特別な世界
私は、視力が低い。
視力検査の一番上が見えない。両目とも0.03。勉強し過ぎたと言いたいところだが、ゲームのやり過ぎである。
私は目が悪くなって良かったと思っている。
なぜなら、頭の中のメモリーを使いすぎたとき、眼鏡をはずせば、目からはいってくる情報がなくなり、休まるからだ。
さらに、夜は幻想的な世界が広がる。
それを作り出すのは光。
信号機、街灯、車のライト、看板のネオン。
余分なものは全て闇と同化し、光だけが浮かび上がる世界。
耳にイヤホンをねじ込み、大好きな曲をかける。
この幻想的な景色の中、大好きな曲をかけて道を歩く。これは、私だけの世界。優越感に浸る。
視覚や聴覚からの情報が最小限になって、疲れた心も頭も癒すことができる。
お金もかからないし、準備もいらないし、夜になれば、いつでもどこでも見られるイルミネーション。
でも、ただ1つ、気をつけなければいけない。それは、車や人にぶつからないようにすること。当たり前だけど、危機を感知する能力が鈍くなるから、これだけは気を付けなきゃいけない。
それにしても、これは目が悪い人の特権である。
悪いことの中にも、いいことはあるものね。
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