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久しぶりの確定申告-税務署職員の方、ありがとう!

学生時代にアルバイト代の所得税を還付してもらうことを目的に確定申告をしたことがあった。それ以降、遺産相続の贈与税の申告というのはしたことがあるが、確定申告というのはしばらくやったことがなかった。
ただ、税務署の書類の準備と書き方は面倒くさくて、難しいという印象だけがあった。

学生時代には、役所で確定申告相談窓口が開設され、持って行った書類を担当の税理士さんが計算し、書類に書き込んでくれた覚えがある。税理士さんのやっていることを見て、自分でできるものだとは到底思えなかった。

定年退職で組織から離れると、「年末調整」も自分でやらなければならなくなる。退職後、短期間のアルバイトをしたが、組織には所属していないので、自分で確定申告をしなければいけない。
ところが、税務署のウェブサイトを見てもよくわからない。これはやっぱり昔のように確定申告の相談窓口を頼るしかない。

そう思っていた矢先、確定申告に関するチラシを見つけた。

コロナ禍なので、自宅からネットを利用したe-taxを利用してほしいと訴えている。しかし、e-taxはICカードリーダーとかが必要なのではなかったか。我が家には、そういう機器はない。

ということは、やっぱり確定申告の相談窓口を頼るしかない。

このチラシには相談窓口も設けるが、LINE登録して事前に予約が必要と書いてある。LINEはまだ手馴れていないが、これは背に腹は代えられない。

LINEで友達追加

早速、国税庁の公式LINEの公式アカウントを友達追加してみた。すると「令和3年分確定申告に関する情報は国税庁ホームページから確認できます」とある。やったね!

ところが、ホームページを見てみたが、相談を申し込む方法がわからない。いろんなところをクリックしても堂々巡りになり、欲しい情報が入手できない。

情報公開時期及び申告に必要な書類

業を煮やして、担当の税務署に電話をしてみた。平日の昼間だったからか、それほど待たされずに担当者とつながった。

「令和3年度(2021年度)の確定申告に関わる様式や相談申し込みは年明けから掲載されます」とのこと。チラシを入手したのは12月中旬だったが、12月下旬ではまだ情報が公表されていないとのことだった。

電話口の担当者が親切だったので、ついでに相談窓口に行く時に持って行った方がよい書類について聞いてみた。

まずは、「源泉徴収票」。今回は、退職した職場の1月から3月分と退職手当分そして、短期のアルバイト分の3枚。

次に、「源泉徴収票に記載されている以外の国民健康保険や国民年金の支払いを証するもの」。退職金で継続の健康保険分を支払ってしまったので、この振込用紙(領収書なし)。加えて、年金の不足分を追加支払した分の振込証明書。

さらに「生命保険料控除の控除証明書、地震保険料控除の控除証明書」。これは宮仕え中の年末調整の時と同じ資料。

このほか、コロナ禍で苦労している団体を応援するために、少額ではあるが複数寄付をしていたので、その領収書。そして、売り払ってしまった株に関する書類と取り扱っている証券会社の年間取引報告書。

さらに、マイナンバーがわかる書類と、還付税金を振り込んでもらう銀行口座の口座番号。加えて、修正などが発生した時のために認印もあった方がよいとのことだった。

相談を申し込む

晴れて、年明けの1月21日、LINEから「相談を申し込む」のボタンを押して、相談予約を取った。
予約を取る過程で、LINEで何度も何度も「自宅から確定申告ができる」とPR表示されたが、私の意思は固い。自動で受け答えしてくれるチャットボットも一度はやってみたが、よくわからず、心もとないので、却下。

紆余曲折を得て、ようやく、相談会の選択の画面にたどり着く。
都道府県の選択→会場選択→日時選択。相談時間は30分単位で選択。
予約確定後の画面では、コロナ拡大防止のために、入り口で予約完了のLINEの画面を見せること、検温があることが明記されていた。

予約前日

予約前日には「明日は相談の申込日です」というLINEが入ってきた。「申し込み内容を確認するには、メニューの「相談を申し込む」をタップしてください。」と記載されていたので、タップしたら、また申し込み手続きが最初から始まってしまったので、「中止する」を選択した。

この「中止する」のせいで、「当日の相談ができなくなったらどうしよう!」とビビりながらも、「LINEが変になったんだ」「その時はその時」と、開き直って当日相談会場へ。

当日、相談会場に到着

入口からLINEの画面を見せて相談会場に入るのはとてもスムーズだった。まだ午前の早い時間だったので、すいていたということもあるだろう。

しかし、会場で最初の窓口で、待たされることになった。税務署の方が悪いのではない。何が問題だったのかはわからないが、職員がその人を攻めているわけでもないのに、私の前の男性が一方的に、ずっと言い訳をしているからだ。しばらくは、待ち人は私一人だったが、そのうち私の後ろに列ができ始めた。

