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加湿器選びに終止符を打つ

この度、長年試行錯誤していた「加湿器選び」に終止符を打つことができましたのでその経緯とともにご紹介しようと思います。きちんとした加湿器があるのと無いのとではQOLが大きく変わります。

加齢とともに乾燥が気になる

10代、20代の頃は空気の乾燥を意識することなどありませんでした。30代にさしかかるころ、肌がかさかさになったり、喉がいがらっぽくなったりすることが増え、部屋の空気が乾燥していることが原因だと気が付き、そこから加湿器を探す長い旅が始まりました。

加湿器があると良いこと

適度に調湿された部屋では、次のような良いことがあります。

  • 肌や髪がしっとりする

  • 鼻の奥や喉が乾きにくい

  • 風邪をひきにくい

  • 同じ温度でも部屋が暖かく感じる

実は「部屋が暖かく感じる」というメリットは大きいです。これは飽和水蒸気量がどうのこうので汗が蒸発しないのでどうこう、ということなのですが、本論ではないので省きます。

前提

加湿器を試したのは、次のような条件です。

  • 集合住宅で、上下左右に部屋がある

  • 気密性が高く、24時間換気をしている

  • 保温性が高いが、南側の一面に窓がある

歴代の加湿器

卓上タイプ(自然気化式)

最初に試したのは机の上に置くタイプの加湿器です。容器に水を入れると、ろ紙がその水を吸い上げ、気化していくタイプのものでした。このタイプの加湿器は、使っている時と使っていない時との差があまり感じられないため、使わなくなってしまいました。

濡れタオルと洗濯物

自然気化式が体感できなかったのは、小さいからなのでは?もう少し表面積を大きくすればよいのでは?という発想から、濡れタオルを近くにおいてみました。さらに、洗濯物を室内に干せば加湿効果があるのでは?と思い、実践しました。たしかに濡れタオルや洗濯物がある時と無い時の差はそれなりにあったのですが、あまり見栄えが良いものではないので、続きませんでした。

卓上タイプ(超音波式)

次に選んだのはデスクの上で使える超音波タイプの加湿器です。これは噴霧しているのが見えるし、水もどんどん減るので、効果がありそうな気がして使っていました。しかし、小容量なので頻繁に水を追加しなければならず、また本体が頻繁に壊れるので、使わなくなってしまいました。

一説によると、超音波式加湿器やスチーム式加湿器と電化製品との相性はあまり良くないようです。水の中に含まれるミネラルが電化製品の基板上で析出するから、というような理由らしいです。置く場所には十分注意したほうが良さそうです。

シャープ製の加湿器

そろそろ本格的な加湿器を買おうかな、と思い立ち、シャープのプラズマクラスター加湿空気清浄機を購入しました。こちらは加湿されているのを実感できましたが、欲張って空気清浄機能を期待したのが失敗でした。空気清浄フィルターなどの掃除が面倒なこと、動作音が大きいことなどが不満点です。

一番の問題は、加湿を担うトレーやフィルターをどう頑張ってもきれいに保てないことでした。加湿器を使うのは秋から春にかけての寒い時期です。この時期に水を使った洗い物が増えることが嫌で、定期的なメンテナンスを億劫に感じてしまいました。

ダイソン製の加湿器

シャープの加湿器の失敗を踏まえ、加湿に使う水を殺菌しながらであれば清潔に使えるのでは?という推量からたどり着いたのがダイソンの加湿器です。紫外線で殺菌しながら、清潔な湿気を部屋中に送り届けてくれる、との謳い文句でした。

こちらも加湿能力は問題ないものでしたが、給水の手間が課題でした。送風部を取り外し、タンクを外し、水を入れて、タンクを戻し、送風部を取り付ける。文章に書くと大した作業ではないのですが、毎日の作業となると面倒なものです。他にも、各部品のはめ込みが少しずれるだけで動作してくれないこと、送風部に析出したミネラルの掃除が面倒なこと、表示パネルが壊れて湿度の表示がおかしくなってしまったことなどが理由で、使わなくなってしまいました。

