NASA、ISSの軌道離脱能力について産業界に意見を求める(spacenews翻訳8/20)
ワシントン - NASAは、国際宇宙ステーションの寿命が尽きたときに脱軌道する宇宙船の開発について、その能力と関心について産業界に情報を求めています。
NASAは8月19日遅くに情報提供の要請(RFI)を出し、ステーション寿命の終わりに最後の再突入マヌーバを行い、大気圏に押し出して南太平洋上で分解する宇宙船の開発方法について情報を提供するよう企業に求めています。
RFIでNASAが提示した公称脱軌道シナリオでは、宇宙船は再突入の1年前にノード2モジュールの前方ポートに取り付けられることになっています。
この間、大気抵抗とステーションのロシアセグメントのスラスターによる操縦でステーションの高度が徐々に下がり、スラスターだけでステーションの姿勢を制御できる高度である220km以下に降下することになります。
軌道離脱機は、まずISSを145×200kmの楕円軌道に乗せ、姿勢制御をスラスタに頼らなければならない期間を最小限に抑えます。
その後、近地点を50kmまで下げる最終燃焼を行い、再突入時にISSの「大気圏突入」または「分解」を確実に行います。
NASAは、1月に発表したISSの移行計画で、再突入にロシアのプログレス貨物宇宙船を使うことを予測していました。「NASAとそのパートナーは、ロシアのプログレス宇宙船の様々な量を評価し、3つの宇宙船が軌道離脱を達成できると判断した」と報告書は述べています。
さらに、ステーションの軌道を再上昇させることができるノースロップ・グラマン社のシグナス宇宙船も、ステーションの脱軌道のために検討されているといいます。
NASAは、RFIを発表した声明の中で、「数年にわたる努力の中で、NASAとそのパートナーは、脱軌道の要件を研究し、脱軌道作業を支援するために複数のロスコスモスのプログレス宇宙船の使用を評価する戦略と行動計画を開発した」と述べています。
「これらの研究は、追加の宇宙船が軌道離脱のためのより強固な能力を提供するかもしれないことを示し、NASAは複合体の安全な軌道離脱を支援する米国産業の能力を評価することを決定した」と述べました。
「NASAと我々の国際パートナーは、安全に軌道離脱を実行するために、宇宙ステーションの寿命の終わりを計画する慎重なアプローチを取っています」
NASAの宇宙運営担当副長官であるキャシー・リューダース氏は、声明の中でそう述べています。
「2030年の移行計画の一環として、クルーと地上の人々や構造物の安全のために十分な冗長性を追求しています。これはまた、将来の商業目的地のための重要な米国の能力になる可能性があります」
NASAとロシアを除く他のISSパートナーは、2024年から2030年までのISS運用の延長を支持しています。
ロシア当局は、2024年以降のある時期にISSを終了する予定であると述べていますが、確定的な日付は設定していません。
RFIの中でNASAは、ノミナルシナリオでは2031年初頭にISSを脱軌道させるとしているが、ISSの運用状況によっては延期や前倒しがあり得ると述べています。
「ISSの名目上の寿命は2030年後半だが、政府は、早期の再突入や2030年以降のISSミッションの延長につながる不測の事態に備え、できるだけ早くこの軌道離脱能力を利用可能にすることを求めている」とRFIは述べています。
これには、最終的な軌道離脱操作の6ヶ月前に軌道離脱宇宙船を打ち上げることができることも含まれています。
RFIでは、NASAの要求を満たす軌道離脱モジュールの開発技術力、望ましい 契約形態、運用上の問題点、商用宇宙ステーションに対応するための拡張性等を産業界に求めています。
回答は9月9日にNASAに提出される予定です。
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