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産後ケア施設インタビュー#4 : 赤枝先生(産婦人科医、産前産後ケア助産院はるかぜ・はるかぜクリニック)

こんにちは!
あずかるこちゃんの園田です。

今日は、産前産後ケア助産院はるかぜ・はるかぜクリニックの代表理事である赤枝俊先生に、インタビューにご協力いただきました。

産婦人科医でありながら、産後ケア施設の運営にも尽力する赤枝先生。産後ケア事業に込める想いや、施設設立時の場所選び、内装についてのこだわりも伺っています。

産後ケアをまだ利用したことがないという方にも参考になるお話でしたので、ぜひご覧ください。 


【プロフィール】
・氏名:赤枝俊
・所属:産前産後ケア助産院はるかぜ/はるかぜクリニック 代表理事
・略歴:徳島県出身。東北大学医学部卒業。聖路加国際病院で初期研修、産婦人科専門研修。東京大学大学院に進学し、不妊治療(子宮内膜への胚着床)に関する研究を行う。東京山手メディカルセンター、東京大学医学部附属病院(産婦人科 助教)を経て、2023年1月に「一般社団法人はるかぜ」を設立。
・施設ホームページ:はるかぜ | はるかぜクリニック & 産前産後ケア助産院 はるかぜ (harukaz.com)

▼産後ケア施設を立ち上げた経緯を教えてください。

赤枝:子育てをしているお母さんたちに向けた「産前産後ケア」を世の中に広めたいと思い、2023年の1月に一般社団法人はるかぜを設立しました。もともと一緒に働く後輩が、産休明けヘトヘトになりながら仕事に向かう様子を見ていたり、昔からの友人が産後うつになって精神科に通っていたこともあって、産後ケアには興味を持っていました。しかし、産後ケア施設は、運営上の難しさもあって、世の中になかなか広まりづらく、日本ではまだ気軽に利用する文化もない状況です。私がなんとか収益化できるモデルをつくって、施設数が増えるといいなと考えています。

▼施設をつくるときに、吉祥寺を選んだ理由を教えてください。

赤枝:設立を考えたとき、いくつかの自治体に相談しに行ったのですが、武蔵野市では産後ケアをやっている施設がほとんどないことが分かりました。コロナ禍でお休みしている所があったのですが、再開しても数は足りない。子育て家庭も多いエリアで、近隣の三鷹市や練馬区、杉並区などに住むお母さんが利用しやすいということで、武蔵野市の吉祥寺駅近くでオープンすることに決めました。

はるかぜは設備の関係上、宿泊はできません。本格的に休息をするというよりは、お家に帰ってまた頑張れるようにリフレッシュしていただくための施設だと思います。

吉祥寺駅から近く周辺にお店がたくさんあるので、産後ケアついでにお散歩するなど、町を楽しんでもらいたいですね。

▼日帰りのプログラムやセミナーも開催しているんですね。

赤枝:曜日によって、ベビーマッサージ・フラダンス・あん摩マッサージ・理学療法・ピラティスなどを行っています。保育士が赤ちゃんを預かるので、お母さん自身の身体と向き合える時間になります。

また、デイケアでは午前中に4人くらいのグループでプログラムを受け、お弁当を食べてから、午後は産後に詳しい理学療法士やあん摩・ピラティスなどのプログラムをパーソナルで受けることが出来ます。疲れていたら無理に参加せず、ご自身のタイミングで午前のプログラムだけ、午後の個別だけでも参加できます。

隣にクリニックがあるのも特徴で、赤ちゃんの診療や処方、予防接種なども合わせて受けることができます。産後4か月未満くらいで利用できなくなってしまう産後ケア施設が多いのですが、はるかぜでは7か月未満まで預かっています。

▼内装について、工夫した点があれば教えてください。

赤枝:近隣の施設をいくつか見学させてもらった際、国産の木材を使って建てた施設がとても素敵でした。木の温かみがあって、床や壁もひんやりしない。赤ちゃんがハイハイしたり、ゴロンと寝たときにも安心感があるんです。それで、その施設を担当していた「天然住宅」さんに設計をお願いすることにしました。また、赤ちゃんの転落リスクを考えてベッドではなく布団を採用。リラックスできるとお母さんたちにも好評です。

▼お弁当も魅力的ですが、提携するお店はどのように探しましたか?

赤枝:あたたかいお弁当を用意できるように、近くのご飯屋さんを探しました。今は2種類のお弁当から選べるようにしています。ひとつは、昔から絵本やオーガニックレストランで有名なクレヨンハウスさん。タイミング良くうちのすぐそばに移転されて、オーガニックのお弁当を出していたのでお願いしました。もうひとつは、量をたくさん食べたい方向けに。授乳中のお母さんはすごくお腹が減るので、近くにあるカーニバルというご飯屋さんにお願いしました。

▼最後に、読者に向けてメッセージがあればお願いします。

赤枝:産後は特に子どもに目がいくし、子ども中心の考え方になります。それもとっても大切ですが、昨今核家族や共働きの家庭が増えて、どの家庭も子育ての人手が足りていない状況です。昔のようにおばあちゃんやおじいちゃんが手伝ってくれることも少ない現状があります。そんななかで「子育ては大変だから頑張らなくちゃ」という根性論は時代に合っていない。疲れてるときは休んでいいし、産後ケアに頼っていいんです。

産後ケアといっても、ちょっとお昼寝したり、ほかのお母さんや助産師、保育士と交流できるほか、宿泊したり、家に来てもらったりなど形はさまざま。スタイルに合わせて、もっと気軽に制度を活用してもらい、産後ケアを利用するという文化がもっと広まればうれしいです。

ライター:今井夕華(https://imaiyuka.net/

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