統合失調症について
統合失調症
診断
DSMー5より抜粋
・以下のうち2つ(またはそれ以上)各々が1ヶ月、ほとんどいつも存在する
これらのうち少なくとも一つは(1)か(2)か(3)である
(1)妄想
(2)幻覚
(3)まとまりのない発語
(4)ひどくまとまりのない、または緊張病性の行動
(5)陰性症状
・障害の始まりが以降の大部分で、仕事、対人関係、自己管理などの面で一つ以上の機能のレベルが病前に獲得していた水準よりも著しく低下している
・障害の持続t期な特徴が少なくとも6ヶ月存在する
危険因子
都市生活
貧困
小児期の心的外傷
ネグレクト
出生前の感染症
原因
未だ不明
遺伝的環境的要因を示唆する強固なエビデンスあり
統合失調症になると起こる変化
・脳構造の変化
脳室の拡大、皮質の菲薄化、海馬および他の脳領域の縮小
・神経学的変化
特にドパミンおよびグルタミン酸神経伝達マーカーの活性が変化
病期
・前駆期
当人には何の症状も呈さないかあるいは社会的能力の障害、軽度の認知的解体または知覚の歪み
喜びを経験する能力の低下(快感消失)
他の全般的な対処能力の欠如などを呈する
このような特性は振り返って初めて認識される軽度のものもあれば、社会的、学業的、および職業的機能の障害を伴って、より顕著に現れる場合もある
・進行前駆期
引きこもり、孤立、易怒性、疑い深さ、異常な思考、知覚の歪み解体などの不顕性のの症状が出現することがある
明らかな統合失調症の発症は急激(数日うまたは数週間)な場合もあれば緩徐で潜行性の場合もある
・精神病早期
症状が活動性になり、しばしば最も悪化する
・中間期
症状のある期間は断続的な場合もあれば(同定可能な増悪および寛解を伴う)、持続的な場合もある
機能障害は悪化する傾向がある
・疾患後期
疾患のパターンが確立されることがあるがかなりのばらつきがみられる
能力障害は安定、悪化することもあれば軽減することもある
症状
現実との接触の喪失
幻覚
妄想
まとまりのない発語、および行動
感情の平坦化
認知障害
職業的および社会的機能障害
を特徴とする
症状のカテゴリ
陽性症状:正常な機能の歪み
陰性症状:正常な機能および感情の減弱または喪失
解体症状:思考障害および奇異な行動
認知症状:情報処理および問題解決の障害
一つのカテゴリを呈することもあればすべてのカテゴリを呈することもある
陽性症状
・妄想
客観的にみて物理的にありえないことを事実だと信じていること
自我障害
・幻覚
他者には知覚されない知覚
・陰性症状
感情鈍麻、平坦化
意欲の減退
自閉
非社交性
・解体症状
思考障害:まとまりがなくなり、とりとめなく内容が定まらない。支離滅裂、理解不明なものまで幅がある
奇異な行動:子供じみた愚行、焦燥、不適切な外見、衛生状態
・認知症状
注意力の低下、処理速度の低下、作業記憶または陳述記憶の低下、経験から学習する能力の低下
抽象的思考の低下、問題解決力の低下、社会的相互作用の理解力の低下(他者の視点を理解する能力)
治療方法
統合失調症では薬物療法を中心にリハビリテーションなどを組みわせて症状をコントロールすることを目指す
統合失調症は再発することもるため、症状が安定しても薬物療法を継続することが重要である