【雑記】消化酵素パワー
お望月さんのこのtogetterまとめの話です。
この中で言及されている消化酵素という概念が個人的に膝を打ったわけなんですが、仮に全く触れたことのないジャンル、題材であっても自分の今までの経験から何かしら琴線に触れる要素があれば、低カロリーで摂取できるということなんですね。
前知識を持っていなくても消化酵素があるのでヘルシーに咀嚼できる。これがガルパンだったら戦車の酵素を持っていなくてもスポ根で十分に代替でき、バーフバリならインド映画の代わりにものすごいアクションとヒューマンドラマ、HiGH&LOWならEXILEの代わりに不良×ヤクザ×勢力争いと言った風だ。キルラキルやグレンラガンを観ていなくても特撮の視点からプロメアにめちゃくちゃハマることもできるし、例えばプリキュアを一切観たことがなくても、
・絶体絶命のピンチに(お約束という名の前振り)
・歴代主人公が駆けつけ(あらゆるクロスオーバー作品)
・みんなの力を結集し(アベンジャーズのぐるって1周するアレ)
・専用のクライマックスメドレー曲が流れ(ラスボス戦でメインテーマが流れるやつ)
・それぞれが必殺技を繰り出しながら(生きとし生けるあらゆるバトル漫画)
・大量の敵との集団戦を繰り広げる(HiGH&LOW THE MOVIE)
に合致する消化酵素を持っていれば、「HUGっと!プリキュア・ふたりはプリキュア オールスターズメモリーズ」にドハマりするって寸法だ。
逆に限定的な消化酵素でしか血肉に変えれない作品もあって、自分の例だとLinked Horizonがそうです。最近オススメされて聴いているのですが、「紅蓮の弓矢」なら普通にアニソンとして聴けるんですよ。ところがシーズン2以降の曲となるとアニメを観ていないのでなんとなく雰囲気で聴くことになるんですが、これがかなり頑張らないといけないというか、色々ときつい。リンホラは自分の知っている文脈でいうと「物語音楽」なんですよね。音楽だけで完結せず、「この曲を十分理解するためには原作をきちんと読まなければいけないな」という思いが出てきて、「楽しむためのハードルが高い」=「カロリーが高い」という考えが募ってきます。
これはリンホラが面白くないという話では全然なくて(同じリンホラでも「ルクセンダルク大紀行」はめちゃくちゃ好き)、同じ文脈を共有していない人に自分の好きな作品をオススメするのは「カレーうどんカツ丼めちゃくちゃ旨いから食べてみて!!!」っていうようなものでつまりカロリーがめちゃくちゃ高い。これを防ぐにはやっぱり信頼できる情報筋を構築するのが大事で、それと並行して色んな消化酵素をバランスよく取り込むことで、あらゆるエンターテインメントを血肉に変えられるパーフェクトコンテンツマンへの道が開けられるんじゃないのかなと思いました。でもカレーうどんカツ丼は一度食べてみたいぞ。
(終わりです)