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おこもり生活の毎日だから。おうちのスキを見直す その①常滑急須

おうちにあるもの。気に入ってスキになって恋に落ちて手に入れたものばかり。それなのに、手に入れてから日々が過ぎ、少しずつあの時ときめいた気持ちが薄れてしまっていたりします。

おこもり生活を送るこんな時だから、あの時の気持ちを思い起こしておうちのスキを見直してみようかなと。

今回は、

常滑急須。


昭和48年に生まれた私が子供だった頃の日本は、まだまだ地方文化が色濃く、今ほど均一化されていませんでした。全国展開のスーパーマーケットもなく、コンビニもない時代。地元で作られたものを毎日の暮らしの中で食べて使って生活をしていました。

愛知県生まれの私の家の冷蔵庫に入っていたものもやはり地元一色。コーミソースに、イチビキしょうゆ、みりんはあまーい三河産、もちろん味噌は豆味噌の赤いのオンリー。

そう、今でいう地産地消で、暮らしは当たり前に回っていたのですよね。

そして、お茶を飲むと言えば、常滑急須で淹れたものが出て来るのが日常でした。どこの家にお邪魔しても、この朱色の急須を見かけたものです。

常滑急須。これも地元産なわけで、これを使うのが、当たり前の日常でした。


愛知県の三河地方にある常滑市周辺で作られたものを常滑焼と呼びますが、その中でも「常滑焼と言えば急須」と言われているほどの代表的存在が常滑急須。
目を引くのはやはりこの色ですよね。常滑焼だと一目でわかるアイデンティティ。何より、常滑急須で飲むと、お茶が美味しいと評判になって「急須といえば常滑焼」とも言われるようになっていったんだそうです。

といいながら、そんな美味しさが子供の私にわかるわけもなく。


常滑急須で入れるとお茶がこんなにも美味しくなると知ったのは、すっかり大人になってからのこと。今から10年ほど前、年に一度の陶器まつり=常滑焼まつりに足を運んだ時のことでした。

常滑急須で淹れたものとそうでない緑茶を飲み比べさせてくれるブースで体験をしてみると、、、

明らかに美味しさが違うのです。常滑急須で淹れただけで、渋みのとれたまろやかに甘い優しい緑茶になるのです。どのくらい違うかというと、もうね、笑っちゃうくらい。


聞くと、

朱色の元になってる土に含まれた酸化鉄とお茶のタンニンが反応して、お茶の渋みが取れるというのです。

釉薬をかけずに焼くからつるりとしておらず、お茶の余分なものを吸着してくれるとも。その質感は触るとちょっとした滑り止めのように感じるくらい。急須を持った手のひらにも吸い付くようで。

蓋がぴったりしまるから、密閉性があがり、しっかりとお茶を蒸らすことができるとか。

茶こしも一体化したデザインだから、お茶に金属臭が移る心配もない。

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つまりは、、、急須のポテンシャルが高いので、誰が淹れても美味しく淹れられる、というのが常滑急須なんです。江戸時代の末期から作られているけれど、この実力があるからこそ、今でも「急須といえば常滑焼」と言われ続けているワケなんですね。

そして、そのポテンシャルは、今、若い後継ぎ達、若いデザイナー達に受け継がれてまた魅力を増しつつあります。

私が恋をして手に入れた常滑急須、実はこんな足をしているのです。

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ね、モダンでしょ。お茶を注ごうと手のひらを返すたびにちらりちらりとこの並んだ小さな丸い穴達が視界に入ってとてもかわいらしいのです。

そして今は、色も様々。パステルカラーのものまであったりします。

あなたはどの色を選びますか?


私はやっぱり、子供の頃から目に映り続けてるこの朱色じゃなくちゃ。


さーて、お茶の時間にしましょうか。



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