ホンのちょっとの注意から
開祖というものは、みな真理を説いている。祖述者が中途で滅茶苦茶にしてしもうているのだ。何事によらず、その道の開祖の真の気持ちが、年を経るとともに次第に失われてきて、枝葉に迷い込んでいるのが百中九十九だ。
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この世の一切は、環境によって作られているのだ。
人為で左右し得る環境も多い。この範囲においては、人は充分の注意をもって、つねに、よりよき環境をつくるべく、また、よりよき環境へはいるべく努力せねばならぬ。
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時々刻々、自己を浄化することを念がけねばならぬ。
何事によらず、ホンのちょっとの注意をすると、しないとで、自己を向上さすことの上に、非常の差異をおよぼすものである。
他人の上、自分の上、古のこと、今のことにつきて、一々考えてみるべきである。
自然界は霊界の奥義を具体化したもおのある。要するに、因果の法則を明瞭に指示しているものであるる。
ただし、この因果の法則は宇宙的にいえば、開闢の時から重なり重なっているのである。五十年や六十年をもって、その外見上の不公平を云為するのは、赤子のたわ言である。また、無限の未来へ
およぼすものである。
善人栄えて悪人はほろぶは普遍の真理である。
『信仰覚書』第二巻、赤子のたわ言、出口日出麿著