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【アズ企画】【IR解説】新株予約権発行に関して
こんにちは!
アズ企画設計 IR担当の神部です。
今回は先日3/8に公表した新株予約権発行に関して解説していきます。
補足説明資料を出していますので、そちらをベースにお話していきます。
詳しい方からされると指摘箇所が多いかもしれませんが、今回はある程度わかりやすくお伝えするために書かせていただいていますので、その点ご留意いただくと有難いです。
0.大前提
まず、そもそもの話になりますが、当社は現在東証スタンダード市場に上場しておりますが、2022年4月4日に市場移行する際に、上場維持基準を満たさないままに「経過措置」というものを適用してスタンダード市場への移行を実施いたしました(この辺りの詳細なご説明は省きます)。
当社が満たしていなかったのは、「流通株式時価総額10億円以上」という項目です。流通株式時価総額は、時価総額×流通株式比率で表されるので、これを引き上げる為には株価を上げて時価総額を増やすか、市場に流通している株式数を増やして流通株式比率を引き上げる必要があります。
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これらの大きな課題を解消する為、当社は2021年12月に中期経営計画を公表し、現在までその実現に向けて取り組んできました。結果、未だ取り組み途上ではありますが、個人的には一定程度の成果が出ていると思っています。
そして今般、新たな施策として新株予約権を発行する事としました。
※その他の箇所についてはIRの拡充など頑張って進めています(と感じていただけると嬉しいです)
1.新株予約権の発行について
当社は3/8に第三者割当による新株予約権(以下「本新株予約権」)の発行を決定いたしました。この資本政策の目的は①成長戦略を実現する為の資金(新規事業の資金やM&A資金)を調達することで、業績拡大による株価上昇を実現し時価総額の引き上げを目指すこと、②流通株式数を増やすことで流通株式比率を引き上げることの2つを目的としています。この際、流通株式数の増加は流動性の向上を通して適正な株価形成(割安の解消)にも繋がると考えています。
結果として、この取り組みは「流通株式時価総額10億円以上」の達成にも大きく貢献するものと考えています。
さて、ここまでは目的の話になりますので、具体的なお話をしていきます。
ここでご注意頂きたいのが、本新株予約権はMSワラントではない、ということです。他にも説明すべきことはあるのですが、まずは混同されやすそうなことからお伝えいたします。
・MSワラントとの違いについて
本新株予約権とMSワラントの大きな違いは、行使価額(新株を発行する価格)が固定されている点です。しかも、その行使価額は発表前日の株価以上に設定し、株価が上昇した時点で初めて行使されるというものです。
本新株予約権は第3回・第4回に分かれていますが、それぞれの行使価額は、
第3回…1,640円
➡公表日前日の株価(=当社が維持すべき株価の最低限の水準として設定)
第4回…1,800円
➡向こう数年での目標株価として設定
となります。
MSワラントの場合、引受先の証券会社等は行使時点の株価を▲10%下回る価格で新株を手に入れ、株価下落に配慮しつつも行使価格までは執行優先で株式を売却していくので、多くの場合株価が下落する傾向が見られます(株価が上昇局面の会社さんだと下がらずに行使が進むこともあります)。一方で発行体側もどんどん行使されれば資金調達が進むため、多少の株価の下落には目を瞑っていることが多いようです。
この辺りは完全に個人の見解ですし、各発行体の置かれている状況等もあるので、批判するものではなく当社がMSワラントという手段を取らなかった理由、程度にお考えください。
また、この辺りは実際にweb検索すると出てくるような内容ですので、広く認識されていることでもあり、発行体側も認識している内容であると思います。
敢えてMSワラントと違います、と言及している要因も、本新株予約権をMSワラントと誤認して「株価が大きく下がる投資家にとってネガティブな施策だ!」と思わないでいただきたいという点にあります。
さて言い訳が多くなってしまいましたが、本新株予約権がどうなのかと言いますと、MSワラントでは無く固定行使価格型なので、当社の株価が発表時点の株価よりも大きく上がらないと行使されません。
当社はすぐに資金が必要なわけではありませんが、今後の成長投資(新規事業やM&A)のために資金を確保していきたいという状況ですので、この方法を取っています。
また、この方法であれば、徐々に株式が発行されていくため希薄化が一気に起こることも防ぐことができます。この辺りも当社がこの手法を選んだ理由でもあります。
一方で、今後株価が上がらないと行使が進まないため、行使させる為にも当社としては事業を発展させ、株主・投資家のみなさまにご評価いただける会社になっていく必要があります。
ここまでで当社の考えはかなりお伝え出来たと思うのですが、一般的な資金調達手段の公募増資との比較もしておきます。
・公募増資との違いについて
公募増資はその名の通り、広く一般の投資家へ新株を発行し資金調達する方法ですが、一気に株式数が増えて希薄化するというデメリットがあります。その場合、当社のように流動性が低い会社においては、株価に与えるマイナスインパクトが大きくなる為、希薄化が徐々に進む新株予約権の方が合っていると考えました。
さて、ここまで長く書いてきたので一旦まとめておきます。但し、内容はあくまで一般論としてご理解下さい。
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2.資金調達の目的について
こちらに関しては前回記事も参考にしていただくことになりますが、現在当社が取り組んでいる成長戦略である開発事業やプレミアムマンション事業などの新規事業、および当社とシナジー効果が見込める企業のM&A資金として使います。
※開発事業とプレミアムマンション事業についてはこちら
M&A(戦略的提携もこれに含んでおります)については、現時点では不確実性が高いので特に公表はしていませんが、企業を成長させるにはオーガニックな成長だけでなく、成長加速に資するM&Aや資本提携なども検討していく必要があると考えており、是非実現させたいと思っています。
今後開示すべき事項が発生しましたら(するといいな!)、またお知らせさせていただきますね。
今回の記事は以上になります。こちらを書くのになるべく誤認を生まないように気を付けたつもりなのですが、地味に前の2つの記事の数倍の時間がかかってしまいまして、タイムリーにお届けできずにすみません。
改めて資金調達について調べたのですが、検索するとサジェストがまあまあマイナスなことばっかりで…。実際には増資による資本調達によって成長が加速し、大幅な株価上昇に繋げている発行体も数多くありますので、サジェスト表示をなるべくプラスの内容にするようG社には頑張ってもらいたいですね笑
改めての言及にはなってしまいますが、各発行体で判断の要因は異なりますので、今回比較したMSワラントも公募増資も当社が今回手段として選ばなかったということですし、当社と同スキームの施策を実施している発行体さんもいらっしゃいますので、それぞれ調べていただけるとより理解が進むと思います(個社のお名前をここであげるのは避けさせていただきます)。
3.さいごに
今回の記事も含め、IRについてご意見・ご感想などございましたら、当社ホームページのお問い合わせ窓口からその旨をお寄せいただけると幸いです(お気軽にTwitterからDMでも大丈夫です)。
こんなIRやってほしい、などありましたらお気軽にご連絡いただけると幸いです。
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