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Theatre劇団子30周年記念公演「是非にオヨばず」終演しました。

すっかりご無沙汰のnoteにただいま。

先週、所属劇団の30周年記念公演が終わりました。
今回の舞台はなんかもう、目から鱗がぼろぼろ落ちた感じでした。

自分は何ができるのか、何をすると周りを活かせるのかをぼんやりと考えていたここ最近。

一旦、その答えをもらったような気がしました。ここからも変化はあると思うけれど、一旦。

その瞬間に感謝して、
その瞬間を味わって、
そして、楽に在ること。
大きな表現をしながら、力を抜いていること。

今までは「ちゃんとやる」の優先度が高くて、舞台上では常に何かを意識していた。
それを削ぎ落として削ぎ落として、最低限のものだけを置いておく。

ふら〜っと舞台上に出て、ふら〜っと楽屋に帰ってくるような感じ。
袖幕の向こうまで、舞台面が続いているように、そこにあからさまな切り替えがないように。

そうやって、楽に息をしていることで、空気が柔らかくなるといいなと思ってた。(役柄的にも)

削ぎ落とした結果、呼吸は深く、関節はゆるめて、目の前の事象と湧き上がる衝動に集中する、が残った。
今までは、常にどこかに力の入っている状態だったとおもう。ゆるりとするシーンでも。
準備を整えながらそこにいるみたいな。

そんでどうなったかというと、初日からむちゃくちゃ心穏やかで居られました。
こんな初日初めて。
ダレるわけでも緊張感がないわけでもなくて、慣れた日はむしろなくて、毎回新鮮。
今までと全然感覚が違う。

ちょっとフワついてるな、と思っても、味わうことに集中してると「あ、戻ってきた」って感覚がある。

ほんと、不思議。
舞台上の色々なことに振り回されない。
お客様の反応にも振り回されない。

ただ、そこに在る。
そこに居る。

それだけで良いんだなぁ。

自我を削ぐ。

少し前からそんなことに集中していて、
それがこの公演で少し活かせた気がする。

あとね。
今までは物事には終わりがあるって思っていたの。
いつ、芝居ができなくなるかも、
共演できなくなるかもわからないから、
いまをしっかり生きよう、みたいに。

それが変わった。

終わりはないんだなって。

今回、奇しくも同期だった朝倉治永くんと、
そして先輩の白石悠佳ちゃんが客演として参加してくれたことも大きかった。

終わりなんてなくて、どこまででも繋がっていけて、なんなら自分がいてもいなくても、変わらないものがあり続けるのだろうなって。

だから、範子さんとさやかが卒業することさえ、とても穏やかに受け止められて。
きっとまた、違う繋がりが生まれてゆくだけなのだろうなと不思議な確信がある。

新しい劇団子にはなるのだろうけれど、それはマイナスな始まりではなく、さらに劇団子がお客様を楽しませてゆくための通り道なだけで、そこにふたりがいないという感覚ではなくて、
いたからその劇団子がある。
今まで劇団子にいてくれた全ての俳優たちがいたから劇団子は劇団子で、これからもそれはゆるがないのだなぁと。

そんなことを思って、在ることの素晴らしさに感謝する機会になった。

とてもとても大きな発見だった。

ありがとうございます。
稽古も本番も、とってもしあわせな日々でした。

そして、観に来てくれたあなたにも最大限の感謝を。お客様があって、わたしは俳優になれるのです。俳優にしてくれる皆様がいつだって優しいこともありがたい。

本当にありがとうございました。

Theatre劇団子 杏泉しのぶ

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