30周年を過ぎたJリーグはサヴァイヴする
先日(9月24日)2025年J1J2クラブライセンス決定の発表があった。
毎年翌年のライセンスがどうこうなどと気にしたこともない、むしろ発表があったことすら知らないという(主にJ1ビッグクラブの)サポーターもいると思うが、判定が翌年の自分達のおかれる状況に直結するというクラブも少なからず存在し、そういったクラブに係わる皆さんにとってはライセンス付与決定は入試の合格発表を待つようなものである。違いますか、そうですか。
スタジアムの例外規定とか制裁とか諸々現状もう何年もそれで大した問題が起こってないスタジアムも結構あるし、どんどん形骸化してる条件もあるような気もするし、だったらもうその条件いらんやんと思ったりはするが。
そういえば例外規定に関して去年北九州方面からは結構怒りの火の手が上がっていた気がするが、今年はほぼ見かけないのは何故なのか(すっとぼけ)
J3からJFLへの降格も始まるとあって、昨年の今頃のギラヴァンツ北九州周辺には鬱々とした空気が流れていたので、Jリーグクラブでなくなるかもしれないということに関して去年の私は自分なりにかなり深く考察したものである。
改めて見ると9節からずっと降格圏、23節から最終節までずっと最下位ってすごいですね…
本当に運が良かった。
これが今年だったらどうなったことか。
他力本願が成就し、今年もJ3で戦うことが出来、更にJ2昇格プレーオフ圏内に位置している(9/27現在)ことに対して感謝の気持ちを忘れずに生きていきたいものである。
ついでに第一期J3最下位の頃、いくつかのJ1クラブのサポーターの方々から発せられた
「大丈夫です。北九州にはミクスタが出来たので何とかなります」
という言葉には含蓄があったなと思う。
しかし高知のエンブレム素晴らしいな。
最近一般企業のCIみたいなロゴ変更が増えたが、こういう地域のアイデンティティを見事に表現した上でデザインとしても素敵なエンブレムが私は好きだ(脱線)
Jリーグクラブであり続けるのも簡単ではない
合わせて選手契約制度の改定も発表になっていた。
これもまた
プロ契約締結初年度の報酬上限が基本報酬1,200万円(消費税別)+支度金 500万円(消費税別)
という部分で、
「たった1200万で有力な新卒選手の海外流出を阻止できるのか!怒!」
という反応をSNS上で結構見かけたが、それは主にJ1ビッグクラブのサポからのものであり、J3クラブのサポ視点でいくと、
J3リーグ:240万円 (いずれも消費税別)プロ選手の最低人数を各クラブ20名以上に設定
の部分で
「これで選手の待遇がかなり改善される」
と期待したと同時に、
「うちのクラブは負担に耐えられるのだろうか…」
とそれ以上の不安に襲われた関係者各位もいたのではないかと推察される。
個人的には1200万で海外流出阻止は難しいだろうし、選手の海外志向はお金だけでは解決出来ないとも考えているので、この制度の改定の主な目的はそこではなく、最低限の賃金保障という待遇改善の方ではないかと思う。
そして今回の改定は、Jリーガーと呼ばれる人達の待遇が改善されると同時に、この規定すら守れないクラブはJリーグにはいられませんよ、という話になるんだろうなということである。
Jリーグクラブの価値とJリーガーの価値を担保することは非常に好ましい事だ。
殆どの所属選手がバイトしながらでないと生活が成り立たず、サッカーに専念出来ない環境しか提供できないのにJリーグのプロチームを名乗ってもいいのかという疑念はずっと抱いていたので、その部分が改善されるに越したことはない。
自ら舞台を降りる選択はきっと増える
2023年にJリーグが30年という節目を迎えた年、クラブ数は全60クラブで打ち止めとなった。
ふんわりと「目指せ!J1!」と目標を掲げたところで絶対にJ1にはいけないが、
「目指せ!Jリーグ!」も同じである。
そして今、念願のJリーグ入りを果たせたとしてもそのままJリーグチームで居続けることはとても難しい。
もしかしたら入会するより維持することの方がもっと難しくなったのかもしれない。
そしてこのnoteを書きかけて放置していたところにこのような報が
カテゴリーを問わず活動終了、クラブ解散といった話を今後は聞く機会が増えるのだろうなと思う。
人口が減り、社会の様々な仕組みを維持するのが困難な今、サッカーだって例外ではない。
いつまでも拡大路線で続けられるわけがない。
自分達が応援するクラブ、私達のまちのチームが存在することは当たり前ではない。
26年からは秋春制も始まる。
大体報道が出たことは早晩現実になると思っているので、いずれ企業名入りクラブ名称も解禁になるだろうし(大宮が先陣をきるのか)、Jプレミア(Jリーグ4部制)も始まるんじゃないかという気がする。
世の中の変化の速度が増すのと比例して、Jリーグやその他のカテゴリーのサッカーの変化もこれまで以上に速くなるのだろう。
5年後、10年後、30年後、更にその先、それぞれのクラブはどう存在し続けるのか、しない選択をするのか、存在したくても出来なくなるのか。
想像もしないような未来が待っているのかもしれないが、その全てを見届けたい(事情が許す限り)