タレス・アレニア・スペース社、軌道上製造に再利用可能な宇宙船を研究中(spacenews翻訳12/28)
フロリダ州タンパ - 新興の軌道上製造業を実現するためには、有人ではなく無人の宇宙船が鍵になると、タレス・アレニア・スペース社に2025年後半からのミッション用にREV1という乗り物を開発させたヨーロッパのベンチャー企業は述べています。
タレス・アレニア・スペース社は、12月初旬に、微小重力研究・製造事業を展開するために資金を求めている創業8年のルクセンブルグを拠点とするベンチャー企業REV社と、REV1再利用・加圧式「宇宙工場」の第1期契約に調印しました。
テキサス州に本拠を置くアクシオム・スペース社が、乗組員のいる商業宇宙ステーションを開発するために多額の投資ラウンドに迫っている一方で、スペースカーゴ・アンリミテッド社は、REV1のような乗組員のいないシステムは、人間の活動を支えるために必要な多数の安全対策を避けることによって、より柔軟で安価になる可能性があると述べています。
「宇宙ステーションの安全対策は、当然のことながら、常に人命を保護し、危機に瀕しているペイロードに不利益をもたらすものです」と、スペースカーゴ・アンリミテッド社のCEO兼共同設立者のニコラス・ゴーム氏は、SpaceNewsに語っています。
「宇宙での製造を拡大するために、私たちは人間を乗せた多目的の乗り物を信じていません」とゴーム氏は付け加えました。"実際、我々は宇宙製造へのアプローチは、車両ではなく、ペイロードから駆動されるべきであると信じています。"
タレス・アレニア・スペース社は、コンパクトカー程度の大きさのREV1の設計・エンジニアリング・開発を担当し、スペース・カーゴ・アンリミテッド社が商業的に所有・運営することになります。
スペース・カーゴ・アンリミテッド社の広報担当者は、この第1期契約によって「製造を開始することができるようになる」と述べました。
REV1は、地球低軌道で数ヶ月間、最大1000kgのペイロードを運ぶように設計されており、そこでタレス・アレニア・スペース社が開発中の再使用型軌道サービスモジュールとドッキングすることになります。
このサービスモジュールは、太陽電池パネルと電気スラスタを備え、約10年間、つまりおよそ20回のREV-1ミッションのために軌道上に留まることになるとゴーム氏は考えています。
ミッション終了後は、REV1に装備された熱シールドにより、地球の大気圏に再突入し、パラシュートで着陸することができます。
ターゲットとなる市場は、バイオテクノロジー、製薬、宇宙から新素材を開発するメーカーなどです。
REV1には、「打ち上げが近づくにつれて公開される、重要な顧客からのエキサイティングな宇宙製造ペイロードの数々」があります、とゴーム氏は述べました。
また、REV1がすでに国際宇宙ステーションで行っている、微小重力下でのブドウの栽培やワインの熟成といった農業実験も、この宇宙船が支援することになります。
ゴーム氏によると、REV1は推進システムのテストベッドを含む他の軌道上開発・検証プロジェクトを多数計画しているとのことです。
「人工衛星が故障する最初のケースは、その推進システムにあります」と、彼は電子メールで述べました。
「そして、衛星の推進システムのほとんどは宇宙でテストされておらず、テストされても戻ってこないため、新しいシステムを開発するためのコストとタイミングが劇的に増加しています」
「迅速なテストと帰還の可能性を開くことで、我々は宇宙のエコシステム全体を加速しサポートします」
スペース・カーゴ・アンリミテッド社とタレス・アレニア・スペース社は、REV1やその他の宇宙船のメンテナンス、修理、オーバーホールのための「宇宙ガレージ」をイタリアのトリノに建設することを希望しています。
ヨーロッパのプライベート・エクイティ企業であるエウラジオ社は、スペース・カーゴ・アンリミテッド社の主要な資金援助者であり、株主でもあります。
スペースカーゴ・アンリミテッド社は、この計画のために、タレスのベンチャーキャピタル部門とヨーロッパの初期段階の投資家ジオデシックからも投資を確保したと述べました。
軌道上製造などの用途で無人宇宙船を開発している企業には、来年初めに英国からヴァージン・オービット社の就航ミッションで最初の衛星を打ち上げる予定の英国の新興企業、スペース・フォージ社もあります。