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病児保育で働くとは? 病児保育室ジオの保育士さんに教えてもらいました

第2回目である今回は、「病児保育室ジオ」で働く保育士の渡辺十顕(かずあき)先生について紹介します。大学で教員免許と保育士資格を取得し、その後は児童館で勤務されていた十顕先生。

弟である渡辺祐紀先生の開業をきっかけに「病児保育」と出会いました。
祐紀先生の熱意に触発され、故郷を離れて子どもたちに笑顔を届けるために尽力されている十顕先生に、「病児保育室で働くこと」について教えていただきました。

<子どもたち、そして、お母さんお父さんの力になりたい>

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-- 保育士、教員免許をお持ちのかずあき先生ですが、病児保育室で゙働く前はどのようなお仕事をされていましたか?

病児保育室で働く前は、八王子市内の児童館で勤務をしていました。
ここでは、午前中は主に幼児が活動するダンスや絵本の読み聞かせなどのレクリエーションを行っていました。午後になると小学生から高校生の子どもが児童館を訪れ、年齢の異なる子どもとふれあう機会が多かったです。

-- 児童館での勤務を辞め、病児保育室で゙働くようになったきっかけを教えてください。

弟が、病児保育併設のクリニックを開業するという話を聞いて、そこで初めて「病児保育」を知りました。当時、病児保育について全く知識がなかったのですが、調べていく中で少しずつ興味が湧いてきました。

また、児童館で働いている中で、もっと深く子どもと関わりたいと思っていたこともあり、「自分に何かできることがあればやってみたい、チャレンジしてみたい」と思い、決意しました。

-- 病児保育室で゙働くことに対して不安はありませんでしたか?

最初はかなり不安でしたね。
病児保育では、言葉の通り、病気の子どもを保育するので、元気な子を看るよりも注意するべきところが多いです。また、私自身、これまでに児童との関わりはあったものの、保育の経験がなかったので、すべてがゼロからの挑戦でした。

-- その不安はどのように乗り越えたのですか?

他の病児保育室に見学にいきました。そこで、実際に3日間、朝から現場に入り、体験勤務のようなことをさせてもらいました。
実際に施設で働いてみる中で、病児保育ではどういうことをして、どういうことに気をつけるのかということを実践的に学びました。
他には、病児保育のマニュアルやそれに関わる本を使って、基本的な知識を身につけていきました。

-- 他の施設で実際に勤務を体験してみるのはとてもいいですね。

うちの施設は、クリニックに併設しているので、すぐに医師や看護師からの助言をもらうことができるので、安心して働くことができています。自分で保育士としてまだまだ新人なので、研鑽を積んでいきたいです。

-- 病児保育室で勤務して、今年で3年目ということですが、これまでに印象的だったエピソードなどありますか?

印象に残っている経験は、お預かりしている子どもが初めて熱性痙攣(※)を起こした時のことです。急に熱が上がりはじめて、「様子がいつもと違うな」と思い、医師と看護師にすぐに報告し、冷静に対処することができました。
その時、お母さんから「ここがあってよかった」という言葉をいただきました。力になれたという嬉しさを感じた一方で、自分は保育士として、こうした場面において冷静に対処していかないといけないと強く感じた経験でした。

(※)熱性痙攣とは、一般に生後6か月から5歳までに、発熱時(通常は38度以上)に起きるけいれん発作のこと。

-- 子どもの命を預かっている責任感の大きい仕事だと思いますが、どんなことが日々のモティベーションになっているんですか?

やはり病児保育室で勤務をしていて嬉しいと感じるのは、子どもが元気になっていく姿を見たり、「楽しかった」と言ってもらったり、子ども達自身が喜んでくれることを感じられる時ですね。

また、保護者の方からも、「ここがあってよかった」と言っていただき、頼りにしていただけていると感じる時は、やっていてよかった、もっとできることがあれば力になりたいなと思います。


-- あずかるこちゃんを使ってみて、普段の業務はどのように変化しましたか? 

様々な業務が楽になりましたね。これまでクリニックのスタッフに、紙で共有していた情報が、あずかるこちゃんの画面上で共有できるのはとても便利です。
情報共有にかかる時間が減った分、病児保育室の受け入れの準備など別のところに時間を使えるようになりました。

-- あずかるこちゃん導入後、施設利用者さんからはどのような感想がありましたか? 

利用者さんの声は千差万別ですね。
慣れているお母さんからは、いつでもスマホからキャンセルや予約の申し込みができのは便利という声をいただいています。一方で、機械が苦手なお母さんもいらっしゃるので、そういった方には直接説明をしています。最初のハードルは少しあるかもしれませんが、慣れてしまえば使いやすいサービスだと思っています。

-- 最後に、病児保育には認知不足という課題があると思っていますが、ジオさんではどのような活動をされていますか?

毎月発行している「ジオだより」は、地域の多くの方に読んでいただいています。普段は保育園や幼稚園向けに発行していますが、年に2回ほど特別号として、小学生向けにも発行しています。この「ジオだより」を通して、病児保育のことも広く知ってもらうきっかけになっているのではと思っています。
あとは、夏にジオ祭りというイベントを開催しています。

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クリニックの患者さんや、病児保育室にきてくれる方に純粋に楽しんでもらうことを目的としていて、老若男女ともに参加していただいているので、とても賑やかなイベントです。

-- 地域をうまく巻き込んでいて、素晴らしい取り組みですね。

あと、病児保育を知ってもらうきっかけは、広報活動もそうですが口コミも大事だと思っています。実際に、他のお母さんの紹介がきっかけで利用していただける方も多いなと思っていて、その効果を感じています。
まず知ってもらって、使ってもらって、評価してもらって、また使いたいなと思ってもらう、この流れが大事だなと思っています。
どうやったらもっと「病児保育」を広く世間に知ってもらえるか、今後も考えていきたいと思っています。

-- 十顕先生、ありがとうございました!


【インタビューにご協力頂いた施設】
「病児保育室ジオ」
〒941-0052 新潟県糸魚川市南押上1丁目16番3号
糸魚川こどもクリニック併設の病児保育室で、急変時も小児科医による対応が可能で、安心・安全に配慮されています。また、毎月『病児保育室GEO だより』を発行しており、病児保育 についての広報活動にも力を入れて取り組んでおられます。


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