調湿機能付きエアコン

ダイソンの加湿器と時を同じくして狙っていたのが「加湿できるエアコン」です。除湿できるエアコンはありますが、空気中の水分を集めて加湿してくれる高機能なエアコンもあるのです。

調べてみると、定価が80万円超であることに驚愕しましたが、実際の販売価格は30万円前後だったので、電気屋さんに相談してみました。しかし、普通のエアコンには無い「調湿用の太めのパイプ」が別途必要であり、その工事を踏まえると100万円では済まないかも、との見積もりになってしまったため、諦めることになりました。

加湿器の決定版

お湯を沸かす

そして、たどり着いたのがお湯を沸かすタイプの加湿器です。昭和の風景ではおなじみの、石油ストーブの上に置いたヤカンに倣ったシンプルなソリューションでした。メーカーは象印です。BOSEだのダイソンだのハーマン・カードンだの、海外製の家電製品に浮かれていた自分にとっては久しぶりの国産家電でした。

見た目は電気ポット

象印の加湿器は、見た目はほぼ電気ポットですし、その使い方もほぼ電気ポットです。メーカーも頑張って、デザインを改善しようと努力はしているので、世代を経るごとにスタイリッシュにはなっています。現在は「かっこいい大きめの電気ポット」くらいのデザインです。

十分な加湿機能

加湿機能については、他の追随を許さないくらい十分なものです。「部屋のあたたかさ」が一段階あがります。ただし、空気を循環させる機能はないので、置く場所を工夫したり、送風機を組み合わせるなどをすればより実力を引き出すことはできそうです。

結露は一度だけ

湿度が十分にあるときに心配な「結露」ですが、年に一度くらいの頻度で経験しました。気温の差が生じやすい窓付近が問題ですので、二重窓や、窓用の断熱性フィルムが使用されていれば、ほとんど結露は起こりません。

電気代は高い(気がする)

電気代は少しだけ高くなりました。しかし、高くなった電気代以上の効果はあるように思います。

お湯を使う工夫

実は、加湿器を使用している部屋がいわゆるオール電化なので、電気代の変化には鈍感です。とはいえ「むむ、電気代が高いかも」と気がつくくらいには変化した気がしたので、家族と「給水にお湯を使う」という取り組みを行っています。

電気ポットなどは、お湯を沸かす段階に最も電力を使いますし、お湯は夜間電力で沸かしたものが温水器のタンクに溜まっているので、それを使用する分には日中にお湯を沸かすよりは安いのでは、という算段です。電気温水器では、お湯が出るまでにそこそこ時間もかかりますので、炊事などでお湯を使った後、蛇口から出るお湯を給水するスタイルです。

メーカーとしてはお湯での給水をあまり推奨していない(45度未満のぬるま湯であれば良さそう)でしょうし、電気代の変化もそれほど感じられなかったので、あくまでも心の平穏のための工夫です。

クエン酸での洗浄

お湯を沸かして、蒸発させて、を繰り返すので、想像しているよりも早く内部に汚れが析出します。月に一度くらいの頻度で、クエン酸30gを投入して洗浄モードで動作させる、というメンテナンスが推奨されています。

電気ポット用として販売されているクエン酸を使う辺り、やはり電気ポットから注ぎ口を取り除いた製品のようです。

メンテナンス自体は簡単です。ただ、部屋にいる間は加湿していたいし、不在時にお湯を沸かしっぱなしにするのも不安なので、クエン酸洗浄をするタイミングが難しいのが悩みどころです。

空気をコントロールする、という考え方

加湿器の最終兵器を手に入れたことで、部屋の空調が完成しました。24時間換気をベースに、部屋にはエアコン、加湿器、空気清浄機、サーキュレーターを設置しており、その日の気候や人数によって利用したりしなかったりしています。

温度だけでなく、湿度や空気の対流、入れ替えなど、総合的に空気をコントロールすれば、快適に過ごすことができますね。

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