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誰かと生きる、ということ


「結婚」

いつか好きな人と結婚をする。子供ができて、家族になる。
そんな未来を簡単に思い浮かべられる人が羨ましい。



私は結婚に対しての憧れが人よりない方だと思う。
何十年も誰か1人に対して気持ちを捧げるなんてありえない、無理だ。そう思ってた
原因はいくつか考えられるが、
まあざっくり言えば自分の家庭環境のせいだろう。



「20代後半になったら、」
「30歳までには、」

そんな友人の言葉を聞きながら、自分の結婚観について考えた。




あれは、去年の秋頃だろうか。
地元から二駅隣の駅をふらふらと散歩し、
偶然入ったカフェである本を読んだ。
離婚を経験した11人の方々のエッセイをまとめた本だ。

結婚していた間の物語や、別れた理由、気持ちなど
それぞれ様々だったが
何人かが共通して書いていたこと。



「結婚していた相手の顔すらも今は覚えていない」


ええ!そんなことある?!
正直驚いた。
一度は死ぬまで一緒にいたいと思った相手の顔を忘れてしまうなんて、、

そんな気持ちと、一緒に涙がこぼれた。


別に悲しかったわけではない
やっぱり結婚なんてそんなものだと落胆したわけでもない



ただ安心した。心が温かくなった。


誰だか知らない、赤の他人の離婚話を読んで私は嬉しくなった。


「人生において結婚が全てではないし、なんでみんな結婚したいんだろう。私がおかしいのかな」

そんな私の考えを初めて肯定されたように感じた

終わりがあっても、大切だった人を忘れても、今元気に生きてる彼らに勇気をもらった。
どんなに大事でも、いつかは忘れてしまう。
その事実が私の心を救った気がした。


11人の彼らのおかけで、私の結婚観は少し変わった。


絶対にしたくないとすら思っていた、結婚を少し体験したくなった。
だって、終わってもいいのだから。
終わっても、忘れて生きていけるのだから。




ウエディングドレスを着て、愛する人と微笑み合う自分を想像する。
そんな未来が来るのか、来ないのか


私は少し楽しみだ
未来の自分が楽しみだ


もしそんな日が来たら、私は思い切りその日を生きてみたい。そう思った。






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