
NASA、SpaceX社にあと3回の商用クルーフライトを発注(spacenews考察12/3-5)
ワシントン発 - NASAは12月3日、ボーイング社のCST-100スターライナーの認証がさらに遅れることへの備えとして、スペースX社からさらに3つの商用クルー・ミッションを購入する意向を発表しました。

NASAは契約通知書を発行し、SpaceX社に3つのミッションを単独で発注する計画を発表しました。これらのミッションは、スペースX社が2014年に26億ドルの商用クルー輸送能力(CCtCap)契約の一環として獲得した6つの「認証後ミッション」(PCM)に加えて行われます。今回の発表では、その3つの新規ミッションの価格は明記されていません。

スペースX社は、これら6つのオリジナルミッションのうち3つ目のミッションであるクルー3を11月10日に国際宇宙ステーションに向けて打ち上げました。また、2022年春には「クルー4」を打ち上げ、さらに2022年秋には「クルー5」を打ち上げる予定です。
NASAは当初、スペースX社とボーイング社のミッションを交互に行うことを想定しており、両社の機体が同時期に認証されることを想定していました。しかし、ボーイング社はまだスターライナーの有人飛行を行っておらず、2回目の無人試験飛行であるOFT-2も2022年中に延期されています。
「今回の調達通知では、「技術的な問題とそれに伴うボーイング社の遅延により、スペースX社は2023年3月に最後のPCMを打ち上げることが予想されます。"SpaceX社に最大3台のPCMを追加発注することで、NASAは各PCMの冗長性とバックアップ能力を確保することができます。"
NASAの宇宙運用担当副管理者であるキャシー・ルーダーズ氏は、契約通知に添付された声明の中で、「米国の宇宙ステーションへのプレゼンスを維持するために必要なミッションに備えて、今から宇宙ステーションへの追加フライトの確保に着手することが重要です」と述べています。
NASA当局は10月、クルー3ミッションに関する説明会で、商業クルー契約の延長を計画する初期段階にあると述べていました。NASAは10月20日、商業ミッションの単席または複数席、あるいは専用フライトのオプションを含む、商業クルーサービスの追加購入の機会に関する情報提供を求めています。
NASAとボーイング社は8月上旬にOFT-2の打ち上げを中止し、同ミッションの延期につながったバルブの腐食問題の進捗状況について、10月中旬以降は最新情報を提供していません。その際ボーイング社の担当者は、2022年前半にミッションを打ち上げるためのオプションを検討していると述べていましたが、このスケジュールでは認証後の最初のミッションが2023年にずれ込むことになります。
NASA本部の商業宇宙飛行担当ディレクターであるフィル・マカリスター氏は、「NASAとボーイング社は、根本的な原因と効果的な車両の改善策を決定するための調査・検証作業を進める中で、スターライナーの次のミッションの状況について追加の情報を提供します」と声明を発表しました。
NASAは10月のスターライナーに関するブリーフィングで、スターライナーが認証された後はクルー・ドラゴンとスターライナーのミッションを交互に行うという長期的な計画が残っていると述べました。NASAの商業クループログラムのマネージャーであるスティーブ・スティッチは、「長期的なローテーションに入ると、スペースXが年に1回、そしてボーイングも年に1回飛行することを希望しています」と述べています。
いいなと思ったら応援しよう!
