土のあたたかさが、しあわせな時間をつくる。「かもしか道具店」と過ごす自炊ライフ
おうち時間が増えて、しみじみと感じるようになりました。それは「料理をつくる時間って、楽しい」ということ。食材を用意し、自分が食べたいレシピを用意し、キッチンに向かって黙々と作業をする時間が好きなのです。
そして、料理をつくる時に寄り添ってくれるアイテムが素敵であれば、その時間はもっと楽しくなるということ。
使いやすくて、手馴染みが良くて、ちょっと痒いところに手が届く。そのアイテムがあることで、いつもより料理の時間が楽しくて、いつもより出来上がったものが美味しくなる。
そんな楽しい料理時間と、幸せな食卓をつくってくれるものに私は出会えた。「かもしか道具店」という、三重県菰野町に窯を持つ山口陶器のブランドです。
今回は実際に使用した5つのアイテムの使いごこちを、写真とともにお届けいたします。料理好きの人は、必見ですよ!
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食卓に炊きたてごはんって、幸せ。
「ごはんの鍋(2合)」
「鍋でごはんを炊くのって、なんだか難しそう……」
数年前、炊飯器が壊れた時、私は自宅にあった鍋を眺めながら、そんなことを考えていました。
スマートフォンで「米 鍋 炊き方」で検索して記事を読んでも、もやもやと不安は残ります。火の調整は合ってるかな?吹きこぼれた時ってどうすればいいのだろう?お米、ちょっと堅い感じがするかも?
不安だらけの私が目の前にいたら、今の私はかもしか道具店のごはんの鍋脇に抱え、「これを買うといいよ!」と自信を持ってすすめていたと思います。なんといってもこの鍋、ごはんを炊くために生まれてきたのだから!
今回、私が使用したのは2合炊きのもの。かもしかさんは数々の開発を重ねて分かったのが、お米に対してジャストサイズのお鍋が美味しく炊けるということ。
ごはんの炊き方は、鍋に同封したこぢんまりとしたリーフレットに書いてあり、それを見るだけで簡単に炊くことができます。(WEBサイトでは動画で確認することもできます!)
さてこのお鍋、ふつうの鍋とは何が違うのか?それは「ふたに穴がない」のです。
これがおいしいご飯を炊ける秘密。ふつうのお鍋であれば、吹きこぼれを防ぐために穴から蒸気を逃していきますが、かもしか道具店の鍋は蒸気を鍋のなかに閉じ込めます。鍋のなかで蒸気の循環を起こすことにより、お米がふんわりと炊き上がる仕組みなのです。
洗ったお米を鍋にいれて、中火より少し強めの火にかける。15分ほどすると、蓋がゴトゴトゴト……といい音がなり、少し蒸気が出てきます。これを合図に弱火に調節し、5分。そのあとは火を止めてじっくり蒸らすだけ。なんと簡単3ステップ!このお鍋にまかせるだけで、失敗&心配いらずです。
かもしか道具店の「ごはんの鍋」のお気に入りポイントは2つ。
ひとつは、このまま食卓に持っていけること。すとん、とシンプルな形は食卓にもおさまりがよく、おかわりも楽ちん。ごはんを炊くお鍋でありながら、おひつにもなってしまうのです。
2つめは、なんと電子レンジの使用ができるということ!おひつがわりに使った鍋は、そのまま冷蔵庫にイン。翌日も電子レンジで温めだけでOK。お鍋自身の保温・調湿機能でしっとり美味しいごはんが復活してしまうのです。
私は時々、炊飯器でつくった炊き込みご飯を「ごはんの鍋」にいれて、冷蔵庫にそのまま保存することもしばしば。炊飯器&おひつとしての2段づかい。さらに電子レンジOK。素晴らしいの一言に尽きます......!
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気持ちいいほどよく擦れる
「だいこんのおろし器」
実家にいた頃、母の「誰かだいこんおろして〜!」という言葉、何度も聞こえないフリをしたかった。できるだけやりたくない。キンキンに冷えた大根を、削れないおろし器でするのはとても辛い作業でした。
だからこそ、この「だいこんのおろし器」を使った感動を一番最初に伝えたのは母親でした。「お母さん!はやく実家も買った方がいいよ!なんだったら送るよ!」声い熱が入ります。あんなにつらい作業が、ちょっと楽しくなってしまう!これは、だいこんおろし革命です……!
秘密は表面のギザギザ。よく見るとても鋭利です。実はこれ「釘」を型にして成形しているのです。何本も並べられた釘で大根をする……それだけスムーズに削れるのが想像できちゃいますよね。力は必要なし。軽く握った大根を滑らすだけで、どんどん削れていくのでケガをする心配もありません。
そして大根おろしといえば「たくさん削ったはずなのに、なんだか水っぽくってボリュームが少ない……」という悩みもありますが、今回はそれがありませんでした。水気を切ったあともシャッキリとした大根が残っている。
これは陶器のおろし器だからこそ。土物は熱を通しづらいので、水っぽくならずふんわりシャキシャキに仕上がるということです。
だいこんはもちろん、リンゴをおろすのにも便利。カレーや生姜焼きづくりもうんと楽しくなってます。冬に鍋を食べるのが今からわくわくです!
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ヒゲが残る?ふんわり仕上がる!
