デンマークへの旅 2 - ヘルシンオー
2日目:
デンマーク旅の2日目、この日は朝からコペンハーゲンを離れ、約30キロ北に位置するヘンルシンオーへ行く。この街に来た目的は、シェイクスピアの戯曲『ハムレット』の舞台「エルシノア城」のモデルで、世界遺産でもあるクロンボー城に訪れることだ。
クロンボー城は、デンマークからは隣国のスウェーデンから最も近い北海のエーレスンド海峡沿いに建てられている。
そのことから容易に予想できるが、ここはかつては要塞だった。また、その2次元形状は、前日に訪れたカステレットと同じ稜堡式である。だがその形状は準星形となっている。しかしカステレットと違って、この城は景観が非常に素晴らしい。その建物自体の美しさも見ものだが、それを遠方から眺めた時の風景との調和の美しさが際立っている。その遠景を観て、私は本当にデンマークへ来て良かったと思った。
クロンボー城を観た後は、日曜日で全く活気の無いヘルシンオーを早々に切り上げて、コペンハーゲンに戻る。
そして再びコペンハーゲン。
次に、ガイドブックでキレイな写真が紹介されることの多いニューハウンという繁華街へ向かう。ここも観光地としては大変有名だが、前日に観た観光地同様ポジティブな感想は思い浮かばなかった。ニューハウンを簡単に形容すると、カラフルな色の建物が並んだ運河沿いのレストラン街。確かにキレイで、SNS映えはするだろう。だが、遠方からそれを見るためにわざわざ来る価値があるか疑問だ。
何だったら、コペンハーゲン大学のキャンパスで見たニールス・ボーア (コペンハーゲン大学出身の原子物理学者、1922年にノーベル物理学賞受賞) の胸像の方が私の琴線に触れるものがあった。
ニューハウンの写真を一通り撮り終わると、この日の観光を終え、僕は夕食を摂るためのレストランを探しはじめる。それにしてもこの旅の間、レストランを探すのには苦労した。
僕は観光客なので「できればデンマーク料理を楽しめるダイナーに入りたい」と思っていた。だが、そんなところは中々見つからない。代わりにすぐに見つかるのはイタリアン、インディアン、ターキッシュ、そしてアジアンと言っても主にチャイニーズ (うさんくさいジャパニーズもあった) 。なぜアジアンとしているかというと、チャイニーズっぽいレストランの外に表示されたメニューを見ていると、それ以外のアジア料理も混ざっているからである。それらは
チャイニーズX% + それ以外のアジア料理Y% + ?%
のような、金融商品のポートフォリオのようなミックスで提供されている。
きっと味のことを考慮せずに繁殖力だけを考えれば、それらの4ヶ国の料理はそのまま世界4大料理と言っても良いんじゃないだろうか?
いずれにせよ、デンマーク人はあまり食にこだわりの強い人たちではなさそうだ。諦めてイタリアンっぽいレストランに入り、ハンバーガーと今まで聞いたことことも無いビールを注文する。あまりにもがっかり過ぎて、写真にも残していない。
食後、ホテルで寝る前に飲むビールを購入する。そして購入したブランドはカールスバーグだが、日本ではお目にかかる事はまず無い Elephant という商品 (アルコール含有量7.2%) を選んだ。また、それ以外にもアルコールが 10.2% も入った Master Brew という商品が有ったが、「度数が高すぎだ」と思い購入は辞めた。