実家の事業承継問題 その相談先は!?
◆実家の事業承継が心配!両親の事業を継続させたい!
今回は、「実家の事業承継問題 その相談先は!?」について解説します。
弊社に事業承継・M&Aのご相談にいらっしゃる方は、会社や事業を売却したいと考えている方からの直接のお問い合わせが多いのですが、以外にも、そのご家族の方からのご相談も多く頂きます。
例えば、代表者の奥様や息子さん、娘さんからです。
経営者本人は、事業承継対策について疎い事が多く、そのまま自分の代で廃業してしまおうと考えています。
これを心配するご家族の方も多くいらっしゃり、相談先に悩んでいるケースが散見されます。
事業承継・M&Aは、一般の方には馴染みのないもので、それにおける知識がなく、相談先に悩むことは無理もない事です。
では、実家の事業承継についての相談はどこにしたらいいのでしょうか?
今回は、「実家の事業承継の相談先」「知っておきたい事業承継についての基礎知識」にスポットを当て、「実家の事業承継問題 その相談先は!?」についてを、解説して行きます。
◆実家の事業承継の相談先3選
事業承継の相談先を3つご紹介します。
※今回は、小規模事業を対象とした相談先をピックアップしました。
✅スモールM&Aアドバイザー
スモールM&Aアドバイザーとは、小規模事業専門のM&A仲介会社の事です。
一般的に、取引価格1億円以下の事業承継・M&A(スモールM&A)のアドバイザリー業務を行い、小規模であれば業種を問わず、業務を受託する傾向にあります。
取引価額1,000万円以下の案件(マイクロM&A)や、個人事業の事業承継・M&AをサポートしているM&A仲介会社もあり、スモールM&Aの成約には欠かせない存在となっています。
M&A報酬は、最低報酬として100~300万円でM&Aアドバイザリー業務を提供している会社が多く、一般的に法人よりも、弁護士、税理士、公認会計士などの士業事務所がM&Aアドバイザーを担っているのが特徴です。
M&Aの専門家であり、最もお奨めしたい相談先ですが、アドバイザーの選定に悩む場合は、顧問税理士や金融機関に紹介を依頼すると良いでしょう。
✅顧問税理士
会計税務に関与している顧問税理士への相談もお奨めです。
会社の実情を一番把握しており、事業承継・M&Aの知識も豊富な税理士も多くいます。
ただ、顧問税理士自身がM&A業務を行っていないケースもあり、その場合は、M&Aアドバイザーを紹介してもらえる事もあります。
✅メインバンク
メインバンクも自社の状況を最も把握している取引先です。
顧問税理士同様、M&Aアドバイザーを紹介してもらえる事もありますが、最近では、金融機関自体もM&Aアドバイザー業務を行う事もあるので、担当者に相談してみるのもいいでしょう。
◆事業承継・M&Aの基礎知識
事業承継・M&Aの相談をするにも、ある程度の基礎知識を入れておくと相談先との面談もスムーズに行くものです。
※過去の関連記事のリンクも掲載していますので、併せてご覧ください。
✅そもそも事業承継とは?