ようやく私の番が来ると、用意しているものをざっとみて、すぐに「それではこちらへ」と机に誘導され、「この書類にわかることを記入してください」。

ステージ1:健康保険と年金

立ったままで、支払った健康保険や年金の金額を記入した。「これ、領収書とかなくって、振込金額がわかっているだけなんですけど」という私に、「金額がわかれば大丈夫ですよ」とやさしい担当者。この間持ってきた商標書類をホッチキスで束ねてくれていた。

質問を聞きやすい雰囲気の職員だったので、気になっていたことを聞いてみた。「ボランティアで得た交通費とか、ガソリン代などの実費は領収書も何もないんですが、所得と考えて申告したほうがいいんですか?」
すると、「申告するか、しないかは、申告される方の判断によります」とのこと。ならば、総額で1万円以下だし、書類もないので、申告しないと心に決める。

「記入が終わったら、道なりに進んでください」との指示があり、書類をもって、道なりに進んでいくと、今度は二手に分かれるところに到着。

ステージ2:パソコン入力

ここではまず、「パソコン入力ができる」か「パソコン入力に助けが必要」の2方向に分かれる。

私は人が並んでいなかった「パソコン入力ができる」に進んだところ、すぐに1台のノートパソコンの前に誘導された。

それからは、PCの画面を見ながら、書類の中の数字をひたすら打ち込んでいく。最初のうちは迷いもあったが、慣れてくると書類と入力欄は呼応していることに気が付き、それほど苦労せずに済んだ。また、入力間違いをして進んでも、後で気が付いた時点で、修正もできる。

ステージ3:良きアドバイザーを見つける

それでも不明な点は出てくる。

手を挙げると自由に歩き回っている税務署の職員がそばに寄ってきて、不明な点を教えてくれる。

最初の職員は、親身にはなってくれるが、質問の内容を理解してくれず、的外れな提案をしてくる。しかし、この方では埒があかず、別の職員が来てくれた。あとで来た職員は1回でこちらの質問を理解してくれて1発で、解決してくれた。さすが!

この後は、最初の職員ではない人を選んで相談したので、比較的スムーズに入力は進んだ。

とはいえ、売り払ってしまった株に関する書類と証券会社の年間取引報告書について、年間取引報告書だけでよいことがわかるまで、合計3名の職員の手を煩わせてしまった。申し訳ない。

全部入力し終わったところで、最後に改めて職員の方の確認を受けて、入力完了。

ステージ4:利用者識別番号と暗証番号 なんだそれ?

画面を閉じる前に利用者識別番号と暗証番号が必要になったが、何のことかわからない。職員の方によると以前贈与税の申告をした際に登録したらしいのだが、全く覚えていない。IDは職員の方に検索してもらえたので、パスワードを改めて設定し直す。そして、このIDとパスワードは自宅でe-taxをする時にも使うということなので、記録のため印字するよう設定した。

入力したデータは別の場所でプリントされるということだったので、お世話になった職員に謝意を伝えた。
そのついでに、「次年度以降200万円以下の収入しかない場合、確定申告をしなくてもいいと聞いたのですが、それでいいですか?」と確認したところ、このような回答を得た。
「確定申告をしなくてもいいですが、税金を払いすぎている場合には確定申告をしたら、少しであっても、還付されますよ。」
だったら、少しでも還付されることを期待して、来年はe-taxを使って自宅から申請してみよう。

ステージ5:最後の窓口 申告書類提出

PCの前から別の窓口に進む。これが最後の窓口。ここでは、PCに入力した時にかざしたカードや必要書類を一端提出。担当者がカードをかざすと書類が2部印刷された。1部は提出用でそのまま税務署保管。もう1部は控え。そして、利用者識別番号と暗証番号に関する控えも受け取った。
これで、来年は自宅でe-taxができそうな気がする。

提出後の感想

かれこれ1時間半近くかけて、2月15日の確定申告開始前ではあったが、確定申告書類を提出。

少々長い時間だったが、それほどフラストレーションもなく、スムーズにできたと思う。それよりも税務署の職員の方たちの穏やかな物言いや、知識に感服した。本当にありがとうございました。

私の場合は自分でPC入力できたが、会場にはそれができない年配の方も多かった。また、耳が遠かったり、滑舌の良くない方も少なからずいた。きっと確定申告の時期が終わるまで、ずっと毎日サポートするのだろうと思う。きっと税務知識の提供以上に、別の意味で心身が疲れるだろうなと思った。ご苦労様です。

でも、税金をきちんと納めたいという国民がいて、その思いを支援する職員がいる。ある意味、すごいことだと思う。

あとは、支払われた税金をきちんと適切に使ってくれる政府がいれば、この国もいい国になるのに。

おまけ

寄付先からの領収書が1枚、2月上旬に届いたので、控除対象に含めることができませんでした。相談日が1月下旬だったので、確定申告期間よりも前に提出してしまったからです。
この次は、ちゃんと書類が全部そろってから確定申告したいなと思います。
あと、まだ確定申告期間は終わっていませんが、2月下旬には「国税還付金」が振り込まれると通知がありました。早っ!助かります。



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