「真のファッションフリーク」ってなんだ-2023/09/21(木)

・「ファッション、好きです」「服オタクです」「ファッションフリークです」と言うことにいまだにハードルを感じている。
・私の中に存在しているイマジナリー世間体の構成員に、「真のファッションフリークおじさん」がいるからだ。

・え?何の話?

・えーとつまり、私の中で「ファッションフリークとはこういう人!」という謎の固定観念がある。

・僕も若い頃はかなり無茶してね…手取り17万なのに15万のジャケット買ったり(笑)おかげで毎日ヤマザキパンの6個入りのパンばっか食べてたよ(笑)
・今みたいにインスタとか無かったからさ、深夜にファッション通信観て、繊研新聞買って読んでさ…主要ブランドのコレクションはほぼ暗記してたね(笑)
・お気に入りの革靴をピカピカに磨いてる時が一番幸せだなあ。気に入ったものは15年、20年と使ってるけど、だんだん熟成されて手に馴染む感じが愛おしいんだよね。


・この非実在おじさんの言説は「ファッションフリークあるある」ではある、と思う。
・ファッションのためなら生活に支障を来すレベルでの無理も厭わないこと、貪欲な知識欲(及び実際に豊富な知識があること)、良いものをお手入れしながら長く愛用すること。
・「あるある」はただの「あるある」で、本来はそれ以上でもそれ以下でもない。でも、それがいつの間にか「この『あるある』に当てはまらなければ、真のファッションフリークとは言えないんじゃないか」に変質していた。

・私はファッションのために生活を擲つようなことはしないし、できない。
・知識もにわかでムラがある。あまりにモノを知らないので、「よくそれでファッション関係の仕事してたね?!」と驚かれたことは1度や2度に留まらない。
・いわゆる「良いもの/一生モノ」や「丁寧な暮らし」にはかなり懐疑的だし、革小物などのお手入れは常に嫌々やっている。アイロンがけや裁縫は夫に丸投げする。やっていて心が落ち着いたことは一度も無い(お手入れや裁縫が好きな人を否定する意図は無く、私にそれを愛する適性が無い、というだけの話)。
・ていうか、全部「しようと意識してやる」ことじゃないのよな。多分このおじさんは、誰に言われるでもなく、単にやりたいからやっている。
・私が「あるある」をなぞれないからと言って、「私がファッションを好きだ!」と思った気持ちが「真ではない」ということにはならないよね。

・あと、「真のファッションフリーク」とか「本当の服オタなら〜」とか、無いですからね。資格制じゃないので。



・玉結びすらうまくできないし、好きなブランドのインスタでも年単位で見ない時があるし、革小物がパサパサになってても割と平気な顔をしている。
・でもそれはただの事実。
・1人部屋でちっちゃく練習してみる。
・「あ、はい。ファッション、好きです」
・自分でやってて笑ってしまうし、イマジナリー世間体は相変わらずごちゃごちゃ言ってくる。
・「セニックプリントの意味も知らなかったのに?まつり縫いで発狂してるのに?(笑)」

・「そうですね、でも、ファッションは好きだと思います。」
・言うぞ〜。

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