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肉体は霊流の管昨今、気温が急に四、五度降った。あまり早い。も一度酷暑があって、今度ほんとに涼しくなるのだろう。すべての事件に、予報と本報という二つの前ぶれがある。寒くなる時は、まだその時より早く急に一度に寒くなり、次に普通に復し、やがて本物になる。暑くなる時でもおんなじだ。 神業の発展もそうであり、人間一個の魂の進展について考えもそうである。一さいは螺旋形に循環しつつ進展して行くものらしい。 ○ いわば人間の肉体は一つの生きている管だ。その中を精霊が流れているのだ。たま
絶対の真理は平面的に表われない プラトーのいったごとく、直覚は過去および現在における経験の集積である。ゆえに、早く分霊として世に出でたるものほど直覚は鋭く、また分霊の素質のりっぱなものほど、直覚は早く発達す。この質と量とを、より多く備えたるものほど偉人である。 ○ 青年にとって戒むべきは依頼心である。あくまで自分の道は自分で開くという決心がなくてはならぬ。絶対に他人に迷惑をかけぬという気持ちには、よほど苦労した人でなくてはならぬ。 神の慈悲は大きい。だから、いま目前に
ねたむ心、そねむ心、欲な心 人は誰でも死ぬる。間違いなく死ぬる。死ぬるまでに何かしておきたい。とにかく、自分というものが、この世に生まれてきたしるしだけのことは相当にしておきたい——と誰でも考える。結構なことだ。 この世の中はチッと思うようにならぬ。つまらぬ、あほらしい、しゃくにさわる——思う。全くそうだ。 ○ 今はたえじ 死なんかといくたびか思いし 若きころの胸は燃えて空のあなたを眺めて泣き 見苦しき人の世のさま慣るるまではつらかりき ○ 飢えたる人にパン
未熟者ほど理屈っぽい一足飛びにやろうとしてはいけない。ごく卑近なことから仕上げてうゆかねばほんものは出来ない。 現実をはなれた理想論は砂上の楼閣である。しっかりした土台なしに、しっかりした家が建とうはずはない。 いまの一歩をおろそかにしては、どこへも行けない。私はシミジミこのことを悟った。 とかく、未熟な間は理屈ばかりをこね廻し、いっかど分かっているつもりで、その実、何ひとつ出来ぬものである。なに一道の達人は、知らざる者のごとくである。 かれこれ小理屈をこねている間は