デンマークへの旅 3 - オーデンセ
3日目:
デンマーク滞在3日目、この日もコペンハーゲンを回わらずに他の街を訪れる。
この日は童話作家アンデルセンの故郷オーデンセへ向かう。
オーデンセでの目的地はこの街にあるアンデルセン博物館とアンデルセンの生家。アンデルセン博物館は2021年にリニューアルされたばかりで、そのデザインは日本人建築家の隈健吾が担当している。この博物館の入り口は地上にあり、そこから地下に向けて展示スペースが螺旋状に配置されている。そしてそのエクステリアは緑に覆われ、オーデンセの牧歌的な風景と調和が取れた建造
物となっている。管理の労力はともかく、とても美しい。
その館内の展示案内は、補足的にパネルによる説明文が存在しているが、メインはワイヤレス・ヘッドセットを介して展示物に近づくと自動的に案内されるようになっている。かなり先進的だ。だが残念なことに、そのヘッドセットに日本語の案内は用意されていない。しかし私が訪れた日には、日本語を流暢に話すスタッフがヘッドセットの提供とその説明をしてくれた。
ここに来て初めて知ったのだが、アンデルセンは卓越した切り絵アーティストでもあったようだ。
アンデルセン博物館を観賞した後、そこから郊外へ向かって少し離れた場所にあるアンデルセンの生家を訪ねる。
ここにはアンデルセン博物館のチケットがあれば、無料で入場できるのだが、この日、そこに行く途中セブンイレブンでドリンクを購入した時にそのチケットを紛失してしまう。
そこでその旨を入り口でスタッフに言うと「じゃぁ博物館内に入った証明として館内を撮った写真を見せてくれ」と言われ、見せる。
すると、それをもってチケットを購入したという事を認めてくれた。とても寛大な処置だ。
目的としていたアンデルセン博物館と生家を見終えると、オーデンセの街を散策し、またコペンハーゲンに戻る。
この日、オーデンセの散策にはほぼ徒歩だったが、一度だけバスに乗った。その時はじめて現金での支払いを求められた。
デンマークはキャッシュレス化がかなり進んでいて、お店どころか展示即売会のようなところで買い物しても「お釣りが無い」という理由でカードでの支払いを求められる。そのため、バスに乗って「現金のみで」と言われたときは少し驚いた。
この日の夕方はようやくデンマーク料理を提供するこざっぱりとしたダイナーを見つける。そこでローカルのピルスナーと共に、ジャガイモを添えたトンカツらしい料理を食べる。この4日間で、デンマーク料理っぽいレストランに入ったのはこの一度だけだった。