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初出版より難しい? 2冊目以降の出版企画はどう考える?
こんにちは。出版コンサルタントで編集者の我妻(あづま)です。
あっというまに9月も半ばですが、まだまだ暑いですね。
前回の通常投稿からだいぶ時間が空いてしまいましたが(汗)この夏は新しいコンテンツ作りを進めていました。
秋が始まるころには、公開したいと思っていますが、果たして秋はいつ来るのでしょうか……。
松田純さん『仕事力が爆上げする図解思考』発売記念パーティ
さて、企画プロデュースした新刊『仕事力が爆上げする図解思考』(松田純著 三笠書房)が発売になりました。
著者の松田純さんは、オリジナルメソッド「イラスト思考」の開発者で、漫画家としても活動している方です。
先日、今作の出版と書籍のベースにもなったイラスト思考10周年の記念パーティが行われ、私も参加してきました。
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出席者の似顔絵でのお出迎え、縁のある方々の愛あるスピーチ、イラスト思考を体験するワークなど盛りだくさん。
たくさんの方がお祝いに集まり、純さんのお人柄を感じさせるパーティでした。
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1冊で終わらずに継続して出版するにはどうすればいい?
さて、純さんはすでに1冊目の『伝わる イラスト思考』(明日香出版社)を発売されており、今作は2冊目の著書になります。
純さんから出版の相談を受けたときに、正直なところ、どう企画を考えていこうかと悩みました。
なぜなら、商業出版は1冊目よりも2冊目を出すことのほうが難しいからです。
1冊目が重版となれば2冊目の声がかかると思われがちですが、必ずしもそういうわけではありません。
もちろん、初出版がベストセラーや数万部のヒットとなれば、次作のオファーが来るでしょうが、そのケースはそんなに多くはないというのが現実です。
出版したものの、1冊目だけで終わってしまう著者のほうが圧倒的に多いです。(もちろんケースバイケースではあるのですが……)
純さんの場合は1冊目で「イラスト思考」というご自身のメインコンテンツを前面にだしていて、内容もとてもよかった。
それゆえ、果たしてそれ以上の企画を見つけられるかなという不安があったのです。
新しい切り口を見つけるか、あるものをもっと掘り下げるか
こういう場合、まず最初に考えるのが新しい切り口の企画を見つけるということ。
そしてもう一つ考えるのが、メインコンテンツをさらに深掘りして、全部出し切っていくということ。
いろいろと案を出し合った結果、図解やグラレコの本も支持されていることもあり、純さんのど真ん中の「イラスト思考」をもっと掘り下げていくほうが著者らしさがでると考えました。
当時は様々なジャンルの「大全」的なものがトレンドでもあったので、イラストと図解を使って、仕事をはじめとする問題を可視化して解決する方法を網羅する内容を提案しました。
そしてさらに、漫画とストリーで解説していくという、この著者ならではの企画が完成!
(ただ、とても手間がかかる内容であり、後の制作時に純さんが何度も気絶しそうになるのですが……)
そしてこの企画を採用してくださった版元の編集者の方が、さらにブラッシュアップをしてくださって出来上がったのが今作です。
この2冊目も著者のコンテンツを余すことなく出し切った作品となったのでした。
商業出版したものの、2冊目以降がなかなか出せない、企画が浮かばないという方は、この事例も参考にしてみてください。
自分では出し切ったと思っていても、他人から見ると意外とそうでもないということも。
様々な角度からコンテンツを見直してみると新しい企画が出来上がるかもしれません。
今日の記事があなたの出版活動のお役に立てればうれしいです。
今日のBGM
「Love Insurrection」 PRIMAL SCREAM