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おうちのスキを見直す その②エッグスタンド ちょっぴり悲しい幸せな話。

ゆで卵。黄身が好きです。キミが好き。笑。

今日は、ちょっぴり悲しい、でも、幸せなお話。


さて、主人と三歳男児と私=3人家族の我が家。でもこのエッグスタンドは2つしかありません。

41歳で今の主人と出会い、半年で結婚。父を亡くしたりして自分の根幹がぐらぐらしていた時期でした。正直、すがるようにした結婚で、仲の良い友達からは、本当に大丈夫かー?と心配されたりもして。

確かに今思えば、ギャンブルみたいな結婚だったなぁ、ワハハ。と笑えるのは、なんだかんだうまーくやれてるから。こればっかりは相棒に感謝だなぁ。

それまで自由奔放に生きてきた私と主人の結婚。子供を持つことは考えていませんでした。年齢も年齢ですから。老後の暮らしやすさを考えて駅やショッピングモールに近いマンションを購入したくらい、終末を見据えての結婚でもありました。

結婚して買い揃えた食器は二人分。気に入って手に入れたこのエッグスタンドも2つだけ。大人二人、派手ではない地に足のついた暮らしが始まりました。


そんな中、私の体調が優れない日が続くことが。めまいに微熱、貧血も。主人が冗談交じりにこんなことを言いました。


妊娠じゃない?



まさかは的中。その瞬間、なぜかこんなことを考えてしまいました。


食器、二人分しか揃えてないや。



産む、と覚悟をしたんですよね。その瞬間に。家族がひとり増える、ということを覚悟したのですよね。


でも、、、この子は、産まれてくることはありませんでした。


子供を育ててるお母さんに話を聞くと、私と同じような経験した人が実は沢山いらっしゃる。皆、口に出さないだけで。



大切な人をなくす。こんなに悲しいことはありません。

たった数週間のこと。もちろん顔を見たこともない。それでも魂が抜けたようにしばらくを過ごしました。そして、その命の弟として誕生した息子と暮らす今も、ふと、あの日病院で、心音が聞こえなかった瞬間のことを思い出すことがあります。


大切な人をなくす。こんなに辛いことはありません。

その人と一緒にいた時間が濃いものであればあるほど。その人と沢山笑って喧嘩もして仲直りした数が多いほど、悲しみは深く鋭いものになるでしょう。


家にいることが、誰かの大切な人を守ることになるのなら、家にいよう。エッセンシャルワーカーではない私ができることは、家にいることくらい。そう、私は、家にいるだけでいい。


息子が生まれてから三年半。今、世界は大変なことになっている。けれど、そんな今だからこそ、これまでで一番濃い時間を彼と一緒に過ごすことができていたりします。

そんな息子は4歳前の反抗期真っ只中。すぐ泣いてすぐ怒る。玉子が嫌いで、食べたくないとも泣いて怒る。この子が玉子を食べられるようになるのはいつのことだろう。それまでに、エッグスタンドをもうひとつ、見つけておかなきゃなぁ。。。





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