日日の修行へー平静な気持ちで生きてゆくことー
わたしは<現実のこと時事に複雑な世の中に生きて、にこやかな平静な気持で生きてゆくことこそ”修行”である>と思います。
いやな気持になることの多い世の中で、いつもあたたかい気持をもちつづける努力こそ”行”というものだとおもいます。
ーー満員列車の中で、たくましい男が座席をほしいままに奪い、ふんぞり返っているーーそういう嫌悪を感じさせる者にも、平静に善処してゆくという、なんでもないような至難なことに修行があるとおもいます。
その日その時の感情(こころ)を直く、落ち易い気持を支えて温かく清涼に保つことこそ、人生という道場での唯一の修行でしょう。
実際、この世の中には、人間の感情をめぐって、複雑なことがらが生じます。ことに、人間相互がかもし出す感情の問題、感情のもつれほど、人間社会を難かしくするものはないでしょう。
また、善悪の判断にしても、三人が三人とも異ってくる場合がおうおうにして起こります。
そういう実際の人生に生きて、そこに真と善と美と、それらの調和を求めつつ生活してゆくことこそ、真実の修行であるとわたしはおもいます。(昭二八、四)
『私の手帖』 出口直日著
これまでのお示し
人生に成功する人
https://note.com/azumanohikari/n/n636197a7558d
過悪をくり返さぬこと
https://note.com/azumanohikari/n/nd46b5aee0ed5