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「自社の可能性に挑戦し将来の利益を生む事業の種を見つける」セミナーを開催しました!
2024年3月4日に地域活性化センター神川にて、「〜自社の可能性に挑戦し将来の利益を生む事業の種を見つける〜 新規事業開発セミナー」を開催しました。
今回は松﨑光弘(株式会社エーゼログループ地域共創事業部長)が講師を務め、錦江町内ですでにご活躍の事業者さんはもちろん、これから事業を始めたい!と考えている方々にも参加していただきました。
目的とゴール
始めに、今回のセミナーの目的は、ご参加の皆さんの会社が継続的に利益を出し続けることです。そして、ゴールには継続的な利益の源泉となるイノベーションを生み出すための手法を理解すること、将来の利益を生む事業に着手することの2つを掲げました。
目的とゴールを皆さんと共有した上で、まずはエーゼログループが西粟倉村で行っている事業を紹介しました。
西粟倉村での取り組みは前回の記事にまとめてあるので、ぜひご覧ください!
↓ ↓ ↓
https://note.com/azero_kinko/n/n3c2f8b8022f2
3つのキーワード
当セミナーのキーワードは、「かけ算、転用、分担」です。
「かけ算」は組み合わせによって儲かるビジネス、「転用」は今持っているものを他のことに使う、「分担」は自社ですべてやるのではなく、他社と一緒にやった方がお互い利益が生じやすいということです。
イメージしやすいよう、具体的な事例を用いながらお話ししました。
事例紹介
事例①:商品の意味付けを変える
1つ目は、枡の製造を行う会社の事例です。枡は一般的には計りや器として使用される機会が多いですが、おしゃれなインテリアとして「意味づけを変える」ことで新たな活用を見出しました。さらに、最近では「枡のおひつ」の製造もされています。
参考:光枡プロジェクト(https://www.makuake.com/project/hikarimasu/)
事例②:テクノロジー✖️金融→リスクを機会に
2つ目は、自動車のエンジン制御装置を使い、貸し倒れのない自動車ローンを実現した事例です。この会社は「自動車があれば稼げるが、ローンが通りにくいため購入できない→高額のレンタル料で車両オーナーから借りる→貧困層から抜け出せない」というASEAN諸国が抱えるリスクに着目しました。
そこで、モビリティを管理・制御できる独自のIoTシステムを開発し、取集したデータを金融機関と共有する仕組みを作りました。
事例③:土地活用✖️付加価値向上
3つ目は、ゴルフ場を運営している会社の事例です。広大な土地を持つゴルフ場の一角にグランピング施設を併設するというかけ合わせを行っています。「ゴルフもできるグランピング施設」として新たな価値を創出しました。
参考:THE ROSE VILLAGE(https://rosevillage.jp/?page_id=663)
事例④:基本的なオペレーションが同じ
最後は、PCR検査を行う会社です。この会社、コロナ禍以前は海外用wifiの貸し出しサービスを行っていました。その時のオペレーションシステムをPCR検査に活用することで、システム構築にかかる時間を削減しました。
次に、事例のように3つのキーワードをご自身の事業に落とし込んでもらうための ”前提になるお話” をしました。
企業と利益
まずは、企業と利益の関係性についてです。
企業の事業の成果は利益で測られます。つまり、利益を出しているということは、それだけお客様のお役にたっているということです。
新しいものが次々生み出される中で、企業間での競争が激しくなっていると同時に、お客様の持っている情報がどんどんレベルアップしている現代では、お客様との競争も厳しくなってきています。
今、企業には、お客様より多くの情報を持ち、お客様の知らないものを提供できる力が必要とされています。常に変化することが求められているのです。
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変化するためには?
では、変化するためには何が必要なのでしょうか。企業が持つ強みを変えるひとつとして、イノベーション(=経営革新)という考え方があります。
イノベーションとは、今あるものを再結合する、今あるものの組み合わせを変えることを意味し、「新しい〇〇」を生み出すことを可能にします。企業が変化を求められる現代では、この「新しさ」が企業の将来の利益を左右するのです。
ここで1つポイントがあります。それは、将来の利益をつくるには順番があるということです。
1)種を見つける
2)変えるものを決める
3)試しにやってみる
4)うまくいったら全体に取り入れる
種を見つけ、変化させるものを決めたら、とりあえず実行して反応を見ます。そして、反応次第で次の段階に進むか、前の段階に立ち帰るかを決めます。とても単純なことですが、イノベーションのためにはどの段階も抜くことはできません。
さらに、最初のステップである「種を見つける」には、重要な視点が2つあります。
①世の中の動き(マクロ環境の変化)から見つける
例えば、ライフスタイルの変化、人口動態、人口構成など、社会全体の変化から着想する方法です。
②顧客からのフィードバックから見つける
自社の価値を一番よく知るのは、お金を払うお客様です。そのお客様から受けた、珍しいオーダーや変わった仕事、感謝された仕事の裏側には、「それをできる力があなたにある」というお客様からの信頼・期待があります。そこに大きなビジネスチャンスが隠れているかもしれません。
ここまでで、変化の必要性、利益や種を生み出す際に参考にしていただきたい点をお伝えしました。
あり得ないものを妄想する
講義を踏まえ、後半はグループごとにワークを行いました!
テーマ:変えるものを決める〜意味や価値を変える〜
・あり得ないお客様に売ることを妄想する。(使う人を大きく変えてみる)
・あり得ない場面で使うことを妄想する(使う場面を大きく変えてみる)
・あり得ない使い方を妄想する。(使い方を大きく変えてみる)
「もしこうだったら」「こんな商品あったら面白そう!」と、何か思い浮かぶものがあれば、実現可能性を考えず、妄想を膨らませます。
間違いないので、どんどん妄想し・共有していただきました!
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このワーク、「ありえなーい!」と言いつつも、皆さんがとても楽しそうに話されていたことが印象的でした。ありえないと思っているからこそ、色々なアイデアが出てきたのかもしれませんが、たまに当たりが出ることもあるんだとか…
コストもかからないので、社員研修などでやってみる価値は大いにありそうです!
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最後に
普通なら捨てるようなものでも、価値をつけることで商品になります。
ある人にとっては捨てるものでも、他の人にとっては価値のあるものになる。
チャンスはどこに隠れているか分かりません。捨てざるを得ないものを、どうにかできないか考えてみることも、種を探すヒントになるかもしれませんね!
今後、錦江町でどのような新しい商品や事業が誕生していくのか楽しみです!
今後も錦江町役場と連携しながら、事業開発に関するセミナーを実施予定です。日程が決まり次第、またご案内いたします!