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一齊堂の特殊鍼法|鼻の鍼

対応する症状

当院では、鼻に特化した鍼を行っています。

季節性の花粉症、慢性鼻炎、蓄膿症(ふくびくうえん)などの鼻粘膜の炎症。

コロナ後遺症による嗅覚異常。

その他、脳神経の過緊張などにも対応します。


1.使用する鍼

銀製の鍉鍼(ていしん)を用います。

少し太めの銀製のものを温めて用いることで、刺激に過敏な鼻粘膜にも、安全で効果的な治療を行うことができます。

純銀製の鍉鍼


一齊堂で作っている鍉鍼

2.鼻粘膜を調える

鼻の治療のポイントは、過敏に反応してしまう鼻粘膜の充血や神経過敏を鎮めることや、鼻涙管からの涙の供給量を増やすことで鼻粘膜の潤いを増し、炎症を鎮めることにあります。

鼻粘膜は、物理的な刺激に非常に過敏です。

そのため、鍼療のポイントは、鼻の奥にあるツボにそっと鍼が収まるように、優しくソフトかつ手早く行うことが重要です。


3.治療点

鼻粘膜の中には、鼻粘膜を調えるツボがあります。

主要なツボは、「上鼻道・中鼻道・下鼻道」という3つの空洞にあります。

鼻中穴(びちゅうけつ)といいます。


治療の流れ

1.はじめの診察が大切

問診に始まり、脈診(みゃくしん)・腹診(ふくしん)・舌診(しんさつ)・ツボの状態などの所見から、症状の原因を東洋医学的に分析します。


2.治療方針を立てる

体質・体調を調える間接的な治療と、症状を改善するための直接的な治療を組み合わせて、相互の相乗効果を目指します。


3.ツボを選ぶ

例えば、慢性の副鼻腔炎(蓄膿症)は、鼻中穴に鍼をして鼻汁の分泌を促進して鼻粘膜の炎症を収めつつ、頬骨にある四白穴(しはくけつ)に鍼をすることで副鼻腔の血流を促します

その上で脛にある 足陽明胃経 豊隆穴(ほうりゅうけつ)を用いることで、余分な水分の代謝を促進します。

それにより、水分供給による炎症の鎮静と、溜まっている膿を排出します。

足陽明胃経・豊隆穴

また、ストレス性の花粉症であった場合、足の親指と人差し指の間にある 足厥陰肝経 行間穴(こうかんけつ)に鍼をして、肝の熱をとる体質調整としての鍼をしつつ、鼻中穴に鍼をすることで、鼻粘膜の過敏さを鎮め除感作(じょかんさ)します。



今回も読んで頂きありがとうございます。ISSEIDO noteでは、東洋医学に関わる「一齊堂の活動」や「研修の記録」を書いています。どんな人と会い、どんな体験をし、そこで何を感じたかを共有しています。臨床・教育・研究・開発・開拓をするなかで感じた発見など、個人的な話もあります。

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