「しょうがのおろし器」
続いて、おろし器シリーズの「しょうが」。
「これも大根のおろし器のように鋭いものでごりごり削れるっていうこと?」いえいえ、そんなことはありません。むしろ想像する「削る」というイメージとは違うかも。「生姜をほぐす」という言葉がしっくりくるかもしれません。
「しょうがのおろし器」は手のひらに収まるほどのこぶりなサイズ。目もなめらかなつくりで、そこにしょうがをごりごりと押し当てていきます。
「お客様、結構コリがありますね〜」と言いながら、ごりごりごり。ほぐしていくように。気づいたら身は削れていて、そしてなんとヒゲ(しょうがの繊維)がもそっと残っているのです!
そう、これがかもしか道具店「しょうがのおろし器」のひみつ。
金物のおろし器とは違い、しょうがの身の部分だけすりおろされ、ひげが残る。だから、食べる時も繊維を感じず、ふわふわとした食感に仕上がるのです。意識をいしたことがなかったけれど、ヒゲのないしょうがの口当たりのよさ!ポテンシャルを最大限に感じたような気持ちです。
自家製のしょうがシロップづくりや、刺身の付け合わせにオススメです。
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すりばちの概念を覆す、洗い物の救世主
「すりバチ」
ゴマをすったあとのすりばちを母から渡され、告げられる。「この隙間に挟まってるゴマ爪楊枝でとってね」
幼少期の私はそれを喜んで引き受けたけれど、大人になった今だからこそ分かる。すりばちに詰まったゴマを取り除くのは根気がいる作業だと!その手間を考えると、市販の「すりゴマ」にもつい手が伸びてしまいますよね。
すりゴマは素晴らしいアイテムです。けれど「すりバチ」を使ってから気づいてしまった。すりたてのゴマの香りに勝るものはないということに……!
かもしか道具店の「すりバチ」を一言で表すと「洗い物を楽ちんにする食卓のミカタ」です。
まず驚くのが、すりばちにあるはずの「みぞ」は一切ありません。みぞがない代わりに、はちの内側はざらりとした材質で出来ています。
「これでごまはすれるのだろうか……?」と一抹の不安がよぎりますが、まったく無問題。すりこぎを動かすたびに、ごりごりごりごり、と心地の良い音がして、しっかりすれてる様子。
そしてふと気づく。市販のすりごまではあまり感じることがなかった、ごまの香りを感じます。ひきたてのごまだからこその、ふわりと香ばしい匂い
この香り立つごまに、お野菜を纏わせることを想像するだけて胸がたまかります。そしてみぞに挟まったゴマを考えなくていいことに、ほっすとるのです(笑)。
そして「すりバチ」を「洗い物を楽ちんにする食卓のミカタ」と名付けたもうひとつの理由。それは、ごまをすってそのまま食材を盛り付けて、うつわとして使えるということ。たっぷりとした深さと安定感があるのが嬉しい。
ごま和えはもちろん、ポテトサラダのおいもを潰したり、卵を潰してタルタルにすることにも使える汎用性の高いアイテム。うつわとしてもとっても優秀なすりバチです!
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おうちに4台あってもいい。
マイ「なっとうバチ」のある生活
白米のお供、納豆。さっと食事を済ませたい朝も、おかずを沢山つくった夜も、納豆があればプラスで嬉しい気分です。
スーパーで買った納豆をパッケージのままで食べるのは楽ちんだけど、ちょっと具材を足したい時は心許無い。キムチを入れたい。オクラも入れたい。おうちゃくして卵を溢すことは数知れずです。
そんな納豆大好きユーザーの些細な悩みを解決し、そして食卓を豊かにしてくれるのが「なっとうバチ」。冷蔵庫には常に納豆6パックを置いている我が家では、なっとうバチはベビロテ、うつわの一群入りをしています。
内側にある溝のおかげで納豆をかき混ぜるとふんわり仕上がり、そして食べ終わったあとも粘り気が残りづらく洗い物もするりと完了。これが毎日使える嬉しいポイントです。
そして卵やオクラなど、具材を入れても溢れないたっぷりな深さ。たくさん入れぐるぐる混ぜてもこぼれない安定感は、納豆のためにつくられた専用のうつわだからこそと言えるでしょう。
さらに「なっとうバチ」はなんと片口つき。たまごたっぷりの納豆をご飯にするりとかけることができるのです!
最後に、なんといっても「なっとうバチ」があるだけで食卓がぴしっと引きしまる。おぼんの上が整い、なっとうを食べるのが楽しくなるのです。家族の分、自分のなっとうバチがあればきっと嬉しい。4人家族なら、4つのなっとうバチが家にあってもいいのです。
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こちらのnoteは中川政七商店が運営する「大日本市」の企画で書かせていただきました。
今回カタリベの企画をいただいた際、使いたいアイテムを教えてほしいというアンケートに対し私は「かもしか道具店のアイテムを使いたい!」という熱烈な思いを綴りました。
中川政七商店の店頭で見かけた時から「いつか家にお迎えしたい」と思っていた、かもしか道具店のアイテムたち。陶器のしっかりとした重さ、生活になじむ優しくつややかな釉薬の色。
様々な食卓の道具たちが便利な家電製品へと変わっていくこの時代に、手間をかけ、手にじんわりとなじむ製品をつくっているかもしか道具店さん。料理に向かう人の毎日の生活を想像し、つくりあげたアイテムは、どれも幸せの食卓をつくるのに大きな支えになるものばかりだと感じました。
今回ご紹介した5つのアイテムのほかにも、かもしか道具店さんには食卓を幸せにするアイテムが多数あります。商品ラインナップを見るたびに「次はこれが欲しいな」「あれも買っちゃおうかな」とそわそわ。薫製をつくりたいと意気込んでいる夫に、かもしかさんの「陶のくんせい鍋」をプレゼントしようかなぁ......なんて考える日々です。
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