フリーランスとして雇ってくれている会社の事業が縮小しちゃうよ...の話
こんにちは、ニューヨーク在住女優、筒井あづみです。今日はフリーランスとしてのお仕事についてお話します。
会社勤めの人にはよく、「毎日どういう生活してるんですか?」と聞かれます。ニューヨークでフリーランス、しかも女優業ってどういう生活スタイルなの?という疑問はわかります。毎日同じところへ出勤するわけでも、毎日同じ同僚と顔を合わせるわけでもありませんので。
私のこの生活も世界中の人と同じく、コロナを通してがらっと変わりました。なので、まずはコロナ前の生活について。
基本はほとんど役者募集しているウェブサイトで仕事探しをしているか、オーディションに行っているかです。
コロナ前は撮影の仕事が平均で週に1日ぐらいはありました。その他、年に2回ほど舞台の仕事があり、舞台の仕事が入ると本番の2か月ぐらい前から週に数日間、1回数時間のリハーサルが入ります。
これらをすべて現場でやっていたのですから、そこまでの移動に片道1時間とか。あとはご飯を作ったり、買い物をしたり、友達とたまに出かけたりする日々でした。
コロナを通して、まずオーディションが激減しました。去年のロックダウン以降、夏頃までは撮影の仕事自体もほとんどなくなりました。夏以降は徐々に回復し、オーディションは自宅で自分の携帯で動画撮影するものが大半になり、撮影もちょっとした広告系だと家で撮ってください、という仕事がちょこちょこ入ってきました。
去年いただいたお仕事のうちでいくつかあったのが、自宅で声を収録するものです。コンデンサーマイクと音声編集ソフトがあればこういった仕事はおうちで問題なくできます。(その例がこちら、Google Pixel Phone ヘルプビデオ。この声は私です。全編自宅録音です)
幸い、ちょこちょこと仕事があったので、くいっぱぐれることはありませんでした。コロナ中にニューヨークが安全でないという理由だけではなく、仕事がなくて生活できないという理由で自分の国に帰った友人は何人もいました。
ただ、オーディションや現場での撮影で他の俳優たちと会って情報交換をする、新しい友達を作る、いつもの友人と遊びに行く、ということがめっきりできなくなり、だれとも話さず、ずっとおうちにいるという時間もけっこうありました。
そんな中で見つけた仕事がStandardized Patient、模擬患者というお仕事でした。(くわしくはこちらの記事参照)
この会社は100%リモートで、忙しいときにはトレーニングやらミーティングやらセッションが毎日何時間も入ってきます。そうすると、バーチャルではありますが、毎日のように同僚と顔を合わせ、あーでもないこーでもない、あーだこーだと話をすることになります。
これがとても精神的には助かりました。自分がやらなければならない仕事がある。自分を必要としてくれている人がいる。毎日のように顔を合わせる人たちがいる。コロナ下の孤独感を随分なぐさめてくれたと思っています。
さて、こちらの会社、今回事業を縮小することになってしまいました...。会社自体がなくなるわけではないけれど、様々な事情から、Telesimulation(アクターを使って医学生が診察の練習をするバーチャルセッションのこと)の部門をなくす、とのこと。
とても残念です。ですが、私自身Standardized Patientというお仕事は前々からやってみたいと思っていたので、私を雇ってくれたことに本当に感謝しています。英語がネイティブでない私がこの仕事に食らいついていくために、医療関係の専門用語や学習者へのフィードバックの仕方など、本当にたくさんのことを学び、自分でもこの仕事のおかげで大きく成長できたと実感しています。
中でも、英語のネイティブスピーカーじゃないからといって、ものおじしない、しなくてもいいということを教えられ、ここで得た、自分が感じたことを建設的にフィードバックするというテクニックは今後どのような仕事をしていく上でも本当に役立つスキルだと思います。
レギュラーの仕事が一つ消えてしまうというのはフリーランサーにとっては本当に怖いことです。現在のニューヨークでは日常が徐々に戻ってきている感じで、現場での撮影も徐々に増えてきてはいますが、まだ100%ではありません。しかし、コロナを通してこのへんは自分も強くなったかな、と思います。1つなくなっても、そのうちまた違う仕事がどこかから舞い込んでくる、とポジティブに考えています。
さて、みなさんのお仕事はどんな感じですか?
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