事業承継とは、会社の所有権、経営権、資産、負債、ノウハウ、経営理念など、事業に関わるものすべてを後継者に引き継ぐことです。
事業承継を定義づけると、上記のような内容となりますが、抽象的に感じる事でしょう。
事業承継には、
・親族内承継
・従業員承継(社内承継)
・第三者承継⇒M&A
の、3種類があります。
事業承継を実行する際は、承継される会社の状況や環境に応じ、この3つを使い分け、後継者に会社や事業を託します。
✅スモールM&A・マイクロM&A
一般的には以下のようなケースがスモールM&Aと呼ばれています。
小規模事業、個人事業を対象としたM&A
譲渡金額、1億円以下
売上高が数千万円~5億円以下
従業員数が10名程度
と、なっています。
M&Aと聞くとどうしても中小企業の中でも大企業に近い売上高が数十億、従業員が100名以上ではないと買い手先が見つからないというイメージを持たれている経営者が多いです。
「自社はそんな規模でもないから自分の代で清算してしまおう。」
と、考えてしまうのです。
しかし、買い手側からすると意思決定も早く会社譲渡まで半年もかからず、成約に結び付くケースも珍しくありません。
スモールM&Aで会社や事業を購入したいと売却案件を探している企業は多いのです。
マイクロM&AとはスモールM&Aよりもサイズの小さいM&Aの事です。
売買金額も1,000万円以下で取引が成立し、M&Aの規模としては、これから起業したい個人の方に人気のレンジとなっています。
✅株式譲渡と事業譲渡の違い
株式譲渡とは、株式を譲渡することによって経営権を譲渡するM&A手続きです。
株式を譲渡した側(売り手先)はその代価を現金でもらい、株式を譲受した側(買い手先)はその代価を支払い経営権を得るのです。
他のM&Aの手続きに比べ分かりやすく、簡便なため、中小企業のM&Aにおいて最も好まれる手続きです。
一方、事業譲渡とは、企業の保有するある一部の事業を譲渡するM&A手続きです。
事業を譲渡した側(売り手先)はその代価を現金でもらい、事業を譲受した側(買い手先)はその代価を現金で支払い、その事業を得るのです。
M&A手続きの中でもよくある手法ではありますが、株式譲渡に比べると若干複雑で手間も要します。
✅M&Aスキームとは
M&Aスキームとは、M&Aで活用される手法であり、それを実行する一連のプロセスの事です。
M&Aマッチングサイトの案件情報においては、「譲渡対象」「譲渡形式」等と表示されている部分で、最もポピュラーなM&Aスキームとしては「株式譲渡」や「事業譲渡」があります。
スモールM&Aにおいては、ほぼ全ての案件が「株式譲渡」と「事業譲渡」をM&Aスキームとして実行されています。
✅有限会社の事業承継
弊社に事業承継のご相談にくるお客様の中には、「有限会社」を経営されている方もいらっしゃいます。
ご相談内容の第一声としては、「有限会社でも売却可能か?」と問われます。
結論から言うと、有限会社でもM&Aは可能です。
現在、「有限会社」は新設できませんが、古くからある「有限会社」は、正式には「特例有限会社」として存続しています。
基本、「特例有限会社」でも会社であることには変わりはありませんので、「株式会社」同様、売却する事は可能なのです。
✅個人事業の事業承継
あまり知られてませんが、個人事業は売却可能です。
しかし、どこに相談すれば、よいのでしょうか?
答えは、「個人事業の相談も受付可能な、スモールM&Aアドバイザーに相談する」です。
個人事業の売却価額の相場は、100~2,000万円程であり、M&A上、スモールM&AやマイクロM&Aと呼ばれる小規模M&Aに分類されます。
一般のM&Aアドバイザーは個人事業は元より、小規模M&A自体の相談受付をしません。
ですが、個人事業についても相談受付してくれるスモールM&Aアドバイザーであれば、通常のM&A報酬よりも安価であり、売却先を探し、事業承継をサポートもしてくれます。
近年では、個人事業を買収したい買い手も多く現れ、個人事業のM&Aも珍しくありません。
個人事業の廃業を予定している方でも、事業売却も検討の1つとして考えるべきです。
✅M&Aの進め方
M&Aの進め方についても、知っておいた方が良いでしょう。
参考記事がありますので、是非ご覧ください。
◆まとめ
以上、「実家の事業承継問題 その相談先は!?」を、ご説明しました。
まとめますと、
実家の事業承継の相談先3選
スモールM&Aアドバイザー
顧問税理士
メインバンク
事業承継・M&Aの基礎知識
そもそも事業承継とは?
スモールM&A・マイクロM&A
株式譲渡と事業譲渡の違い
M&Aスキームとは
有限会社の事業承継
個人事業の事業承継
M&Aの進め方
冒頭記載した通り、経営者本人は、事業承継対策について疎い事が多く、そのまま自分の代で廃業してしまおうと考えています。
会社や事業を売却可能にもかかわらず、そのまま廃業してしまう事は、非常にもったいない事です。
経営者本人が事業承継・M&Aに関心がなくとも、周りのご家族の方が手を差し伸べる事で、事業が継続される事もあるのです。
まずは家族間で話し合い、事業承継・M&A専門家に相談するようにしましょう。
最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。
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それではまた次の記事で!