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事業会社の社内SEをやっているけれどもこのままで良いのか将来が不安な若手の方へ#4

そもそもなぜ雇われているのか?

「ITは金で買える」(極論)

•ITベンダに大金を払えば戦略も構築も運用もいい感じにやってくれる
⇒ただし、毎回大金を払っていては本業の利益をどんどん食いつぶしてしまう。
•ITベンダにいくら払うべきかを適切に価格交渉するためには、買う側にIT人材⇒社内SEが必要
(※社内SEにも複数タイプがありますが、ここではベンダコントロールを主な仕事にしている会社をイメージしています)

例:「燃費が良くて乗りやすい車が欲しい」(事業会社の人)
⇒「オプションもりもりプリウスが1000万円です」(営業の人)
⇒⇒すべてお任せでよいなら言い値で買えばよい。
⇒⇒適切な価格で購入するには機能要否の判断・市場価格の把握・車の品質が問題ないか等を見極める力が必要

大金を使ってよいのであれば「IT〇〇事業部」の人数は数名で回せる。
部員の給与<価格交渉効果の範囲で社内SEを雇うべきであるため、社内SEとして雇われている。

 
ITベンダ、社内SE、社内業務部門

次は上図について2点説明する。特に新卒で社内SEを選択しかつ会社がベンダコントロールを主とする体質の場合、何をするか良く考えるべきだ。

<ITベンダ、社内SE、社内業務部門の転職・異動について>
1.ITベンダから社内SEへの中途転職は可能。逆は即戦力としては難しい。
 理由:いままでベンダコントロールしかしてこなかった人間がITベンダで1人月分を仕事をこなすこと(要件定義、基本詳細設計、プログラム、移行、テスト、保守運用等)は当然できないからである。言い換えると、ITベンダの仕事がバッターである場合、社内SE部署は野球監督に相当する。バットを一度も振ったことのない野球監督がバッターに転向することはできない。また、バットを振ったことのない人間が適切に試合を監督できるだろうか(座席に座っているだけならだれでもできる)。

では、どうすればよいのか?
単純だが、
・要件定義を行い、基本詳細設計を作成し、プログラムを書き、移行を検討し、テストを実行、保守運用マニュアル作成し実際に運用する
・上記をWBSを用いてスケジュールし、その通り実行する。
・それらを他人の分を含めマネジメントし、マネジメントを実際に経験する
を何らかの手段で経験するしかない。こういった部分(バットを振る部分)を飛ばして、この先の成長は難しいように思う。
(※このあたりのサポートは会社側でするべきだとは思う)

恐ろしいのは、ホウレンソウができそれなりに理解力があれば事業会社の中ではうまくやれてしまうことだ。だがこれまで担保されてきていた終身雇用制が崩壊しつつある現在、もし会社になにか悪いことがあった場合、別の会社へ転職できる力(ITシステムの企画・導入を再現する力ともいう)がついているのかという点は要検討だ。

たとえ、自分で一から再現はできなくてもITシステムの技術要素を押さえ、要件を定義でき、適切にベンダコントロールをできる(金を与えてあげれば再現できる)人材まで成長できれば他社でも引手あまただと思う(だがその領域はそれなりのレベル(課長くらい?)にならないと達することはできないのではなかろうか。バットを振ったことがない人がそこまでいけるのか?)

2.社内SE、社内業務部門については同社内のため異動しやすい
ITシステムと業務の両方に詳しい”業務プロセスエンジニア”として生きていくのはありだと思う。ただし、もし何かあった場合には完全に業務側(人事・営業・物流担当等)でやっていく覚悟が必要である。
だが、社内SE部署に入るような方はそもそも”IT”にかかわる仕事がしたくて社内SEを選択したのではなかったか?

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