているM&Aアドバイザーも存在し、その分野のM&Aノウハウを多く持っています。
前述した対応可能な事業規模と専門業種を確認し、M&Aアドバイザーに依頼すれば、まず間違いないでしょう。
・M&Aアドバイザー選びのための相談先は?
M&Aアドバイザーを選定する際、ホームページやダイレクトメールなどを参考にしても、なかなかご自分では判断できない方も多くいらっしゃるでしょう。
その場合は、顧問税理士や金融機関にご相談ください。
特に士業の方はM&Aアドバイザーとのコネクションもあり、信頼できるM&Aをアドバイザーを紹介してくれます。
最近ですと、M&Aマッチングサイトに登録し、M&A経験豊富なM&A支援専門家を無料で紹介依頼をすることも可能です。
また、これは売り手だけではなく、買い手についても同様です。
M&Aを利用し、会社や事業の買収を検討している方への窓口としても利用できます。
M&Aアドバイザー選びに悩まれている方は、顧問税理士、金融機関、M&Aマッチングサイトに相談し、最適なM&Aアドバイザーを紹介してもらいましょう。
◆まとめ
以上、事業承継・M&Aを失敗しないための注意点、第1回「M&Aアドバイザーの選び方」を、ご説明しました。
M&Aアドバイザーの決定において重要なことは、ホームページやチラシを見ただけで判断するのではなく、メールや電話で、M&Aアドバイザーとの直接面談の機会を作り、前述した注意点を実際に確認する事です。
面談することで、M&Aアドバイザーとの相性が良いか否かも把握する事ができるので、実際に会い、最終的な判断をするようにしましょう。
最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。
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