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ザナルカンド現象

筒井康隆の記事を読んで理解したことがある。
日本は未だに好景気の頃の夢を見ている。

  • オリンピック

  • 万博

  • バブル

政治家達は、30年以上前にあった良い日本を再現しようとしている。
未来ではなく過去をリバイバルしたいのだ。
そう言えば最近見た映画の

  • 『ゴジラ-1.0』

  • 『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』

上記2作品は両方とも戦後すぐの時代設定だった。
国としては貧しかったが、日本人が希望を持っていた時代だ。
現代を舞台にすると希望を上手く描けないから、古い時代設定にしたようにも感じる。
ゴジラも鬼太郎も、戦後すぐに生まれたキャラクターだ。
2023年の邦画の人気作は70年以上前のキャラなのだ。
そう考えると、無意識に馴染みのモノを選ぶという、自分たちの考えも既に硬直化している可能性がある。

ちなみにタイトルのザナルカンドとは、プレイステーションのゲームFF10に出てくる滅びた都市の名前である。
FF10の世界では祈り子と呼ばれる存在が、かつて存在したザナルカンドを召喚し、住民たちは夢の中で繁栄を味わっている。
架空の世界で、良い時代の夢を見続けるだ。

日本も、良い時代を味わった世代がバブルを召喚しようとしているように思える。
(時代背景も異なるので多分失敗する)

だから、若い世代は万博のようなイベントに気持ちが乗らないし、税金の無駄使いと感じてしまう。
現役世代が望むのは、そういった夢の再現ではなく、活きた知識の継承である。
FF10ではアーロンという、かつて世界を救った勇者パーティーの1人が主人公たちを導いていく。
10代の若者たちに混じって大人が道標を示し、決断を若者に委ねるのだ。
葬送のフリーレン』も同じようなシチュエーションで、若い子に人気がある。
昔を懐かしむのではなく、共に未来を見て旅をしたいのだと思う。

自分もおっさんと呼ばれる年齢になった。
背中で語れる大人になれるように日々研鑽していきたい。

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