【オープンAIのCEO解任騒動】私たちはAIを理解し慎重にならなければならない(2,187文字)
オープンAIのCEOであるサム・アルトマン氏が突如としてCEOの職を解任され、その驚きの出来事からわずか4日後には同氏が再びCEOのポジションに復帰するという波乱に満ちた出来事が発生しました。
オープンAIとは
代表的なサービスとして挙げられるのは、対話型生成AIのChatGPTです。
この騒動の主人公であるサム・アルトマン氏は、オープンAIの創業者の一人でもあります。
オープンAIの騒動
2023.11.17 アルトマン氏CEO解任
アルトマン氏の解任の原因は、取締役会内での意見の対立によるものでした。アルトマン氏は「企業の成長を重視」し、一方でサツケバー氏は「AIの安全性を重視」していました。特に、AIが「核戦争に匹敵する脅威」とされる中、サツケバー氏はそのリスクを最小限に抑えることを強調しています。この対立が深刻化し、アルトマン氏が資金集めのために中東を訪問したことが、最終的に解任の引き金となったと見られています。この騒動は、企業経営と技術の進化における倫理的なジレンマを浮き彫りにするものとなりました。
2023.11.19 アルトマン氏マイクロソフトに転職
マイクロソフトのCEOであるサティア・ナデラ氏は、サム・アルトマン氏とグレッグ・ブロックマン氏が同社に加わり、新たなAI研究チームを率いることを発表しました。この重要なニュースに対して、ナデラ氏は以下のようにコメントしています。
もし実現していたらマイクロソフトは2019年以来、オープンAIに対して推定で数十億ドルの資金を提供してきたパートナーとして、AI研究において更なる協力を深めることが期待され、アルトマン氏やブロックマン氏の経験と専門知識が、マイクロソフトのAIイノベーションに新たな展望をもたらすことになったでしょう。
2023.11.20 オープンAI従業員の95%が「会社を辞める」と抗議
OpenAIの従業員の95%が「辞める」と抗議し、サム・アルトマン氏の復帰を望む声が組織内で高まっていました。取締役会がサム・アルトマン氏を解雇した決定に対して、770人の従業員のうち95%に相当する数が抗議文に署名し、「復帰がなければ辞める」という意向を表明したのです。
興味深いのは、解任に追い込んだサツケバー氏も署名したことです。
2023.11.21アルトマン氏CEO復帰
最終的に、騒動を引き起こしたサム・アルトマン氏がOpenAIのCEOに復帰することで、物事は収束しました。サツケバー氏も含む従業員の95%が辞職を示唆する署名を行い、その後の激しい議論の末、組織はアルトマン氏を再び指導者として迎え入れました。この一連の出来事は、組織内の力関係や方針についての深刻な葛藤を浮き彫りにし、最終的には新たな段階への移行がなされました。
さいごに
今回は私の興味があるニュースをアウトプットしてみました。
水上の所感
騒動を振り返りながら、私の所感として、今回の出来事が結果的にはAIについて深く考える契機となったと感じます。私たちはAIに期待する一方で、その潜在的な脅威に対してもっと慎重である必要があると思います。
通常、AIの脅威について議論される際、具体的な例として「児童が作文の宿題にAIを使うのでは?」といった話が挙げられます。しかし、今回の騒動を通して、もっと深刻な問題が浮き彫りにされました。それは、AIが自己で意思決定ができる最初のツールであるという点です。これに対する理解を深めなければなりません。
人類はこれまで多くの発明を成し遂げてきましたが、それらは基本的には人間が意思決定を行ってきました。しかし、AIは自己で意思決定が可能です。これがこれまでの発明と異なる点であり、その重大性に目を向ける必要があります。
現時点ではまだAIを我々がコントロールしていると言えますが、この状態がどれくらい続くかは不透明です。重要なのは、AIを安全に使用することです。私たちはAIをより深く理解し、その安全な活用に努めることが不可欠だと考えています。世界は急速に変化しており、AIが登場してから約10年が経過していますが、これからも進化が続くでしょう。