
公民連携事始その1
都市経営プロフェッショナルスクールのオガール合宿が終わった
まさに「終わった」と感じるのだ。前身の公民連携プロフェッショナルスクールから8年目、今回はアシスタントコーチとして現役生のサポートと講師陣の弄られ役として参加。講師のアドバイスは僕に向けられていると常に緊張の連続、背筋がピンと立ち、ケツバットの洗礼も浴びつつも終えたのだ。
都市経営プロフェッショナルスクールはこちら
現役時代も含めてアドバイスされることは結局は同じ
お前は何者なのだ、お前の生き様を超える事業はできない、お前と事業をしたいと思える人間にお前は今あるのか?
スクール開講前のシンポジウムはこちら
https://www.youtube.com/watch?v=pz4P7UvJ1TY
この大前提があり、特に公務員には大体手順が示されている。
この手順は実体験に沿ってその6くらいで書こうと考えてたのだけど、取り急ぎ現役生へのエールとしてまとめてみた。
・メールマガジンをとれ
・研修に呼べ
・プロフェショナルスクールに入れ
・市役所内に横断的組織を作れ
・オガール暖簾分けプロジェクトに人をよこせ
・デザイン会議の予算をとれ
・まちづくり会社を作れ
・公民連携基本計画をつくれ
・JR住道駅前エリアをリ・ブランディングしろ
・理学療法士である職員を地方創生局に異動させろ
「守破離」の「守」時代
・メールマガジンをとれ(2015.3→即決)
・研修に呼べ(2015.3→ 5開催)
・プロフェショナルスクールに入れ(2015.5→即決)
・市役所内に横断的組織を作れ(2015.7 →2015.9月議会上程、10.1地方創生局)
・オガール暖簾分けプロジェクトに人をよこせ (2015.10合宿時→市長、人事根回し、11月決定、12月岡崎さんと入江ちゃん初顔合わせ)
・デザイン会議の予算をとれ(2015.10月合宿時→2015.10戻ってすぐ2016当初予算にねじ込み)
・まちづくり会社を作れ(2016.5→2016.9月議会出資予算計上、議決,10月創設)
・公民連携基本計画をつくれ(2016.5→デザイン会議を3回開催し2017.2制定)
・住道駅前エリアをリ・ブランディングしろ(2016.11→2016.12月補正予算途中で押し込み、2017.5大東ズンチャッチャ夜市開催
・理学療法士である職員を地方創生局に異動させろ(2016.11→2017.4異動、地域健康プロジェクトスタート)
*専門職である理学療法士が政策部門に配属は前例なし
*宿泊を伴う派遣・異動の制度なし、オガールへ日々出張扱いで対応
*議会事案の場合、市長OKになる前から工作開始、7月言われて9月議会上程は実質1ヶ月くらいしか準備時間なし。
全く相手にされなかった時期から1年半の間にこれだけのアドバイスをいただいて、すぐに実践したことがこれ。われながらよく「守」したものである。
実践者がこれまで積み重ねてこられた知見からのアドバイスをそのとおりにトレースしづける、基礎力をつける、地道で地味なことを徹底的に鍛える。
スクールの合宿は2泊3日厳しく指導されるけど、デザイン会議は365日24時間ロックオンされ続けて、それこそ土日にもメールは来て対応しなくちゃいけない。
これが本当に鍛えられる、講師の食事のアテンドも試されるのだ。
もう一つ大切なこと
スクールを受講すると誰しも事業をやることを求められますが、公民連携事業の場合、誰が何をいつまでにやるのか、チーム組成が決め手になります。
受講時代には全く相手にされなかった僕はある時点で自分の強み、弱みを冷静に見るようにしました。クラブ活動でプレーヤーに憧れるけど、実力がないのにいつまでもしがみつくのではなく、マネジャーやスカウトなど裏方仕事でチームを支える役目に切り替えられるか。
暖簾分けプロジェクトのチラシを渡された時に、僕はこの決断をしました。
「誰かをPPPエージェントにしよう、僕は裏方に徹し、人柱になろう」と。
部長職で、財政課所管でもある僕の強みは市長とコミットメントし、予算をある程度自由につけられる権限があること。おまけに組織機構改革や人事にも影響力を発揮できるポジション。この強みを活かすことで環境整備はかなり進みます。
そのために大東市の中で一番公民連携を理解し発信できるスキルをアップデートし続けようと考え、終了後もスクール界隈に絡むことにしたのです。
名前も覚えられていなかった僕が今では弄られキャラになったのも爪痕を残したい一心でした。
議員の皆さんへの説明、地域住民との調整、ステークホルダーとの対峙、この時に管理職である僕が語れなければ誰が信用してくれるのか、信頼してくれるのか。
多くの公務員は、「デザイン会議をやれ」、「いい民間と連携しろ」「派遣しろ」とアドバイスを受けても、合宿から戻れば孤独に逆戻りします。あの熱量が冷め、逆に高い熱を浴びたが故にわが組織の冷め切った体温に凍え、落差に落ち込んでいくのです。
財政課職員並びに部長級の幹部職員の受講が少ないのが僕としては前から気になっていて、機会あるごとに参加を呼びかけています。
僕は先ほど述べたように予算は自由につけられます、市長との関係で先に市長にレクをし了承を得てるので財政課メンバーも諦めさせていたのもあります。かといってそれだと職員に悪いので、他の予算要求を切る環境も整えてあげました。財政課は結局一般財源をどれだけ切って財政調整基金の繰入を避けたいので。そういった意味では僕は財政課長を4年間務めたことも大きいのです。
現役生ではこの権力を持った人は見当たりませんが、権力を持った人にアプローチすればいいだけです。その人を説得できないようでは公民連携事業はできません。民間の人は危なくて手を結べませんよ。
財政課長なのか、その上の部長なのか、市長、知事なのか。誰かが予算編成権を握っているし、事業規模にもよりましょう。
1億円ならば決裁権は誰か、1千万円ならば誰を落とすか。地方創生推進交付金、デジ田に変わりましたけど、充当すれば一般財源は少なくて済みます。これで指定管理委託料が減額されれば安いものです。
僕は事業のことはアドバイスできないけど、この組織内での振る舞い方や総合戦略への位置づけ方などは得手としています。民間の方が安心して事業の壁を越えられるように、踏み台になれるかどうか、心のパンツを脱ぐとはそういうことです笑