助産師は黒子であれ
3月に助産院の3日間のプレオープンを終えました。
その時の様子をある方と話していた時に、「あずちゃん(私)は何かするというより、もうその場にいるだけでいいよね」と言われたんです。
その場を作って提供するだけで十分。
その空間を作れることがすごいことだって。
その言葉を聞いて、とても嬉しかった。
そして、大学時代のことを思い出しました。
私が通っていた大学の助産学科は、たぶん他の助産師学校とはだいぶ違ってて、そこでしかやっていないような教育をたくさん受けることができました。
その中でも特徴的だったのが、
【世にも珍しいマザークラス】
その名の通り、本当に珍しいマザークラスで。
参加者は一般的なマザークラス(母親学級)と同じく妊婦さんで、主催は助産師(大学の教員)と助産学生。
何が珍しいのかというと、こちらから妊婦さんに何か知識を教えるということはほとんどなくて、五感を使って自分のからだと赤ちゃんを感じる。
身体活性化マザークラスというもの。
詳しい内容はここでは説明しないけど、とにかく学生の私たちは場の雰囲気作りに命を懸けていました。
部屋の空調、音、香り、自分たちの立ち位置、言葉かけ、お茶の温度や出すタイミング、、、
その他、本当に細かいことにまで気を配り、綿密な計画書を作成して妊婦さんたちに最高の場を提供する。
あの時は私は全然優秀な学生ではなかったし、マザークラスについても自主的に動けてなかったり、何か周りについていくというような感じだったと思う。
でもそこで学んだことが、何年も経って自分の中で膨らんで、今に繋がっているんだなと。
やっとやっと腑に落ちたというか、腹落ちしたというか。
自分ごととして捉えることができるようになったというか。
助産の先生に何回も何回も言われていた
助産師は黒子でありなさい
という言葉。
それを思い出しました。
お産の時はもちろん、そうでない時も。
助産師は常に黒子であるべきだなと。
決して前に出るわけではなく、こちらの意見ややり方を押し付けるわけでもなく、気付いたらそっとそばに寄り添って支えているような。
そんな存在になっていけたらなと思います。