子どもの鍼
こんにちは。東です。
一齊堂(ISSEIDO)では、お子様への鍼治療もしています。
痛くも痒くもない治療です。
対象年齢は、0歳~中学生くらいまでですかね。
ちいちゃな可愛い金色の鍼(本当に金)を使って、「ちょこちょこちょんちょん」と、ウサギさんがピョンピョンと跳びはねるようにします。
背中はコロコロが気持ち良いまん丸の玉(これも鍼)で、ナデナデしてあげます。
中には、台風がきて気圧が下がると頭が痛くなったり、起き上がれなくなったりするお子さんもいらっしゃいます(お子さんでなくてもいらっしゃいます)。
最近では、台風14号も発生し(名前は「ナンマドル(Nanmadol)」。ミクロネシアが提案した有名な遺跡からとった)、不調を訴えるお子さんも少なくありません。
このような症状を、気象病(きしょうびょう)といったり、低気圧不調(ていきあつふちょう)と言ったりします。
それはどのようなものか。漢方 テイラックさんの記載を、少し覗いてみることにしましょう。
気象病と低気圧不調について
ここに原著論文を用意しました。割と興味深い内容で、東洋医学との関連が示唆されています。
込み入った内容は避けますが、ポイントの一つは、内耳の破調に関すること。また、もう一つは、本来は交感神経優位に働かなければならない場面において、なぜか副交感神経が優位になってしまうことです。この辺りは、臨床の実際での体感と符号します。
実にテイラックさんの説明がわかりよい。漢方の名を冠するだけあります。
「体内の水分バランス」という所は、専門的には「水毒(すいどく)」と言います。要は、身体の中が「湿気(しっけ)ている」。湿気ている身体を、東洋医学の先人は水毒として認識しました。古人のセンスが見えます。
現代人には到底真似できない発想です。
ちなみに、「医師と患者をつなぐ医療・ヘルスケアプラットフォーム」のmedicalnoteさんで「気象病」についてみてみると、このようなことが書いてあります。
この辺りの説明は、特に変わりはありません。
ひとつ気になったのは「日本では1000万ほどの人が気象病に悩んでいる」という一文です。
日本の人口は1億2千万人といわれていますから、その内、1000万人が発症する。実に 1/12人。30人学級に2~3人は悩んでいることになります。
これを多いか少ないかの判断は任せますが、個人的にはまぁまぁ多いという印象です。
medicalnoteさんの説明の続きを見てみましょう。
これもその内、〇〇因子が見つかったとか、〇〇酵素がどうのとか、〇〇遺伝子が惹起するなど、発症のメカニズムは解明されていくものと思われます。
ただ、現時点でははっきり言ってまだよくわかっていない。対処方法がないということです。
このような現代医学の網目から漏れてしまった時。ここで東洋医学の登場です。
東洋医学では、身体の中の湿気と外気の湿気が感応(内と外の同じ性質のものが反応)することによって、気象病や低気圧不調のような症状が起ると考えました。
このように発症のメカニズムを見定めることで、治療方法が浮かび上がります。この身体の湿気はどこにどの程度たまっているのか。その性質はどうなのか。などと考えていきます。
そうして、内臓の働きのバランスを調えて、循環物の流れをスムーズにしてあげると、不思議と体調が良くなります(本当に、ご飯が食べられなかったお子さんが、鍼治療の直後に「ママお腹すいた~」と言ったりします)。
要は、子どもさんに鍼治療は良いですよ~というお話しでした。