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隈研吾展 新しい公共性をつくるためのネコの5原則備忘メモ

一応これでも建築学科を修了していますし、そこそこ旧友たちが展覧会自体に関わっていると聞いて、来ました。

隈先生の展示は、少し前にステーションギャラリーでやっていた、マテリアルに関する展示ぶりだったのですが、左記はテーマがわかりやすくギャラリーの大きさにもフィットしていた印象だった分(そしてマステなどのグッズもかわいかった分←)、今回は映像やネコのCG(多分ちょっと前にテレビ番組でやっていたのと同じやつ)といった見せ場がキャッチーだった一方、ちょっとゴチャゴチャしていて結局何に重きを置いているのかが少しぼやけていて、さらに模型とか盛り沢山な割に網羅性としてはいまいちだったので、構成的にはウーンと思いましたが、パーツパーツはやっぱり面白かったです。
悪口から始めてしまいましたが、後半のインタビュー映像だけでも見る価値はあると思います。

隈事務というとほぼ組織設計というか、新国立を始め、かなりデカい仕事もやる事務所という印象が(もはやパンピーの感想ですが)あり、そんな中でもどうやって都市の中の繊細性を保つか(展示の中で使われていた言語だとどうやって「モノを負けさせる」か)が丁寧に説明されていて、それが面白かったです。
取り上げられていたのは、小さくする・柔らかくする・斜めにする・エイジングさせる、という方法だったのですが、隈先生の作品を一つでも知っていれば(上手く行っているかどうかは別として)言っていることがわかりますし、模型バイトの学生がルーバー用の木材を死ぬほどお使いさせられて青山まで帰っていくみたいなのもよく笑い話で聞いていましたが、怠けた学生だった私は、その素材への拘りの背景となる部分まであまり考えきれておらず(あー、ルーバー好きだよね(笑)くらいにしか思ってなかった)、こうして建築家の手でマスな何かをつくるときに都市与える影響を考え抜いた結果の拘りだったのだなと、当たり前なのですが、やっと理解できたような気がして、平易なキーワードで伝える力、流石だなと思いました。

蛇足ですが、かつて卒業設計の時に都内の再開発エリアで保存と開発を同時に行う提案を行ったのですが、講評の際に、その開発部分について小さく設計できたらよかったけどねとコメントを頂いたことを思い出したり。仰るとおりですね………

インタビュー映像の中で、自分としては、設計作品に都市のノイズがadd onされるのは大歓迎という話をされていて、うわー、わかるー、と。
私は在学中ずっと、東京に死ぬほどある無味な、ただそこにあるだけの公開空地がキライだなと、パブリックスペースに関する研究や設計を中心にやっていたのですが、制度上の問題だったり、この国の人の少し過剰な潔癖症っぽい部分、どうにかならんのかなと思ってきて、例えばこの前訪れた京セラ美のスケボー禁止マークとか、あーあ……と思いながら見ていて。
まぁ、全部欧州化しろよとか無理な話なんですけど、「街を使い倒す」みたいな視点がもう少し根付いたらいいのになぁと改めて感じる機会になりました。
これもまた全然関係ないですけど、PARADEツアーで福岡ドームを訪れた際、ジャニオタたちがお行儀悪く(笑)階段にびっちり腰掛けている図は、かなりイケてるなって思ってました!(笑)


隈研吾展 新しい公共性をつくるためのネコの5原則
チケットはこちらから→東京国立近代美術館
会期は9/26(日)まで。

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