柔道整復師に必要な臨床推論・評価①
おはようございます。
業務に追われて更新ができていなく、、、、(泣)
今日は柔道整復師に必要(もしくは足りていないと私が感じる部分)な『臨床推論=クリニカルリーズニング)について記事をまとめていきたいと思います。
まず、私が学生の頃に『臨床推論』なんて言葉を知るよしもありませんでした。
臨床推論(Clinical Reasoning)とは、簡潔に説明すると『患者さんの疾病・病態を明らかにし、どのように解決すべきかを、思考し、意思決定するプロセス』のことです。
私たち、柔道整復師やトレーナーなどのコメディカルは、接骨院や、スポーツ現場で怪我が起きた際や、慢性疾患で受診された患者様に対して、自然と、問診、検査、鑑別をして治療の選択を行っているかと思います。ただし、この病態における解釈が『主観的な』ものであってはいけないと思いますし、『客観性』に乏しいものであってはならないと私は考えます。
私たちが行った解釈がまちがった方向性にいってしまえば、患者様に不利益が生じることが目に見えているからです。
臨床推論を組み立てるにあたっては、情報収集をし、検査などを行い情報を分析、検査結果をもとに臨床的判断を行い、治療方針を立てて、また設定したアウトカムで治療の効果判定をしていくことが重要です。
また、臨床的判断(統合と解釈)をするにあたっては信頼性・妥当性のある評価(ATだと検査・測定といった項目)の実施が必要となってきます。
検査・評価と聞くと、可動域や筋力を測ったり、もしくは整形外科的テストを思い浮かべる方も多いと思います。もちろん数値的な評価は必要ではありますが、それはあくまで患者様の、身体所見のみを反映しているもので、そこに個人の社会的、環境的、心理的因子などは反映できておりません。
どうしても新人の頃は、『患者様に触りたい!』、『覚えた検査を実施したい!』という思いが強く、表面上の可動域、筋力に目に行きがちではありますが、私が、職場の上司から指導を受けた指導内容に、ICIDH(国際障害分類)を理解した上で、障害というものを、質的・量的に状況判断することの重要性を感じました。
ICIDH分類は上記のような階層構造となっています。
例えば、高校生の野球をしている子が、やってきたとします。
DISEASE(肩が痛くなった)→IMPAIRMENT(可動域の低下や筋力の低下)→DISABILITY(野球ができない)→HANDICAP(試合に出れない)という階層構造が完成します。
私たちが、直接的に介入するのはICIDH分類の中では、IMPAIRMENTの部分を評価(検査・測定)をし、可動域を改善したり、筋力をつけさせたりするかもしれません。ですが、このIMPAIRMENT部分を改善させることで、最終的には患者様の目標とするHANDICAPの改善をすることまでを理解・把握して患者様と向き合うのが大切ではないでしょうか。
目先の可動域を拡大させる、痛みを除去させるだけの治療にならないように心がけてこれからも臨床に挑んで行きたいと思います。
参考資料
実践 臨床推論 根拠に基づく柔道整復術を目指して
国際障害分類(ICIDH)