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9/6(金)日経平均先物オプション取引市況建玉残高分析レポート



1. 市場概況

1-1. 主要指数の動向

2024年9月6日(金)の市場は、全体的に軟調な展開となりました。

  • 日経平均株価: 36,391.47 (-265.62, -0.72%)

  • TOPIX: 2,597.42 (-23.34, -0.89%)

  • 日経225先物: 36,090 (-270, -0.74%)

  • ドル円: 142.863円 (-0.42%)

  • NYダウ: 40,755.75 (-219.22, -0.54%)

  • NASDAQ: 17,127.66 (+43.37, +0.25%)

  • S&P500: 5,503.41 (-16.66, -0.30%)

アジア市場も軟調な展開が見られました:

  • 中国(上海総合指数): 2,765.81 (-22.51, -0.81%)

  • 香港(ハンセン指数): 17,444.30 (-13.04, -0.07%)

  • 韓国(KOSPI): 2,544.26 (-31.24, -1.21%)

1-2. 市場動向分析

当日の市場は、米国の雇用統計発表を控えて様子見ムードが強まり、全体的に軟調な展開となりました。

米国市場では、雇用統計発表前の慎重な姿勢から、主要指数が軒並み下落しました。ただし、NASDAQは技術株の堅調さを背景にわずかながらプラス圏で取引を終えています。

経済指標の分析:

  1. 日本の家計調査・消費支出(7月)

    • 前年比: +0.10%(予想: +1.20%, 前回: -1.40%)

    • 前月比: -1.70%(予想: -0.20%, 前回: +0.10%)

消費支出が予想を下回り、特に前月比で大きく落ち込んだことは、日本経済の回復の脆弱性を示しています。これは日本株式市場の下落要因の一つとなったと考えられます。

  1. 米国の雇用統計(8月)

    • 非農業部門雇用者数: 結果未発表(予想: 164K, 前回: 114K)

    • 失業率: 結果未発表(予想: 4.20%, 前回: 4.30%)

    • 平均時給(前月比): 結果未発表(予想: 0.30%, 前回: 0.20%)

米国の雇用統計は市場の注目度が非常に高く、その結果次第で市場が大きく動く可能性があります。現時点では結果が未発表ですが、予想を上回る強い雇用統計が出れば、FRBの金融引き締め継続観測が強まり、株式市場にとってはネガティブに作用する可能性があります。

原油市場では、WTI原油価格が69.38ドルと、わずかに下落しています。これは、世界経済の先行き不透明感や、需要の伸び悩みを反映していると考えられます。

為替市場では、ドル円が142.863円と円高方向に動いています。これは、日米の金融政策の方向性の違いや、経済指標の結果を反映していると考えられます。

2. 日経225先物の分析

日経225先物(大証)は、36,090円で取引を終え、前日比270円の下落となりました。

取引時間帯別の詳細な動き:

  1. 夜間取引(前日16:30〜翌5:30)

    • 始値: 36,700円

    • 高値: 37,120円

    • 安値: 36,490円

    • 終値: 36,960円

    • 取引高: 19,414枚

  2. 日中取引(前場: 8:45〜11:30)

    • 始値: 37,000円

    • 高値: 37,040円

    • 安値: 36,470円

    • 終値: 36,720円

    • 取引高: 14,086枚

  3. 日中取引(後場: 12:30〜15:15)

    • 始値: 36,720円

    • 高値: 36,750円

    • 安値: 36,240円

    • 終値: 36,360円

    • 取引高: 17,352枚

後場では、さらに売りが優勢となり、36,300円台まで下落しました。米国の雇用統計発表を控えて、投資家のリスク回避姿勢が強まったと考えられます。

総取引高は50,852枚となり、前日比で増加しています。これは、経済指標発表を控えた投資家の活発な取引を反映していると考えられます。

3. 日経225ラージとミニの動向比較

日経225ラージ(大証)とミニ(大証)の動向を比較します。

  1. 日経225ラージ(大証)

    • 終値: 36,360円 (-250円, -0.68%)

    • 取引高: 50,852枚

  2. 日経225ミニ(大証)

    • 終値: 36,360円 (-250円, -0.68%)

    • 取引高: 669,179枚

両者の終値は完全に一致しており、価格形成に乖離は見られません。しかし、取引高に大きな差があります。ミニの取引高はラージの約13倍となっており、小口投資家や高頻度取引を行う投資家がミニを好んで取引していることが伺えます。

取引時間帯別の特徴:

  • 夜間取引: ラージ(19,414枚)、ミニ(311,939枚)

  • 前場: ラージ(14,086枚)、ミニ(176,530枚)

  • 後場: ラージ(17,352枚)、ミニ(180,710枚)

全ての時間帯でミニの取引高がラージを大きく上回っていますが、特に夜間取引でその差が顕著です。これは、海外投資家や個人投資家が夜間取引を活用していることを示唆しています。

J-NET取引(立会外取引)の比較:

  • ラージ: 7,532枚(全体の約14.8%)

  • ミニ: 80,727枚(全体の約12.1%)

両者ともJ-NET取引の割合は比較的高く、機関投資家による大口取引が活発に行われていることが分かります。

4. TOPIXとミニTOPIXの分析

  1. TOPIX(東証株価指数)

    • 終値: 2,597.42 (-23.34, -0.89%)

    • 取引高: データなし

  2. ミニTOPIX先物(大証)

    • 終値: 2,590.00円 (-25.00円, -0.96%)

    • 取引高: 67,720枚

TOPIXの下落率(-0.89%)に比べ、ミニTOPIX先物の下落率(-0.96%)がわずかに大きくなっています。この僅かな乖離は、先物市場が現物市場に比べてやや悲観的な見方をしていることを示唆しています。

ミニTOPIX先物の取引時間帯別分析:

  • 夜間取引: 17,930枚(始値:2,619.0円、終値:2,637.0円)

  • 前場: 24,591枚(始値:2,638.0円、終値:2,613.5円)

  • 後場: 25,199枚(始値:2,613.5円、終値:2,590.0円)

取引高は後場に向けて徐々に増加しており、特に後場での下落が顕著です。これは、米国の雇用統計発表を控えて、投資家のリスク回避姿勢が強まったことを反映していると考えられます。

J-NET取引は20,443枚で、全体の約30.2%を占めています。この高い割合は、機関投資家による大口取引が活発に行われていることを示しています。

TOPIX先物とミニTOPIX先物の比較:
TOPIXの大口先物取引に関するデータが提供されていないため、直接的な比較は困難です。しかし、ミニTOPIX先物の高い取引高と大きなJ-NET取引の割合から、この商品が幅広い投資家に利用されていることが分かります。

5. オプション取引の分析

5-1. 日経225オプション(ラージ)

  1. コールオプション

    • 取引高: 30,306枚

    • 建玉残高: 483,588枚(前日比 +8,141枚)

  2. プットオプション

    • 取引高: 38,513枚

    • 建玉残高: 752,757枚(前日比 +6,152枚)

5-2. 日経225ミニオプション

  1. コールオプション

    • 取引高: 8,327枚

    • 建玉残高: 12,305枚(前日比 +1,207枚)

  2. プットオプション

    • 取引高: 8,671枚

    • 建玉残高: 11,142枚(前日比 +1,248枚)

分析:

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