【人生ノート313】この世がこわれてしまってもおれがある限りおれは進もう。
進まねばならぬ
そうだ、進まねばならぬ、まっしぐらに
河があろうが、山があろうが、地震だろうが、火事だろうが
そうだ、おれは進まねばならぬ
泣き泣きでも、歯を喰いいしばってでも
元気に愉快に感謝にみちて
毎日々々、時々刻々、おれの魂がなくなってしまうまでは
ドンドン進むよりほかにてはない
雨が降っても風が吹いても
たとえこの世がこわれてしまっても
おれがある限りおれは進もう。
○
固める力と解く力
二つの力があるわいな
固まって解かれて
また固まって解かれて
新が旧になり
旧が新になりまする
無限に集まり無限に散じ
無限に新旧入りまじる
この世の中はおもしろや
○
便所の中には蛆虫がすーむ
山の中には獣がすーむ
海の中には魚がすーむ
家の中には人がすーむ
便所にすーめば蛆虫になーる
山の中にすーめば獣になーる
海の中にすーめば魚になーる
家の中にすーめば人になーる
本を読んだら学者になーる
遊んでおったら食えぬよになーる
無理が重なりゃ病気になーる
腹をたてれば喧嘩になーる
三年たったら三つになーる
雨が降ったら陰気になーる
いつの間にやら腹が大きゅうなーる
済めばむかしの話になーる
茄子のつるには茄子がなーる
闇夜のつぎには月夜になーる
親が死んだら子の予(だい)になーる
和合がでけたら神の世になーる
○
今まで長い間、よい人が苦しんだのは、修養させられたのだ。誰でも自分で、一度、苦しんでみねば、他人のことが分からぬからだ。
苦しむための苦しみではなく、悟るための苦しみなのだ。ただそれだけだ。
『信仰覚書』第二巻 出口日出麿著