超音波解剖追記④(肩甲下筋について)
みなさま、祝日はいかがお過ごしでしょうか?
私は、コメダでコーヒーを飲んで朝活をしていました。
今日は肩甲下筋についての超音波解剖や病態について記事を書いていこうと思います!!
・肩甲下筋の基本解剖
肩甲下筋の特徴は、筋束が上部と下部に分かれている点です。
基本的には下垂での内旋運動で全体が作用しますが、特に下部筋束は
外転角度が上がると『骨頭を下方に引きつける』ように働きます。
この骨頭を下げる動力源として肩甲下筋が非常に重要です。
(骨頭が肩峰に衝突しないようにしている)
また、上腕骨頭を前方から押さえ込む唯一の腱板のため、他の腱板筋群と比較して筋肉の断面積が大きいのも特徴です。(SSCは、16.30㎠)
(生理的筋断面積:棘上筋-5.72㎠、棘下筋・小円筋-13.74㎠)
またこちらの記事に記載していますが、肩甲下筋の腱は、横靱帯と連結しているので上腕二頭筋長頭腱を安定化させているのもポイントです。
・肩甲下筋の細かい解剖
少し細かい解剖ですが、肩甲下筋腱は上腕二頭筋長頭腱を上から押さえ込むだけではなく、下面からも支えています。
下からも上腕二頭筋腱を支えていることから、肩甲下筋腱の付着部(ここで言うところの肩甲下筋腱の上部の方)が断裂してしまうと上と下面からの支えがなくなるため上腕二頭筋腱が不安定(亜脱臼や、脱臼)をしてしまうのです。
・肩甲下筋のエコー解剖と描出
実際の肩甲下筋に関するエコーでの描出方法です。
描出の仕方は、上腕二頭筋長頭腱を映す方法と同じで、骨性のランドマークとして大結節と小結節に対して短軸方向にプローブを当てます。
そうすると上記のような画像が画面に出てきます。
ここから
肩甲上腕関節の外旋を行うことで肩甲下筋が外側方向に引き出されるので
筋の全長を映し出すことができます。
・重要な超音波所見
基本的には他の腱板を評価するときと同じで
腱の線維fiburillar patternの不整がないか、腱板表層にある脂肪層(peribursal fat pad)の陥凹がないかどうかをチェックします。
実際のところ、完全断裂の超音波検査の感度は86%と比較的高い数値が出ていますが、部分断裂に関しては、あまり良い報告がないみたいです。
私は鳥口下滑液包に水腫を認めた場合には腱板断裂が怪しいな
→fiburillar pattern不整や、LHBの亜脱臼・脱臼がないかは必ずチェックするようにしています。
もちろん先に身体所見を取ってからエコーでの検査をするように心がけます😁